更新日:2025年1月20日 (月)

公開日:2025年1月20日 (月)

家の片付けをして相続放棄ができなくなるケースとは?具体例を解説

家の片付けをして相続放棄ができなくなるケースとは?具体例を解説 家の片付けをして相続放棄ができなくなるケースとは?具体例を解説

サマリー

被相続人が住んでいた家が空き家となった場合、片付けをどのタイミングで行えばいいのか迷う方がいらっしゃると思います。

この記事では、相続放棄を検討している場合の家の片付けに関する注意点について解説します。

家の片付けをしたら相続放棄ができなくなる可能性がある

相続放棄を検討している際、可能であれば家の片付けを控えたほうがいいです。

相続人が相続財産の全部または一部を処分したり、自分のものとして使ったりした場合、単純承認(被相続人の財産をすべて相続すること)をしたとみなされます。
そのため、うっかり財産価値のある宝石や貴金属を相続人の間で分けてしまうと、相続放棄ができなくなる可能性があります。

もっとも、家を片付ける行為のすべてが、必ずしも相続財産の処分に該当するわけではありません。単純承認とみなされる法的効果を与えるのに妥当な程度の処分であることが必要です。経済的価値がないとはいえないものでも、経済的に重要性を欠く物の処分や、経済価値があるものの処分とはいえない場合は、単純承認にあたりません

過去の判例では、被相続人が使用していた家電を無償で譲渡したケースがあります(東京地裁平成21年9月30日判決)。その他、被相続人の使用可能なズボンと上着を相続人が第三者に与えたことは、これらのものは経済的価値が皆無といえないけれど、一般的な経済的価値があるものを処分したとはいえないと判断され、いずれも単純承認にあたらないとした判例もあります(東京高裁昭和37年7月19日決定)。

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家の片付けで相続放棄ができなくなる具体的なケースは?

家の片付けをして相続放棄ができなくなる具体的なケースについて解説します。

高価な遺品を処分する

高価な遺品を処分したら単純承認をしたとみなされ、相続放棄ができなくなる可能性があります。

例えば、被相続人が生前所有していた宝石や貴金属を相続人の間で分ける行為です。
売却してもほとんど値がつかないかという点が一つの判断基準になりますが、判断に迷った場合は手をつけないほうがよいでしょう。

賃貸借契約を解約する

被相続人が賃貸物件に住んでいた場合、その賃貸借契約を相続人が解約すると単純承認をしたとみなされ、相続放棄ができなくなる可能性があります。賃貸借契約の解約は、相続財産を処分する行為に当たる可能性があるからです。

このような場合は、相続放棄をしない他の相続人に契約を解約してもらいましょう。相続人全員が相続放棄をする場合には、相続財産清算人を選任して、その相続財産清算人が賃貸借契約を解約することになります。

なお、公営住宅の使用権は被相続人の死亡と同時になくなるため、契約の解除等の問題は生じません。

相続財産から公共料金や家賃を支払う

相続財産から公共料金や家賃を支払うと単純承認をしたとみなされ、相続放棄ができなくなる可能性があります。

相続人が自己の財産で家賃を支払うことは、相続財産の処分に該当する行為に当たらないため、相続放棄の障害にはならないでしょう。しかし、相続放棄をすれば、滞納家賃や未払いの公共料金を支払う義務はなくなるので、特段の事情がない限り、相続人の固有財産から支払う必要はありません。公共料金に関しても同様の考え方となります。

なお、相続人の一人がその賃貸借契約の連帯保証人になっていた場合は、相続放棄をしても家賃の支払いは免れません。

相続放棄をしても家の管理責任は残る

被相続人が家を所有していた場合、相続放棄をしても相続人に家の管理責任が残る場合があります

2023年4月に施行された改正民法で、相続放棄後の管理責任を誰が負うか明確になりました。2023年4月1日以後に相続放棄をした人が、その放棄時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続財産清算人に引き渡すまで、自己の財産におけるのと同一の注意を持って、その財産の管理を継続しなければなりません。

そのため、子どもがすでに別の土地で生活し、遠方に住んでいた親が亡くなって空き家になった場合は、現に占有しているとはいえないため、管理責任はないといえます。現に占有しているという解釈は難しいといわれていますので、判断に迷う場合は、弁護士に相談をおすすめします。

 

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相続放棄を検討中に家の片付けに迷ったら弁護士に相談を

相続放棄を予定している場合に、被相続人の家を片付けるときは、明らかなゴミや経済的な価値がない不用品のみを処分し、高価な遺品や家財道具等には手を付けないようにしましょう。
相続放棄ができなくなるリスクを回避するためにも、相続放棄の手続きは弁護士に依頼するのがおすすめです。

弁護士に手続きを依頼すれば、家の片付けも含めて相続放棄をする際の注意事項を、わかりやすくアドバイスしてくれるでしょう。被相続人が住んでいた家が空き家になり、近所から苦情が出たり、被相続人が賃貸物件に住んでいて大家から何か言われたりするなど、放置できないケースがあると思います。そうした場合に、処分ができるものとしてはいけないものを区別して行うために、あらかじめ弁護士のアドバイスを聞いて進めていきましょう。

まとめ

被相続人が住んでいた家の片付けは、相続人にとって頭の痛い問題の一つです。そのまま放置していると、近所からクレームがきたりするケースも少なくないからです。特に相続放棄を考えている場合は、慎重に家の片付けをしなければいけません。

ネクスパート法律事務所には、相続全般に強い弁護士が在籍しています。相続放棄に関しては、比較的リーズナブルな弁護士費用でお受けできます。初回相談は30分無料になるケースもありますので、一度お問合せください。

 

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コラム監修者

Shunsuke Teragaki

Shunsuke Teragaki

所属:東京オフィス

広島県広島市出身。修道高校、慶應義塾大学商学部、青山学院大学法科大学院を卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、個人・法人問わず幅広い分野の相談・交渉に取り組む。ネクスパート法律事務所の代表弁護士として、依頼者に最適な見通しと戦略的な解決策を示すことを信条とし、丁寧かつ粘り強い対応で信頼を築いている。

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