解決結果のサマリー
※プライバシー保護のため、事例の内容は特定できないよう一部変更し、金額は概数で記載しています。
※解決結果は個別の事案の内容に基づくものであり、同種の結果を保証するものではありません。
事例の概要
ご依頼者のAさんは、女性です。仕事を通じて知り合った既婚男性Bさんと一度だけ関係を持ち、それがBさんの妻Cさんに知られました。Cさんの代理人弁護士から、継続的な関係があったとして慰謝料300万円を求める受任通知が届きます。当事務所は受任して受任通知を送りましたが、その後、Cさん本人がAさんの勤務先や取引先に電話をかけて本件を話すという事態が起きました。当事務所は直ちに書面で抗議。そのうえで、謝罪の意向とともに相手方ご夫婦の別居・離婚の有無とBさん本人への請求の有無を照会し、同居中との回答を踏まえて、求償権を放棄する条件で50万円を提示しました。相手方はこの内容で合意書案を作成して送付。当事務所は、相手方本人が勤務先や取引先に連絡した経緯を踏まえ、相手方とAさんが互いに相手の勤務先など関係者へ接触しないという相互の条項を追記するよう要請し、相手方が反映した合意書で50万円・一括の締結に至りました。担当は北條さやか弁護士です。
請求300万円に対し、合意額は50万円(約83%減)。支払いは一括で、受任から締結まで数か月。手続はすべて代理人間の書面のやり取りで進み、訴訟にはなっていません。
ご相談時の課題
表面上の課題
- 相手方に弁護士が付き、300万円の請求が届いた
- 相手方は継続的な関係があったと主張していたが、Aさんは一度だけと認識していた
- 受任通知の後に、相手方本人がAさんの勤務先や取引先に連絡し、本件を話した
- 相手方本人の行動が攻撃的で、Aさんは不安を抱えていた
本当の課題は3つ
- 相手方本人の行動を止める——代理人が付いているにもかかわらず、相手方本人がAさんの勤務先や取引先に連絡する事態は、Aさんの生活と仕事に直接影響します。書面で抗議し、以後の行動を止める必要がありました
- 金額の組み立て——一度だけの関係と継続的な関係では水準が異なります。別居・離婚の有無を確認したうえで、求償権放棄を条件に提示する定型の手順で組み立てる必要がありました
- 職場への接触を条項で防ぐ——金額の合意だけでは、相手方が再び勤務先などに連絡してくる不安は残ります。相手方の側にも、Aさんの関係者や勤務先への接触禁止を課す条項が必要でした
Aさんはご相談時に「できるだけ早く契約したい」と話され、相手方本人の行動への不安を訴えていました。
ご依頼中のやりとり——Aさんはどうサービスを使ったか
- 請求が届いた段階で相談し、早く契約したいとの希望で依頼
弁護士の対応
(1) 相手方本人の行動に、書面で抗議する
受任通知の後、Cさん本人がAさんの勤務先や取引先に電話をかけて本件を話したことが分かり、当事務所は直ちに相手方代理人に書面で抗議しました。代理人が付いている以上、相手方本人がAさんの関係者に直接連絡することは許されない旨を明確にしたものです。
(2) 前提事実を照会し、求償権放棄を条件に提示する
続けて、当事務所は謝罪の意向とともに、相手方ご夫婦の別居・離婚の有無とBさん本人への請求の有無を照会しました。Aさんは当初、相手方夫婦が離婚に向かっていると聞いていましたが、相手方からは同居中との回答がありました。当事務所は、婚姻関係が継続している事案として、求償権を放棄する条件で50万円を提示し、支払期限を翌月末とすれば一括で支払える旨を伝えました。
(3) 相手方が合意書案を作成
相手方は、当方の提示どおり50万円・求償権放棄の合意書案を作成して送付してきました。
(4) 勤務先など関係者への接触禁止を相互に追記させて締結
当事務所は、相手方本人が勤務先や取引先に連絡した経緯を踏まえ、相手方とAさんが互いに、正当な理由なく相手の勤務先など関係者への訪問・連絡を含め直接・間接を問わず接触しないという相互の条項を追記するよう要請しました。相手方はこれを反映した合意書案を送付し、当方が応諾。合意書には、不貞の事実の確認と謝罪、解決金50万円の一括払い、Bさんへの接触禁止、相互の関係者への接触禁止、違反時の違約金、求償権の放棄、清算条項が置かれ、双方が記名押印して締結しました。Aさんは期限内に一括で振り込みました。
ご依頼中のやりとり——Aさんはどうサービスを使ったか
- 受任後、相手方からの連絡はすべて事務所へ。相手方本人が勤務先に連絡した際も、事務所が抗議
- 関係が一度だけであることと、相手方から聞いていた事情を共有し、照会の土台に
- 提示方針と、関係者への接触禁止を相互に追記する方針について説明を受けて判断
- 合意書の条項の説明を受けて締結し、期限内に一括で振り込み
解決結果
ご依頼前、Aさんは300万円の請求と、相手方本人が勤務先や取引先に連絡してくるという事態を前にしていました。
解決時には、金額は300万円から50万円へ。求償権を放棄する条件と引き換えに、当方の提示額がそのまま合意額になりました。合意書には、不貞の事実の確認と謝罪、解決金の一括払い、Bさんへの接触禁止、相手方とAさんが互いに相手の勤務先など関係者へ直接・間接を問わず接触しない相互の条項、違反時の違約金、Bさんに対する求償権の放棄、清算条項が置かれています。Aさんは期限内に振り込んで終結し、書面での抗議の後、相手方本人が勤務先などに連絡する事態は記録上ありません。
担当弁護士からのコメント(北條さやか弁護士)
代理人が付いた後に、相手方本人がご依頼者の勤務先や取引先に連絡してくることがあります。その場合、直ちに書面で抗議し、以後の行動を止めることが第一です。本件では、抗議の後に定型の照会と提示で金額を固め、相手方の合意書案に、勤務先など関係者への接触禁止を相互の条項として追記させました。金額だけでなく、職場への連絡の不安を条項で手当てすることが、本当の意味での解決につながります。
この事例に関するよくある質問
Q1. 相手方本人が、私の職場や取引先に連絡してきました。止められますか?
代理人が付いている以上、相手方本人があなたの関係者に直接連絡することは許されません。本事例では、当事務所が直ちに書面で抗議し、その後、相手方の勤務先など関係者への接触禁止を相互の条項として合意書に置きました。
Q2. 一度だけの関係ですが、相手方は継続的だと主張しています。
一度だけの関係と継続的な関係では、慰謝料の水準は異なります。本事例では、一度だけであることを前提に、別居・離婚の有無を照会したうえで求償権放棄を条件に50万円を提示し、そのまま合意書案が作成されました。
Q3. 求償権を放棄すると、どうなりますか?
求償権は、あなたが支払った後に不倫相手へ負担を求める権利です。放棄すれば相手方の配偶者に請求が及ばないため、相手方にとって利益があり、金額の引き下げと引き換えにできることがあります。本事例では、求償権放棄を条件に50万円で合意しました。
Q4. 相手方が用意した合意書案に、条項を追加してもらえますか?
合意書の条項は双方が交渉するものです。本事例では、相手方の合意書案に、相互の関係者への接触禁止条項を当方から追記させました。支払う側であっても、自分を守る条項を求めることはできます。