夫婦生活の中で夫と別れたいと考えるのは、不思議なことではありません。
喧嘩や心のすれ違いが続く中で、離婚を考えるのは自然なことです。
ただ、本当に離婚すべきか、修復の余地があるかは状況によって異なります。
ここでは、別れを考える理由や、離婚すべき夫の特徴、実際に別れる方法や準備についてわかりやすく紹介します。
目次
夫と別れたいと思うのはどんな時?
夫と別れたいと思う瞬間でよくあるものを紹介します。
これらは多くの人が経験するもので、特別な感情ではありません。
喧嘩が多く精神的に疲れたとき
毎日のように些細なことで喧嘩になり、心がすり減っていくと、「この人と分かり合うのは無理かもしれない」と感じてしまいます。
分かり合えない状況が続くと、やがて諦めの感情が芽生えてきます。次第に別れを考えるのも無理はありません。
「早く離婚したい!夫や妻とすんなり離婚するには」の記事も参考にしてください。
子育てや家事に非協力的なとき
子どもを育てながら家事も全部一人で抱える毎日。夫は何もしない、手伝ってくれない、感謝の言葉もない。
こうした我慢の積み重ねが「夫はいなくてもいいかもしれない」という気持ちにさせます。
特に、子どもの世話より自分の趣味や会社付き合いばかりを優先している姿を見て、失望する人も少なくありません。
一緒にいても孤独を感じるとき
同じ空間にいても会話はなく、心がまったく通じ合っていない。そんな日々が続くと、まるで一人で生きているような感覚になります。
気持ちを伝えても無反応だったり、理解しようともしない夫に、愛情だけでなく存在価値すら感じなくなってしまうこともあります。
夫の親との関係に耐えられないとき
義両親との付き合いがストレスになっているのに、夫が見て見ぬふりをしていると、「この結婚、自分だけが我慢してる」と感じます。
嫁いびりや過干渉、勝手な育児の口出しなど、夫が味方になってくれない状況が続けば、心はどんどん離れていきます。
子どものために良くないと感じたとき
夫婦げんかが続くと、子どもにも良くない影響があります。
子どもが親に気を使うようになり、家庭で本来の姿でのびのび生活できなくなったり、家庭というものに不信感を持つようになるかもしれません。
シングルマザーになれば、夫婦げんかで子どもに嫌な思いをさせることもありません。
それに気づいたとき、離婚の選択肢がよぎります。
夫が離婚を口にしてきたとき
夫から離婚という言葉が出ると、それが本気でも冗談でも、心に突き刺さるような感覚になります。
本気ならこちらも「もうそれでいい」と思うし、軽い気持ちで言われたとしても、その一言がきっかけで自分も離婚を意識するようになります。
口にされた瞬間から、夫婦の関係性が変わってしまうことも少なくありません。
夫婦は別れたいと思ったらもう終わり?
別れたいと思うようになったからといって、すぐに結論を出す必要はありません。
離婚に至りやすいケースとそうでないケースを紹介しますので、参考にしてください。
すぐに離婚にいたるケース
次のような場合は、単なる気持ちのすれ違いではなく、夫婦関係が根本から崩れていることが多く、離婚に進みやすい傾向があります。
- 会話がまったくなく、冷えきった関係が長く続いている
- 浮気や不倫が繰り返され、信頼が完全に失われている
- 暴力やモラハラなど、身の安全に関わる問題がある
- 相手が強く離婚を望んでおり、話し合いが成り立たない
- お互いの気持ちが完全に離れて、顔を合わせるのもつらい
喧嘩や怒りの感情を通り越して、相手への尊敬や思いやりがなくなってしまったとき、結婚生活を続けるのは難しいです。
こうした状況では、無理に関係を維持するよりも、自分や子どもの心を守る選択が必要になることもあります。
関係を修復できるケース
一方で、別れたいと思ったとしても、次のようなケースでは、話し合いやお互いの歩み寄りによって関係を立て直せることもあります。
- 疲れや育児ストレスなど、一時的な心の余裕のなさが原因
- 価値観の違いはあるが、会話や話し合いの余地がある
- 相手に反省や改善の意思がある
- 第三者(カウンセラーや専門家)の介入で冷静になれる
- 離婚後の生活が現実的に難しく、お互いに協力する余地がある
感情に流されず、本当に別れるべきか、それとも修復の可能性があるかを見極めるためにも、一度冷静になる時間が必要です。
「離婚したくない|関係修復の方法や伝え方・弁護士に相談するメリット」の記事も参考にしてください。
別れた方がいい夫婦や夫の特徴
暴力やモラハラがある
言葉や態度、身体的な暴力で相手を傷つける行為は、どんな理由があっても許されるものではありません。
モラハラは見えづらい分、我慢してしまいがちですが、心が壊れる前に距離を取ることが大切です。
自分や子どもの安全を守るためにも、別れを真剣に考えるべき状況です。
浮気や不倫が繰り返されている
一度きりの浮気でも心は深く傷つくものですが、それが繰り返されるようであれば信頼関係の修復は困難です。
