女性が離婚を決意した時、考えなければいけない大切なことがあります。
この記事では、女性が離婚を有利に進めるために知っておかなければいけないことについて解説します。
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目次
女性が離婚を有利に進めるために大切な2つのこと
女性が離婚を有利に進めるために知っておくべきことは以下の2つです。それぞれ解説します。
離婚の手続きと流れを理解すること
離婚の手続きと流れを理解しましょう。
離婚の手続きは大きく分けて協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3つがあります。
協議離婚は、裁判所を通さず、夫婦の話し合いにより夫婦双方が離婚に合意し、離婚届を提出することにより成立する手続きです。厚生労働省が発表した統計によると、離婚する夫婦の88%が協議離婚で離婚しています。
調停離婚は、離婚について夫婦の話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所に申立てをして合意を目指す方法です。調停では、離婚そのものだけでなく、離婚条件について話し合いもでき、調停委員が間に入って双方から話を聞き、アドバイスをしながら離婚成立に向けて建設的な話し合いを進めます。調停で合意に至らなければ、家庭裁判所が職権で調停に代わる審判をしない限り、不成立により終了します。
裁判離婚は、調停が不成立となった場合に、家庭裁判所に訴訟を提起して離婚を目指す方法です。裁判で離婚が認められるには、法定離婚事由が必要です。
このように離婚手続きは、協議離婚→調停離婚→裁判離婚と段階を踏んでいきます。
ご自身の状況に適した方法を選択し、円滑に離婚を進められるように、離婚の種類と手続きの流れを理解することが大切です。
離婚に関する知識を身に着けること
離婚を有利に進めるために、離婚の際に請求できる権利や法律上のルール、注意点など、離婚に関する知識を身に着けておきましょう。
主に離婚後の生活を左右するお金のこと、未成年の子どもがいる場合は親権や養育費などの知識が該当します。
離婚を有利に進めたい女性に知っておいてほしいお金に関すること
離婚を有利に進めたい女性に知っておいてほしいお金に関することは、以下の3点です。
財産分与
財産分与とは、夫婦が結婚生活において共同で築いてきた財産を離婚時に公平に分ける制度です。
財産分与の対象になるもの
財産分与の対象となるものは、主に以下のとおりです。
- 結婚後に貯蓄した現金・預貯金
- 結婚後に購入した住宅などの不動産
- 結婚後に購入した車・宝飾品などの動産
- 結婚後に購入した株などの有価証券
- 結婚後に購入した家具や家電
- 退職金(結婚前に働いていた期間は除く)
- 解約返戻金が生じる生命保険
- 住宅ローンなどの負債
財産分与の対象となるのは、結婚後に取得した財産だけでなく、住宅ローンや借金などのマイナス財産も含みます。
財産分与の対象となるもの、ならないものについては、「離婚時に財産分与の対象とならないものは何か?」を参考にしてください。
財産分与の割合は原則2分の1
財産分与の割合は原則2分の1となります。
婚姻期間中の夫婦の貢献度は等しいという考え方がベースにあり、一方が専業主婦であっても家事や育児を担ってきたことで財産を築き、維持できたとみなされるからです。
ただし、特別な事情があるなど、夫婦の間で合意できれば財産分与の割合の変更ができます。
財産分与の割合については、「財産分与の割合はどのようにして決めるか?原則と例外を解説」を参考にしてください。
財産分与には生活に困る側をバックアップする扶養的要素もある
財産分与は、生活に困る側をバックアップする扶養的要素があります。
例えば、専業主婦(夫)が病気・高齢・障害などの理由で就業の見込みがないときなど、離婚後に経済的な困窮が起こり得る場合は、扶養的財産分与が認められることが稀にあります。
ただし、生涯を通して生活保障をするのではなく、離婚後の一定期間、生活が安定するまでの補完として考えられています。
財産分与の請求には期限がある
財産分与の請求には期限がありますので気を付けましょう。
離婚後でも請求可能ですが、離婚成立から2年以内にしなければいけません。
夫婦間の協議で財産分与の取り決めをしたにも関わらず財産を渡してくれない場合、5年以内に請求しなければ消滅時効にかかり、裁判で取り決めをした場合は10年で消滅時効にかかります。
財産分与に関しては、「離婚時の財産分与とは?財産分与の対象になるものと3つの決定方法 」も参照してください。
