▼基本情報(案件概要)
母親の相続発生後,兄弟(原告)から相談者(被告)に対して,母親の生前に預金口座から数千万円を不正に出金したとして,不法行為及び不当利得に基づく数千万円の損害賠償等を求める民事訴訟が提起された事案。
▼抱えていた課題
原告側は,母親が病気で倒れ判断能力が低下して以降,長期間にわたり相談者が無断で預金口座から多額の資金を引き出し,自身の私益のために費消したと主張していました。
しかし,相談者自身は出金行為そのものに関与していなかった期間があったほか,引き出された資金の多くは,母親の介護施設費用や医療費,生活費など,母親自身のために正当に支出されたものでした。
対象となる取引履歴は10年以上前まで遡るものであったため,当時の記憶が曖昧であり,客観的な証拠を集めることが困難な状況でした。身に覚えのない巨額の請求に対し,いかにしてこちらの主張を証明し,請求を退けるかが最大の課題でした。
▼問い合わせ経緯
突然,裁判所から数千万円という巨額の支払いを求める訴状が届き,相談者は大変なショックを受けられました。並行して家庭裁判所での遺産分割調停も進行しており,親族間の感情的な対立も激化していました。複雑に絡み合う法的問題を正確に整理し,毅然とした対応をしてくれる法律事務所を探していたところ,豊富な解決実績を持つ弊所に,ご相談・ご依頼に至りました。
▼ネクスパートだからできたこと・発揮された強み
当事務所の弁護士は,まず数十ページに及ぶ金融機関の取引履歴や,母親の医療記録,介護施設の利用状況などの膨大な資料を徹底的に精査しました。原告が「不正出金」と主張する金額について,当時の母親の生活状況や収支表と照らし合わせ,不自然な資金流出がないことを論理的に反論しました。その他にも,原告提出の証拠に対し,不自然な点を詳細に指摘し,証拠としての信用性を強く弾劾しました。
▼得られた結果
当方の緻密な証拠分析と法的主張が裁判所に認められ,原告側も当初の主張を維持することが極めて困難となりました。その結果,原告の請求額の大部分を退ける形で実質的勝訴と言える和解が成立しました。また,争いの一部については遺産分割調停の対象財産として適切に整理され,紛争の全体的な解決に向けた大きな前進を得ることができました。
▼ネクスパート担当者からのコメント
親族間の相続トラブルでは,親の生前の預金管理をめぐって「使途不明金」として高額な返還請求を受けるケースが非常に多く見られます。このような事案では,10年以上前の古い取引が対象となることも珍しくなく,記憶だけでの反論は困難です。
本件では,残された記録を一つひとつ丁寧に紐解き,相手方の証拠の矛盾を突くことで,いわれのない巨額請求を退けることができました。身に覚えのない請求を受けた際は,一人で抱え込まず,なるべく早い段階で相続問題に強い弁護士にご相談ください。的確な証拠収集と法的構成により,あなたを全力でお守りします。