謝罪や反省の言葉だけでは信用できず、不安な日々を過ごすことになります。
我慢するばかりでなく、自分の幸せを考えることが必要です。
生活を渡さない、家計を顧みない
生活費を渡さない、収入があるのに家のことに無関心、これは経済的DVに該当する可能性があります。
経済的DVを受けると、「自分や家族は大事にされていない」と感じますし、ストレスがたまります。
必要な支出にも協力が得られず、経済的に苦しい思いをしているなら、生活を立て直すために別れを考えるのも一つの選択です。
「悪意の遺棄とは|該当する行為や慰謝料の相場」の記事も参考にしてください。
夫婦問題が子に悪影響を与えている
夫婦の不仲が子どもの表情や行動に現れてきたとき、それは家庭の環境が子どもにとって良くない証拠です。
親の喧嘩を見ることで心が不安定になったり、自分を責める子もいます。
子どもにとって何が一番幸せかを考えると、別れるという選択が必要な場合もあります。
価値観や人生観が根本的に合わない
喧嘩をしているわけではなくても、日々のやり取りの中で「どうもかみ合わない」と感じることがあります。
例えば、家庭のあり方や将来の暮らしについて、お互いがまったく違う方向を見ているような場合です。
無理に歩調を合わせ続けるより、それぞれが別の人生を歩んだ方が、穏やかに過ごせることもあります。
「離婚した方がいい夫婦の特徴は?10個のチェックポイント」の記事も参考にしてください。
旦那と別れる方法
次に、夫婦が離婚する際の一般的な流れを紹介します。
離婚する夫婦の大半は協議離婚であり、調停や裁判に発展することはあまり多くありません。
話し合いで離婚する(協議離婚)
もっとも一般的な離婚方法が協議離婚です。
夫婦で話し合い、親権や養育費、財産分与などの条件に合意できれば、役所に離婚届を提出するだけで離婚が成立します。
費用や手間が少ない一方、取り決めがあいまいだと後からトラブルになることもあるため、必要に応じて書面(離婚協議書や公正証書)を作ると安心です。
家庭裁判所で話し合う(調停離婚)
調停離婚とは、夫婦だけでは話し合いが難しいときに、家庭裁判所を通じて調停委員を交えながら話し合いを進める制度です。
中立的な立場の調停委員が間に入ることで、冷静に意見を伝え合いやすくなります。加えて、相手と顔を合わせなくてよい点もポイントです。
調停は、家庭裁判所で行いますが、あくまで夫婦の話し合いがメインです。
協議離婚と同じく、夫婦で離婚に合意できなければ、調停不成立となります。
離婚裁判をする
話し合いや調停でも合意できなかった場合は、最終的に離婚裁判に進むことになります。
裁判では、裁判官が夫婦関係が破綻しているかどうかを法的に判断し、離婚を認めるかどうかについて、判決を下します。
裁判を起こす側(原告)は、離婚すべき正当な理由があることを、証拠をもとに主張しなければなりません。
裁判は時間も労力もかかるため、早い段階で弁護士に相談しておくことをおすすめします。
「離婚の種別6種類|各種類の特徴や選び方・割合などを解説」の記事も参考にしてください。
専業主婦が別れたいときにすべきことは?
専業主婦が離婚する場合、離婚後の生活の準備が重要になります。
ここでは、専業主婦が離婚時にすべきことを紹介します。
就労・資格取得の準備を始める
離婚後は自分の収入で生活していかなくてはなりません。
いきなりフルタイムで働くのが不安な場合は、パートや在宅ワークなど、自分に合った働き方から検討しましょう。
将来に備えて、離婚前から資格取得の勉強を始めるのもおすすめです。
少しでも収入の道を作っておくことで、気持ちに余裕が生まれます。
公的支援や福祉制度を調べる
ひとり親になると、児童扶養手当や医療費助成、保育料の軽減など、さまざまな支援制度を利用できる場合があります。
住んでいる地域によって内容が異なるため、市区町村の役所で確認するのがおすすめです。
自分だけで生活できるか不安な人も、制度を知ることで安心材料になります。
家計・財産の状況を把握して記録する
離婚時には、夫婦で築いた財産を分け合います。これを財産分与といいます。
財産分与は、離婚時に、夫婦が得た以下のような財産を分けることになります。
- 貯金
- 不動産
- 車などの動産
- 株、証券
- その他貴金属など高価なもの
離婚前に夫婦の財産を隠されたりしないように、通帳の残高や保険証券のコピーを取っておくと安心です。
「離婚時に財産分与の対象とならないものは何か?」の記事も参考にしてください。
離婚後の住まいを検討する
今の家に住み続けられるか、それとも引っ越しが必要かを考えておきましょう。
実家に頼れるのか、近所に家を借りるのかなど、現実的な選択肢をいくつか用意しておくと安心です。
子どもの学校や保育園のことも含めて考えると、スムーズに準備が進められます。
各種離婚条件を検討する
離婚には、親権・養育費・財産分与・面会交流など、決めるべきことがたくさんあります。
