▼基本情報(案件概要)
会社経営をしていた夫(父親)が急病により突然他界。多額の事業用負債(代表者保証)を背負うことを恐れ,法定相続人である妻子はすぐに相続放棄を行いました。その後,裁判所によって選任された相続財産清算人が財産の換価・清算手続を終えたところ,数千万円のプラスの財産が残ることが判明。相続放棄により相続権を失っていた妻と子の代理人として,「特別縁故者」として家庭裁判所に相続財産の分与を申し立てた事案です。
▼抱えていた課題
ご相談者様(妻と子)は,本来であれば法定相続人ですが,自ら相続放棄の手続きを完了しているため,法的には「初めから相続人ではなかった」扱いとなります。そのため,残った財産を受け取るためには,被相続人と特別に親しい関係にあった「特別縁故者」として家庭裁判所に認められる必要がありました。また,なぜ法定相続人であるにもかかわらず一度相続放棄をしたのか,その経緯について合理的な説明を行い,裁判所及び相続財産清算人の理解を得ることが最大の課題でした。
▼問い合わせ経緯
夫の死後,会社の債務超過を恐れて前任の弁護士の勧めで相続放棄をしたものの,数年後に相続財産清算人による自宅不動産の売却や会社の清算手続きがすべて完了した結果,数千万円の残余財産があることが分かりました。はじめは相談者自身が手続を行っていましたところ,思っていた以上に手続が複雑であったとのことで,弊所へご相談・ご依頼いただきました。
▼ネクスパートだからできたこと・発揮された強み
当事務所の弁護士は,まず「なぜ相続放棄に至ったのか」という背景事情を丁寧に整理し,やむを得ず相続放棄を選択したという事実を,客観的な資料とともに主張しました。また,妻については長年にわたり同居し,献身的な介護や家事・育児を通じて夫の財産形成に多大な内助の功があったことを詳細に記載した上申書を作成。子についても,夫の会社の事業や生活面で重要なサポートを行っていた具体的なエピソードを提示し,両者の縁故の強さと財産維持への寄与を強くアピールしました。
▼得られた結果
当方の緻密な立証と法的主張が家庭裁判所に認められ,相続放棄をした妻と子の双方が特別縁故者として該当すると判断されました。
結果として,残余財産の中から,妻に残余財産の約2分の1,子に同約8分の1の財産分与を受ける旨の審判が下されました。一度は相続権を失った状態から,正当な貢献度に応じた多額の財産を取り戻すに至りました。