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未成年の子を育てている夫婦が離婚する場合、養育費の相場の金額がいくらか気になると思います。
この記事では、以下の点について解説します。

  • 養育費の相場
  • 養育費の計算方法
  • 親の年収と子の人数別にみる養育費の相場

養育費の相場はどれくらいか?|子の人数別

2021年に厚生労働省が公表した全国ひとり親世帯等調査結果報告によると、養育費の相場の金額は、以下のとおりです。

平均1人2人3人4人5人不詳
母子 世帯50,485円40,468円57,954円87,300円70,503円54,191円39,062円
父子 世帯26,992円22,857円28,777円37,161円0円0円10,000円

ただし、上記は養育費を現在も受けている、または受けたことがある世帯で、額が決まっているものに限られます。
引用:令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告|厚生労働省

養育費の2つの計算方法

養育費は、裁判所が公表している養育費算定表を用いる方法計算式を利用して算出する方法があります。

算定表を用いる方法

裁判所が公表している養育費算定表を用いれば、簡易に養育費を計算できます。
実務上も、この方法を用いることが多いです。
養育費算定表は、(表1)~(表9)まであり、どの表に該当するかは、子の人数・年齢で決まります。

子の人数年齢構成該当する表
1人0〜14歳(表1)
15〜19歳(表2)
2人2人とも0〜14歳(表3)
上の子が15〜19歳、下の子が0〜14歳(表4)
2人とも15〜19歳(表5)
3人3人とも0〜14歳(表6)
上の子が15〜19歳、下2人が0〜14歳(表7)
上2人が15〜19歳、下の子が0〜14歳(表8)
3人とも15〜19歳(表9)

該当する表がわかったら、後は2つのステップを踏むだけです。

Step①義務者と権利者の年収を確認する

養育費算定表は、次のように構成されています。

  • 縦軸:義務者(養育費を支払う側)の年収
  • 横軸:権利者(養育費を受け取る側)の年収

給与所得者の場合は、源泉徴収票の[支払金額](控除されていない金額)が年収に当たり
ます。給与所得の他に確定申告していない収入がある場合は、その収入額を支払金額に加算して給与所得として計算します。
自営業者の場合は、確定申告書の[課税される所得金額]が年収に当たります。[課税される所得金額]の中に、実際に支出されていない費用(基礎控除・青色申告控除、支払がされていない専従者給与など)が含まれる場合は、その金額を[課税される所得金額」に加算して年収を定めます。

Step②縦軸上の線と横軸上の線が交わる箇所を確認する

表の縦軸上の義務者の年収の欄を右に伸ばした線と、横軸上の権利者の年収の欄を上に伸ばした線が交わる部分を確認します。
例えば、以下のケースでは、(表1)を用います。

父親の年収:600万円(給与所得) 母親の年収:100万円(給与所得) 子の人数:1人(6歳) ※離婚後は、母親が子を監護養育している。

この場合は、父親が義務者、母親が権利者となります。


引用:平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について | 裁判所
(※赤線部分などの書き込みは加工)

上図のとおり、縦軸上の欄と横軸上の欄をそれぞれ伸ばした線が交わる欄の金額は6~8万円となり、この金額が、義務者が負担すべき養育費の標準的な減額を示しています。
参照:養育費・婚姻費用算定表|裁判所

計算式を用いる方法

権利者または義務者の年収が高く、算定表を利用できない場合(算定表に表示された年収を超える場合)や、1円単位で養育費を計算したい場合などには、以下の計算式を用いて算定します。

養育費の年額=子の生活費×義務者の基礎収入÷(義務者の基礎収入+権利者の基礎収入)

計算方法は、以下の手順で行います。

Step①義務者と権利者の基礎収入を求める

義務者と権利者の基礎収入を求めます。
基礎収入とは、総収入から以下のものを控除した金額です。

  • 公租公課
  • 職業費(洋服代・交通費・交際費等)
  • 特別経費(住居・保険関係)

具体的には、以下の計算式に当てはめて算出します。

基礎収入=総収入×基礎収入割合

総収入については、給与所得者は、原則として源泉徴収票の[支払金額]の欄を参照します。自営業者の場合は、確定申告の[課税される所得金額]を用います。
基礎収入割合は、以下のとおりです。

自営業者の場合の[課税される所得金額]は、すでに必要経費や社会保険料が控除されています。そのため、基礎収入を算定する際は、[課税される所得金額]から所得税、住民税、特別経費のみを控除することになるため、給与所得者に比べて割合が高くなっています。

Step②子の生活費を求める

子の生活費を求めます。
計算式は、以下のとおりです。

子の生活費=義務者の基礎収入×子の生活費指数の合計÷(100+子の生活費指数合計)

生活費指数とは、大人1人を100とした場合の、子に割り当てられる生活費の割合です。
この指数は、子の年齢によって、以下のとおり区分されています。

  • 14歳以下の子:62
  • 15歳以上の子:85

例えば、12歳の子と16歳の子がいるケースの計算式は、以下のとおりです。

子の生活費=義務者の基礎収入×((62+85)÷(100+62+85))

Step③養育費の金額を求める

Step①と②で求めた数字をもとに、以下の計算式にあてはめて、養育費の金額を求めます。

養育費の年額=子の生活費×義務者の基礎収入÷(義務者の基礎収入+権利者の基礎収入)