自分がどうしたいのかを、事前に整理しておくと話し合いがスムーズになります。
条件の相場がわからない場合は、ネットで調べたり、専門家に相談するのもひとつの方法です。
「離婚時に財産分与の対象とならないものは何か?」の記事も参考にしてください。
弁護士や法テラスに相談する
離婚に不安があるときは、弁護士に相談することで、状況に合ったアドバイスが受けられます。
以下に当てはまるようなケースでは、弁護士に相談するのがおすすめです。
- 離婚条件(親権・養育費・財産分与など)で揉めそうなとき
- 相手が離婚に応じてくれない・話し合いができないとき
- 相手に弁護士がついているとき
- 暴力やモラハラを受けていて身の安全が不安なとき
- 離婚後の生活が成り立つか心配なとき
- 書類や手続きが複雑で、ひとりで進めるのが不安なとき
経済的に心配な場合、法テラスを利用すれば無料相談や費用の立替制度が使えることもあります。
弁護士に相談することで、離婚が有利に進むだけでなく、精神的ストレスを減らすこともできます。
「離婚の弁護士費用がない|裁判や調停費用が払えないときの対処法」の記事も参考にしてください。
旦那と別れたいけど別れられないときの対処法
経済的に不安で離婚に踏み切れない場合
収入が少ない、子どもを養えないなどの不安で離婚に踏み切れない人は多いです。
まずは月数万円でもいいので収入源を確保したり、公的支援制度を調べることから始めましょう。
ひとり親向けの手当や家賃補助などもあるため、情報を集めるだけでも気持ちが前向きになります。
相手が離婚に応じてくれない場合
離婚を拒否されて、話し合いにも応じてもらえない場合、どうしていいかわからなくなります。
そんなときは、家庭裁判所に、離婚調停を申し立てましょう。具体的には、家庭裁判所で調停員を交えて話し合いをすることになります。
無理に二人きりで話そうとせず、第三者に間に入ってもらうことで前に進むこともあります。
離婚したら後悔するかもと思っている場合
「離婚したら後悔するかも」と思うのは自然なことです。
子どものこと、生活のこと、不安が尽きないからこそ慎重になります。
そんなときは、今すぐ結論を出さずに、別居や距離を置くなど、段階的な選択をするのも一つの方法です。
信頼している人に相談し、自分の気持ちを整理するのも大切です。
子どものために離婚できない場合
子どものためにも離婚しない方がいいと考える人も多いです。
でも、家庭内の雰囲気が常にギスギスしていたり、夫婦げんかが絶えないような環境では、かえって子どもが不安を感じてしまうこともあります。
離婚が必ずしも悪いこととは限りません。子どもが心から安心して過ごせる環境とは何か、少し立ち止まって考えてみることも大切です。
世間体や家族からの反対で動けない場合
親族の反対が気になったり、周囲への報告に気が引けてしまったりして、なかなか動き出せないこともあります。
それでも、自分の気持ちやこれからの暮らしを見つめ直すことはとても大切です。
必ずしもすぐに離婚を決める必要はありませんが、選択肢の一つとして心に留めておくだけで、気持ちが少し楽になるかもしれません。
夫と別れたいに関するよくある質問
旦那と別れたいが性格の不一致でも可能?
性格の不一致を理由にした離婚も、夫婦が合意すれば可能です。
ただし、裁判で争う場合には、性格の不一致だけでは離婚が認められにくい傾向があります。
「性格の不一致を理由に離婚慰謝料は請求できるのか?ケース別に解説」の記事も参考にしてください。
好きな人ができたという理由で離婚できる?
好きな人ができたことで気持ちが離れた場合も、夫婦で話し合い、合意があれば離婚は可能です。
ただし相手に傷つけるような言い方は避け、丁寧な伝え方を心がけることが大切です。
場合によっては、離婚と引き換えに慰謝料を請求される可能性があります。
モラハラ夫と別れたいときはどうすべき?
日常的に暴言や無視、精神的に追い詰められているなら、一人で抱えず、信頼できる人や専門機関に相談しましょう。
弁護士であれば、あなたの代理人となり、離婚の交渉をしてくれます。
離婚に向けて準備する場合は、証拠を残しながら慎重に進めましょう。
「モラハラ夫が一人になるとどうなる?離婚後が怖いあなたに伝えたいこと」の記事も参考にしてください。
別れたい夫の特徴は?
暴力・モラハラ、浮気を繰り返す、生活費を入れない、何も話し合いができないような夫は離婚したくなります。
夫婦生活を続ける事に限界を感じたら、信頼できる人や、専門家に相談しましょう。
まとめ
夫と別れたいと思うのは、決して特別なことではありません。まずは、その気持ちを否定せず、冷静に向き合うことが大切です。
関係を修復できるのか、それとも離婚という選択をすべきかは、夫婦の状況や環境によって異なります。
離婚すべきか悩んでいるときは、信頼できる人に相談してみましょう。
離婚の条件でもめている場合や、自分だけで対応するのが難しいと感じる場合には、弁護士などの専門家に早めに相談することをおすすめします。