妻の不倫が原因で離婚した場合、妻に子どもを渡したくないと考える男性は多いと思います。

この記事では、不倫をした妻は親権者となれるのか、親権者を定める判断基準や不倫をした妻に親権を渡さないためにできることについて解説します。

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妻の不倫が原因で離婚しても親権は妻に渡る?

妻の不倫が原因で離婚した場合でも、子どもの親権が妻に渡ることもあり得ます。

不倫をしたからといって、親権者になれないわけではありません夫婦の問題と親権は分けて考えられるため、子どもの養育に問題がなければ不倫の事実は考慮されません。

ただし、妻の不倫が子どもの養育に悪影響を及ぼしていると判断される場合は、親権者になれないケースもあります。

親権者を決める流れは?

親権者は、通常、以下の流れで定められます。

夫婦間での話し合い

夫婦でどちらを親権者にするか話し合いをします。

協議離婚では、夫婦の話し合いでお互いが納得すれば、親権者を自由に決められます。

調停

夫婦間の話し合いで親権者が決まらない場合、家庭裁判所に離婚調停を申立てます。

調停では、調停委員を介して、親権者をはじめとする離婚に関する話し合いを進めます。双方が合意できれば調停が成立します。

調停委員が間に入って意見を聞くだけではなく、家庭裁判所の調査官(子どもの発達や児童心理学の専門知識を有する職員)が子どもの養育状況を調査したり、子どもの意見を聞いたりすることがあります。具体的には、親との面談や学校等の先生へヒアリング、家庭裁判所で子どもと面談して話を聞き取る調査、調査官が自宅を訪問して生活状況を確認しながら子どもと面談する調査など、それぞれの事件に応じた調査が行われます。

なお、離婚調停が不成立に終わり、訴訟に移行した場合、調停で行なわれた調査官調査の報告書が証拠で提出されれば、親権については、その調査報告書の内容に基づいて判断がされることが多いです。

訴訟

離婚調停が不成立になった場合は、離婚裁判を提起します。

裁判では、裁判所が、当事者が提出する主張や証拠に基づき、親権者を判断します。

裁判においては、不倫をした側は不利になる可能性があります。例えば妻が不倫をした場合、夫側が「不倫をするような母親は、親権者としてふさわしくない。」と主張することが考えられるからです。

ただし、絶対的に夫側が有利になるわけではなく、あくまでも子どもにとってどちらの親の元で養育されることが望ましいかを基準に決定されます。

不倫をした妻であっても、子どもの母親として子に対して愛情深く接しており、離婚後もその態度が変わることはないと判断されれば、親権者となる可能性があります。

親権者を定める判断基準は?

親権者を定める判断基準は、以下の5点となります。

これまでの子育ての状況

これまでの子育ての状況が判断基準の一つとなります。

父親か母親のどちらがより多く子どもに関わってきたかがポイントとなります。

例えば、夫が仕事を優先して子育ては妻にまかせっきりで子どもと触れ合う時間が極端に少なかったり、妻が不倫相手に会うために育児を放棄したりした等の場合は、判断に際してマイナスに働く可能性があります。

経済力

経済的に子どもを養育できるかどうかが判断基準の一つとなります。

具体的には、定職についているか、住居を確保できているか等、衣食住を親権者自身で確保できるかが問題となります。

子どもが安心して生活できる基盤としての経済力がなければ、親権者の判断に際して、マイナス要素となる可能性があります。

離婚後の子育ての環境

離婚後の子育ての環境が判断基準の一つとなります。

経済力があったとしても子育てに費やせる時間が極端に少ない場合は、マイナスに働く可能性があります。

例えば子どもが一人で家にいる時間が多い、出張等で家を留守にする頻度が多いなどが考えられます。

健康状態

親の健康状態が判断基準の一つとなります。

子育てが困難なほど肉体的・精神的に体調不良である場合は、親権者になるのは難しいと思われます。

健康状態が不安定だと仕事ができない可能性があり、その場合は収入が得られず、子どもが安心して生活ができないと判断されるからです。

子どもの意思

子どもの意思が判断基準の一つとなります。

父親と母親のどちらと生活したいかが重要なポイントとなります。たとえ妻が不倫をしていたとしても、子どもが母親と暮らしたいと望むのであれば、その意思は考慮されます。

不倫をした妻に親権を渡さないためにできることは?

不倫をした妻に親権を渡さないためにできることは、以下の3つです。

子どもとコミュニケーションを密にとる

普段から子どもとコミュニケーションを密に取りましょう。

親権者を決めるにあたり、子どもの意思が尊重されるため、父親の存在感を大きくしておくことが重要です。

積極的に子どもに話しかけ学校の様子や仲良くしている友だちのことを把握したり、どんなことに興味を持っているのか話を聞いたり、休みの日には一緒に出掛けたりするのを心掛けましょう。

子育てへの協力者を得る

子育てへの協力者を得ましょう。

子どものことを第一に考えていても、仕事をしていく上では難しい側面が多々あります。残業や出張を断れない方もいらっしゃるでしょう。そうした場合に子どもを見てくれる協力者がいると心強いです。

例えば実の親や兄弟姉妹に子育てを助けてもらえるのであれば、お願いしてみるのもいいかもしれません

近くに親戚がいない場合は、信頼できるベビーシッターを雇うことを検討してみましょう。

面会交流への要求に柔軟に対応する

妻(母親)が求める面会交流への要求を聞き、なるべく柔軟に対応しましょう。

夫(父親)の心情的としては、「不倫をした妻に、子どもを会わせたくない。」と考えるかもしれません。

しかし、子どもにとっては、かけがえのない母親です。親権者でない親(この場合の母親)との交流機会を確保してあげることも、親権者としての適性を判断する重要なポイントです。

夫婦としての関係を清算し、子どもの母親として、子育てに協力するという観点を持っていただき、自由に母親と会える環境を子どもに提供することが重要なポイントといえます。

なお、離婚で父親が親権を獲得できる割合と不利な理由については「離婚で父親が親権を獲得できる割合と不利な理由」で、父親が親権を獲得できるケースについては「母親が親権争いで負ける理由|父親が親権を持つパターンとは 」で解説していますので参考にしてください。

まとめ

妻が不倫をして離婚に至った場合、子どもは絶対に渡したくないと考える方は多いと思います。悪いのは妻のほうだから、当然自分が親権者になるはずと思うかもしれませんが、あくまでも夫婦間の問題と親権問題は別であると理解しておきましょう。

親権者の決定には子どもの意思も考慮されるため、日頃から子どもに対して愛情深く接し、積極的にコミュニケーションをとるのを心掛けましょう。

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