更新日:2024年7月23日 (火)

公開日:2024年7月23日 (火)

遺産分割の割合を決める4つの方法と注意すべき点を解説

遺産分割の割合を決める4つの方法と注意すべき点を解説 遺産分割の割合を決める4つの方法と注意すべき点を解説

サマリー

相続人が複数いる場合、被相続人の遺産をどのような割合で分けるか悩むケースがあります。
この記事では、遺産分割の割合はどう決めるか、遺産分割する際に気を付けるべきことを解説します。

遺産分割の割合はどのように決めるか?

遺産分割の割合を決めるには、以下4つの方法があります。

  • 法定相続分どおりに分割する
  • 遺言書の内容に従う
  • 遺産分割協議で相続人全員の合意のもと割合を決める
  • 協議による合意が難しい場合は調停・審判を利用する

それぞれ解説します。

法定相続分どおりに分割する

法定相続分とは、民法で定められた各相続人の取り分を示す割合です。
法定相続人の順位により異なり、同順位の法定相続人が複数いる場合は、その人数で均等に分けます。

遺言書の内容に従う

法的に有効な遺言書があれば、原則として、遺言書の内容に従って遺産を分けます。

遺産分割協議で相続人全員の合意のもと割合を決める

相続人全員で遺産分割協議を行い、合意のもとで割合を決めます。
相続人全員が合意すれば、どのような割合で分けても問題ありません。

協議による合意が難しい場合は調停・審判を利用する

遺産分割協議で合意が難しい場合、家庭裁判所に遺産分割調停を申立てます。
調停が不成立になったときは、審判に移行します。審判では、裁判官が裁判官が相続人全員の主張や提出資料を確認したうえで、公平な相続割合を決定します。

遺産分割の割合を決める際の目安となる順位ごとの法定相続分

遺産分割の割合を決める際に目安となる、相続人の順位ごとの法定相続分を解説します。
民法で、被相続人の財産を相続できる権利のある人として定められた法定相続人は、以下のとおり、被相続人との関係性によって順位が設けられています。

image1
相続人の構成に応じた法定相続分は、以下のとおりです。

image2
以下で詳しく解説します。

配偶者のみ

相続人が配偶者のみの場合、配偶者が遺産のすべてを相続します。

配偶者と子

相続人が配偶者と子(または孫)の場合、法定相続分は以下のとおりです。

  • 配偶者:2分の1
  • 子(または孫):2分の1

直系卑属が複数いる場合は、2分の1を人数で割ります。

配偶者と父母

相続人が配偶者と父母(または祖父母)の場合、法定相続分は以下のとおりです。

  • 配偶者:3分の2
  • 父母(または祖父母):3分の1

父母(または祖父母)が2人の場合は、3分の1を2人で分けます。

配偶者と兄弟姉妹

相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合、法定相続分は以下のとおりです。

  • 配偶者:4分の3
  • 兄弟姉妹:4分の1

兄弟姉妹が複数いる場合は、4分の1を人数で割ります。

子のみ/父母のみ/兄弟姉妹のみ

相続人が子(または孫)のみの場合、子(または孫)が全部を相続します。
父母(または祖父母)のみ、兄弟姉妹のみの場合も、同様に考えます。
同順位の相続人全員が複数いる場合は、人数で均等に割ってものが、それぞれの法定相続分となります。

遺産分割をする際に気を付けることは?

遺産分割をする際は、遺留分や生前贈与、被相続人への特別の寄与について気を付けなければいけません。

遺留分が侵害されていないか確認する

遺産分割をする際、遺留分が侵害されていないかどうか確認しましょう。
遺留分は、兄弟姉妹以外の法定相続人に対して、民法で保障された最低限の取り分です。
各相続人の遺留分割合(個別的遺留分)は、次の算定式で求めます。

総体的遺留分×法定相続分=個別的遺留分

総体的遺留分(遺産全体に対する遺留分の割合)は、次のとおりです。

  • 直系尊属だけが相続人の場合: 3分の1
  • それ以外の場合: 2分の1

個別的遺留分の割合は、以下のとおりです。

  • 配偶者のみ|2分の1
  • 配偶者と直系卑属|4分の1ずつ
  • 配偶者と直系尊属|配偶者が3分の1、直系尊属が6分の1
  • 直系卑属のみ|3分の1

生前贈与や遺贈を受けている相続人がいないか確認する

生前贈与や遺贈を受けている相続人がいないか確認しましょう。
生前贈与や遺贈を受けている人がいる場合、それを考慮せずに法定相続分や指定相続分で遺産分割をすると、不公平になるからです。
特別受益にあたる生前贈与や遺贈は、相続の前払いと考え、相続財産に加算(持ち戻し)をします
遺贈はすべて特別受益にあたりますが、生前贈与としての特別受益は、以下の2つに限られます。

  • 婚姻の際の持参金・家財道具の購入
  • 生計の資本としての贈与(事業資金の贈与、居住用の不動産の贈与など)

被相続人への特別の寄与が遺産分割に反映されているか確認する

被相続人への特別の寄与が遺産分割に反映されているか、確認をしましょう。
被相続人の介護等を特定の相続人が一手に引き受けていた場合、遺産を法定相続分で分割したら不公平になるケースがあります。この場合、自分には寄与分があると主張しましょう。
ただし、寄与分を主張するには介護ヘルパーを雇うべきところを担って介護した実績が必要です。例えば、単に通院に付き添っただけでは、特別の寄与があったと認められません。
特別の寄与があったと認められるには、以下の条件を満たさなければいけません。

  • 相続人自らの寄与行為があること
  • 寄与行為が特別の寄与と評価できること
  • 被相続人の財産の維持または増加があること
  • 寄与行為と被相続人の財産の維持または増加との間に因果関係があること

まとめ

遺言書がない場合、遺産分割の割合は、相続人全員の合意で自由に決められます。
相続人全員が納得できる遺産分割の割合を決めるために、法定相続分や寄与分、生前贈与を総合的に考慮して、公平な遺産分割案を検討しなければなりません。
公平な遺産分割割合を決めたい場合には、弁護士に依頼するのが効果的です。弁護士に依頼すれば、法的な観点から相続人全員が納得できる公平な分割案を検討できます。
遺産分割にお悩みの方は、ぜひネクスパート法律事務所にご相談ください。
初回相談は30分無料ですので、お気軽にお問合せください。

コラム監修者

Shunsuke Teragaki

Shunsuke Teragaki

所属:東京オフィス

広島県広島市出身。修道高校、慶應義塾大学商学部、青山学院大学法科大学院を卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、個人・法人問わず幅広い分野の相談・交渉に取り組む。ネクスパート法律事務所の代表弁護士として、依頼者に最適な見通しと戦略的な解決策を示すことを信条とし、丁寧かつ粘り強い対応で信頼を築いている。

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