配偶者のDVに悩まされている人は、まずは暴力から逃げなければいけません。
しかし、実家に帰れない、実家がないなど逃げるあてがない方もいらっしゃるでしょう。
その場合に選択肢の一つにしたいのがDVシェルターです。
この記事では、DVシェルターとは何か、入居するメリットとデメリット、入居するための条件や相談ができる窓口について解説します。
ネクスパート法律事務所が
問題解決に向けて全力でサポートいたします
DVシェルターとは何か?
DVシェルターの概要について、3つ解説します。
配偶者のDVから一時的に逃れられる施設
DVシェルターとは、配偶者のDVに悩んでいる方が配偶者から逃れるために一時的に滞在できる施設です。
自治体が運営している公的シェルターと民間団体が運営している民間シェルターがあります。
所在地や連絡先は公開されていない
DVシェルターは、保護されている人の安全を確保するため、所在地や連絡先は非公開となっています。
自治体が運営する公的シェルターは各都道府県に1つ以上設置され、民間団体などNPO法人が運営するシェルターは120か所ほどあるといわれています。
滞在できるのは2週間から1か月
DVシェルターに滞在できる期間は、おおむね以下のとおりです。
- 公的シェルター:原則2週間
- 民間のシェルター1か月ほど(施設によって異なる)
あくまで配偶者のそばにいると危険だと判断された人を一時的に保護する施設なので、原則長期間の入居は認められません。ただし、長期間にわたって身を隠さなければいけない事情があれば、入居期間が延長されるケースもあります。
DVシェルターに入れる条件は?
DVシェルターに入る条件として、緊急に保護する必要性があると判断されなければいけません。
配偶者から身体的な暴力を振るわれている人は、優先的に入居ができます。
言葉によるDVや経済的DVで緊急性がないとして入居を断られるケースがあります。男性を受け入れているDVシェルターは少なく、高齢者や外国籍の人を受け入れないシェルターもあります。
なお、緊急に保護する必要性があると判断するのは、後述する相談窓口となります。
DVシェルターへの入居を相談できる窓口は?
DVシェルターへの入居を相談できる窓口は、主に以下の3つです。
配偶者暴力相談支援センター
配偶者暴力相談支援センターの窓口に相談をしてみましょう。
配偶者暴力相談支援センターは、DV被害者の救済を行う公的機関で、女性センター、婦人相談所、全国の福祉事務所がその役割を担っています。各都道府県にいくつかの拠点が設けられています。
配偶者暴力相談支援センターでは、DVシェルターへの入居手続きをしていますので、直接相談に行けば迅速に手続きが進められる可能性があります。
配偶者暴力相談支援センターがお住まいの近くにない場合は、DV相談ナビの#8008に電話をすれば、最寄りの配偶者暴力相談支援センターにつながります。24時間相談ができるDV相談+(プラス)もありますが、緊急性が高い場合は、DV相談ナビの利用をおすすめします。
参照:配偶者からの暴力被害者支援情報 | 内閣府男女共同参画局
警察
警察の相談窓口に足を運んでみましょう。
配偶者からの暴力は暴行罪や傷害罪にあたります。場合によっては、警察と配偶者暴力相談支援センターが連携し、DVシェルターへの入居の手配をしてもらえるかもしれません。
民間シェルターを運営している団体
民間シェルターを運営している団体を調べて相談をしてみましょう。
民間シェルターの中には、利用者を限定していないところもあります。メールで問い合わせができるところもあるので、利用してみましょう。
DVシェルターのメリットは?
DVシェルターのメリットは以下の3つです。
身の安全を確保できる
DVシェルターに入居すれば、暴力をふるう配偶者から逃れ、身の安全が確保できます。所在地は非公開ですので、配偶者に発覚するリスクも軽減できます。
無料もしくは低額で利用ができる
公的機関が運営しているシェルターであれば、無料もしくは低額で利用ができます。
食費もかかりませんし、日用品も用意されています。民間シェルターの場合は施設によって金額は異なりますが、概ね1日あたり1000円から2000円程度、子どもは500円程度の料金が必要です。
自立に向けたサポートが受けられる
DVシェルターでは、昼間にカウンセリングを受けたり住居や仕事を探したりするなど、自立に向けたサポートが受けられます。配偶者の暴力から逃れ、穏やかで落ち着いた気持ちで将来のことを考えられる環境だといえるでしょう。
DVシェルターのデメリットは?
DVシェルターのメリットがある一方で、デメリットは以下の3つです。
誰でも入居できるわけではない
DVシェルターは入居条件が決まっており、誰でも入居できるわけではない点がデメリットです。
配偶者から身体的に激しい暴力を受けている人は優先されますが、そうでない人は入居が認められないケースがあります。言葉の暴力や生活費を渡さない経済的DVも本人にとっては相当きついものですが、身体的な暴力を受けている人に比べると優先度が下がる傾向があります。
これはシェルターの数がそれほど多くないため、どうしても優先順位を付けざるを得ない事情があるようです。
施設によって決められたルールがある
DVシェルターによっては、決められたルールがあるため、窮屈に感じる人がいるかもしれません。シェルターの中では比較的自由に行動ができるものの、外出は許可を取らなくてはならないケースがあります。
所在地の漏洩を防ぐ目的でスマホを施設に預けるなど、通信機器の利用を制限しているところもあります。
中学生以上の男子は一緒に入居できない
中学生以上の男子は、一緒にDVシェルターに入居ができないケースが多いです。
この場合、子どもは児童相談所で保護してもらうなどの対応が必要となります。
まとめ
配偶者からDVを受ける毎日は辛いものです。これ以上は耐えられないと思う一歩手前で、DVシェルターに逃げることを考えてみましょう。この記事でも述べたとおり、配偶者暴力相談支援センターでは、DVシェルターの入居手続きを受け付けているため、一刻でも早く配偶者から逃れたいと考えている方は、窓口に相談してください。
DV問題で離婚を考えている方は、ぜひ弁護士に相談をしてください。DVをする配偶者とは冷静な話し合いをするのは難しいです。弁護士が代理人となって交渉をすれば、ある程度冷静な話し合いが見込めます。
ネクスパート法律事務所には、離婚案件を得意とする弁護士が在籍しています。初回相談は30分無料となりますので、お気軽にお問い合わせください。