上記の計算式で算定された金額は年額であるため、これを12で割って、月額の養育費を計算します。

義務者の年収および子の人数別にみる養育費の相場

義務者の年収および子の人数と年齢別にみる養育費の相場は、以下のとおりです。
給与所得者と自営業者の両方を示しますので、参考にしてください。

【注意】 以下で示す養育費の相場は、権利者の年収を0円と仮定して算出しています。

義務者の年収400万円×子1人

給与所得者自営業者
子の年齢が0歳~14歳4万~6万円6万~8万円
子の年齢が15歳以上6万~8万円8万~10万円

義務者の年収400万円×子2人

給与所得者自営業者
子の年齢が2人とも 0歳~14歳6万~8万円10万~12万円
第1子が15歳以上、第2子が0歳~14歳8万~10万円10万~12万円
第1子と第2子がともに15歳以上8万~10万円10万~12万円

義務者の年収500万円×子1人

給与所得者自営業者
子の年齢が0歳~14歳6万~8万円8万~10万円
子の年齢が15歳以上8万~10万円10万~12万円

義務者の年収500万円×子2人

給与所得者自営業者
子の年齢が2人とも 0歳~14歳8万~10万円12万~14万円
第1子が15歳以上、第2子が0歳~14歳10万~12万円12万~14万円
第1子と第2子がともに15歳以上10万~12万円14万~16万円

義務者の年収600万円×子1人

給与所得者自営業者
子の年齢が0歳~14歳6万~8万円10万~12万円
子の年齢が15歳以上8万~10万円12万~14万円

義務者の年収600万円×子2人

給与所得者自営業者
子の年齢が2人とも 0歳~14歳10万~12万円14万~16万円
第1子が15歳以上、第2子が0歳~14歳12万~14万円14万~16万円
第1子と第2子がともに15歳以上12万~14万円16万~18万円

義務者の年収700万円×子1人

給与所得者自営業者
子の年齢が0歳~14歳8万~10万円12万~14万円
子の年齢が15歳以上10万~12万円14万~16万円

義務者の年収700万円×子2人

給与所得者自営業者
子の年齢が2人とも 0歳~14歳12万~14万円16万~18万円
第1子が15歳以上、第2子が0歳~14歳14万~16万円18万~20万円
第1子と第2子がともに15歳以上14万~16万円18万~20万円

義務者の年収800万円×子1人

給与所得者自営業者
子の年齢が0歳~14歳10万~12万円12万~14万円
子の年齢が15歳以上12万~14万円16万~18万円

義務者の年収800万円×子2人

給与所得者自営業者
子の年齢が2人とも 0歳~14歳14万~16万円18万~20万円
第1子が15歳以上、第2子が0歳~14歳14万~16万円20万~22万円
第1子と第2子がともに15歳以上16万~18万円22万~24万円

義務者の年収900万円×子1人

給与所得者自営業者
子の年齢が0歳~14歳10万~12万円14万~16万円
子の年齢が15歳以上12万~14万円18万~20万円

義務者の年収900万円×子2人

給与所得者自営業者
子の年齢が2人とも 0歳~14歳16万~18万円22万~24万円
第1子が15歳以上、第2子が0歳~14歳16万~18万円22万~24万円
第1子と第2子がともに15歳以上18万~20万円24万~26万円

義務者の年収1000万円×子1人

給与所得者自営業者
子の年齢が0歳~14歳12万~14万円16万~18万円
子の年齢が15歳以上14万~16万円20万~22万円

義務者の年収1000万円×子2人

給与所得者自営業者
子の年齢が2人とも 0歳~14歳18万~20万円24万~26万円
第1子が15歳以上、第2子が0歳~14歳18万~20万円24万~26万円
第1子と第2子がともに15歳以上20万~22万円26万~28万円

養育費を相場以上に受け取れるか?

権利者・義務者が話し合いをして、双方が合意できれば、養育費の相場以上の金額が受け取れます。
主に以下の事情がある場合に考慮されるケースがあります。

  • 子が私立の学校へ通うなどの事情がある場合
  • 子の医療費が高額になる場合

相場以上の養育費を受け取ることに合意ができたら、トラブル防止のために離婚協議書にまとめておきましょう

まとめ

養育費は親の年収や子の人数や年齢によって相場の金額が変わります。この記事を参考にして、適切な養育費がもらえるように話し合いをしましょう。
ネクスパート法律事務所には、離婚案件を数多く手掛けた経験のある弁護士が在籍しています。養育費に関してお悩みがありましたら、一度ご相談ください。初回相談は30分無料となりますので、お気軽にお問合せください。

この記事の監修弁護士

弁護士 石田志寿
第二東京弁護士会所属
石田 志寿(登録番号:47706)

はじめまして。ネクスパート法律事務所 東京オフィス弁護士の石田志寿です。

これまで家事事件をはじめ、不倫慰謝料や離婚など男女問題に特化した事件に携わってまいりました。その中でも、夫婦関係や不倫問題のご相談は、法律論だけでなくお気持ちへの配慮が重要となる分野だと強く感じております。

私が大切にしているのは、まずお話を丁寧に伺うことです。ご相談者様が抱えている不安や葛藤を正確に理解したうえで、法的に適切かつ現実的な解決策をご提案いたします。

「相談したら気持ちが落ち着いた」「話しやすかった」といったお声をいただくことも多く、心に寄り添う姿勢と、解決に向けた冷静な判断の両立を常に意識しております。

一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。