解決結果のサマリー
※プライバシー保護のため、事例の内容は特定できないよう一部変更し、金額は概数で記載しています。
※解決結果は個別の事案の内容に基づくものであり、同種の結果を保証するものではありません。
事例の概要
ご依頼者のAさんは、20代の女性です。仕事を通じて知り合った既婚男性Bさんと1年あまりの関係があり、Bさんの妻Cさんに知られました。Aさんは発覚の直後にCさん本人と電話で話し、関係の経緯や期間を問われるままに答えてしまっていました。その後、Cさんの代理人弁護士から、慰謝料300万円を1週間以内に一括で支払うよう求める通知が届きます。当事務所は受任の当日に受任通知を送り、以後の連絡を当事務所宛にするよう求めたうえで、謝罪の意向とともに相手方ご夫婦の別居・離婚の有無とBさん本人への請求の有無を照会。同居を継続しておりBさんへの請求はないとの回答を踏まえ、求償権を放棄する条件で50万円を提示しました。相手方は関係の期間や回数を挙げて拒み、求償権放棄を前提に125万円を示してきましたが、当事務所は裁判例に照らして高額であるとして80万円を提示。相手方はこれを受け入れ、合意書案の往復を経て80万円・一括で締結しました。合意書では、AさんとBさんに仕事上の接点が続くことを踏まえ、接触禁止に業務上必要な最小限の場合の例外を置いています。担当は北條さやか弁護士です。
請求300万円に対し、合意額は80万円(約73%減)。支払いは一括で、受任から締結まで数か月。手続はすべて代理人間の書面のやり取りで進み、訴訟にはなっていません。
ご相談時の課題
表面上の課題
- 相手方に弁護士が付き、300万円を1週間以内に支払うよう求められた
- 発覚の直後に相手方本人と電話で話し、関係の経緯や期間を答えてしまっていた
- 相手方は関係の期間や回数を強調していた
- AさんとBさんは仕事上の接点が続く関係だった
本当の課題は3つ
- 本人が話してしまった内容の位置づけ——受任前に相手方本人に話した内容は、以後の交渉の前提になります。それを踏まえたうえで、水準を整理する必要がありました
- 求償権の扱い——Aさんが支払った後にBさんへ負担を求める権利(求償権)を放棄するかどうかは、相手方にとって配偶者に請求が及ぶかどうかに直結します。放棄を条件に提示し、相手方の反応を見る設計が必要でした
- 仕事上の接点が続く前提の接触禁止——一律の接触禁止は現実に守れず、違反の争いの種になります。業務上必要な最小限の場合を例外とする条項が必要でした
Aさんはご相談時に「一旦自分の金額が減る方がいい」と話され、求償権の扱いに関心を示していました。
ご依頼中のやりとり——Aさんはどうサービスを使ったか
- 通知が届いた後にWebフォームから相談し、当日に依頼
弁護士の対応
(1) 受任通知で窓口を移し、前提事実を照会する
受任の当日、当事務所は受任通知を送り、以後の連絡を当事務所宛にするよう求めました。1週間の期限は、この時点で無力化されています。続けて、謝罪の意向を伝えるとともに、相手方ご夫婦の別居・離婚の有無とBさん本人への請求の有無を照会。相手方からは、同居を継続していること、Bさんへの請求はしていないことの回答がありました。
(2) 求償権放棄を条件に提示する
回答を踏まえ、当事務所は求償権を放棄する条件で50万円を提示しました。相手方は、関係の期間や回数を挙げて拒み、求償権放棄を前提に125万円を示してきました。
(3) 裁判例の水準を根拠に80万円を提示し、そのまま合意
当事務所は、相手方の125万円は同居を継続している事案の裁判例に照らして高額であるとして、80万円を提示しました。相手方はこれを受け入れ、合意書案を送付してきました。
(4) 接触禁止に業務上の例外を置いて締結
合意書案の往復では、振込先や条項の主体の誤記を修正するとともに、接触禁止条項を追加。AさんとBさんに仕事上の接点が続くことを踏まえ、業務上必要な最小限の接触など正当な理由のある場合を除く形にしています。合意書には、不貞の事実の確認と謝罪、慰謝料80万円の一括払い、求償権の放棄、接触禁止、相互の迷惑行為の禁止、清算条項が置かれ、双方が記名押印して締結。Aさんは期限内に一括で振り込みました。
ご依頼中のやりとり——Aさんはどうサービスを使ったか
- 相手方本人と電話で話した内容を正直に共有し、提示の土台に
- 求償権の扱いと提示方針について説明を受けて判断
- 合意書の条項(接触禁止の例外)の説明を受けて締結し、期限内に一括で振り込み
解決結果
ご依頼前、Aさんは相手方本人と電話で話してしまった後で、1週間以内に300万円という要求を前にしていました。
解決時には、金額は300万円から80万円へ。求償権を放棄する条件と引き換えに、当方の提示額がそのまま合意額になりました。合意書には、不貞の事実の確認と謝罪、慰謝料の一括払い、Bさんに対する求償権の放棄、業務上必要な最小限の場合を除くBさんへの接触禁止、相互に迷惑行為を行わないこと、清算条項が置かれ、Aさんは期限内に振り込んで終結しています。受任通知の後、相手方からAさん本人への連絡はなくなりました。
担当弁護士からのコメント(北條さやか弁護士)
発覚の直後に相手方本人から電話があり、問われるままに経緯や期間を答えてしまうことがあります。話した内容は以後の交渉の前提になりますが、そこから組み立て直すことはできます。本件では、受任通知で窓口を移し、別居・離婚の有無と不倫相手本人への請求の有無を照会したうえで、裁判例の水準を根拠に80万円を提示し、そのまま合意しました。仕事上の接点が続く相手との接触禁止は、業務上の例外を明確にしておくことが大切です。
この事例に関するよくある質問
Q1. 相手の妻から電話があり、経緯を全部話してしまいました。不利になりますか?
話した内容は以後の交渉の前提になりますが、そこから組み立て直すことはできます。本事例では、受任通知で窓口を移し、照会から組み立て直して、300万円の請求が80万円での合意となりました。話してしまった内容は、代理人に正直に共有してください。
Q2. 1週間以内に払えと言われました。間に合いません。
期限内に代理人を立てれば、以後の連絡は代理人宛になり、期限は交渉の中で整理されます。本事例でも、受任の当日に受任通知を送り、期限は無力化されました。
Q3. 求償権を放棄すると、金額は下がりますか?
求償権は、あなたが支払った後に不倫相手へ負担を求める権利です。放棄すれば相手方の配偶者に請求が及ばないため、相手方にとって利益があり、金額の引き下げと引き換えにできることがあります。本事例では、求償権放棄を条件に80万円で合意しました。
Q4. 不倫相手と仕事上の接点が続きます。接触禁止条項は守れますか?
一律の接触禁止は現実に守れず、違反の争いの種になります。本事例では、業務上必要な最小限の接触など正当な理由のある場合を除く形で接触禁止を置きました。