慰謝料
慰謝料とは、離婚によって精神的苦痛を被ったことに対して支払われるお金です。
離婚を有利に進めるためには、どのような場合に請求ができるか知っておく必要がありますので、以下で解説します。
相手が離婚原因を作った場合は慰謝料を請求できる
相手が離婚原因を作った場合、慰謝料請求が可能です。
例えば、不倫をした、DV・モラハラをしたなどの事実がある場合が該当します。
慰謝料を請求するには、相手が不倫、DV・モラハラをしていた事実が分かる証拠が必要です。慰謝料の請求を考えているなら、証拠の確保に務めましょう。
慰謝料の請求には期限がある
配偶者に対する離婚慰謝料請求には期限があり、離婚が成立してから3年経過すると請求ができなくなります。
不倫相手に対する慰謝料請求は、不倫の事実があったこと及び不倫相手が誰かを知ってから3年が経過すると消滅時効にかかるので気を付けましょう。
年金分割
年金分割とは、婚姻期間中に保険料納付額に対応する厚生年金を分割して、それぞれの年金にできる制度です。
離婚を有利に進めるには知っておくべき知識となりますので、以下で解説します。
夫が会社員・公務員なら年金分割を請求できる
夫が会社員や公務員で、あなたが専業主婦あるいは夫より収入が低かった場合は、年金分割を請求できます。
自営業者の場合で国民年金のみに加入しているのであれば、年金分割の請求はできません。
年金分割には2つの方法がある
年金分割には、合意分割と3号分割の2つの方法があります。それぞれ手続きの方法が違いますので、注意しましょう。
年金分割の請求には期限がある
年金分割は、離婚成立した翌日から起算して2年以内に行わなければいけません。離婚によって自動的に年金分割が行われるわけではなく、手続きが必要となるので、忘れずに行いましょう。
年金分割については、「離婚時に年金分割しないとどうなる?損をしないためにできることは?」を参考にしてください。
離婚を有利に進めたい女性に知っておいてほしい子どもに関すること
離婚を有利に進めたい女性にとって、未成年の子どもに関することは重要です。
主に3つのポイントがありますので、それぞれ解説します。
親権
親権とは、未成年の子どもの利益のために、親が子どもに監護や教育を行ったり、子どもの財産を管理したりする権利・義務です。
婚姻期間中は父母双方に親権が認められていますが、離婚をする場合は父母のどちらか一方が親権を持ちます。
親権者を決めなければ離婚はできない
未成年の子どもがいる場合、親権者をどちらにするか決めなければ離婚ができません。夫婦間の話し合いでどちらが親権者になるか合意できれば、離婚届にその旨を記載して提出します。
話し合いで合意ができなければ、家庭裁判所に調停を申し立ててどちらが親権者となるか決めます。
裁判所が親権者を決めるときのポイント
家庭裁判所で調停を申し立てた場合、裁判所が親権者を決める際に、以下の点を確認しながら検討します。
子どもが15歳以上であれば、子どもの意見が重要視され、総合的に判断されます。
- 子どもの監護養育の実績があるか
- 子どもを育てる環境が整っているか
- 子どもを育てる経済力があるか
- 親権者として心身ともに健康か
親権については、「親権者とは|親権者になれる人や意味をわかりやすく解説 」を参考にしてください。
養育費
養育費とは、未成年の子どもが社会人として独立するまでに必要とされる費用です。
養育費の相場
養育費の相場は子どもの人数や年齢によっても異なりますが、平均で月額5万円前後といわれています。家庭裁判所の養育費算定表を参考にすれば、自分がだいたいどのぐらいもらえるか検討がつきます。
養育費に含まれるもの
養育費に含まれるものは、衣服代、食費、家賃、教育費、医療費です。教育費の中には教材費やクラブ活動費、塾などの費用も含まれます。
合意があれば特別費用の負担に関する取り決めも可能
夫婦間で合意があれば、特別費用の負担に関する取り決めも可能です。特別費用とは、大学進学のための学費や病気やけがによって高額な医療費がかかった場合、一時的に大きな支出を伴う費用です。
養育費については、「離婚したときの養育費はどのようにして決めるのか?注意点を解説 」を参考にしてください。
面会交流
面会交流とは、子どもと離れて暮らしている父母の一方が、定期的に子どもと会って話したり一緒に遊んだり、電話・動画・メール・手紙などでやり取りすることです。
子どもと離れて暮らしていたら面会交流を求められますが、あくまでも子どものために行われるもので、子どもの利益を最優先に考慮されます。
離婚を有利に進めるためには弁護士に相談を!
離婚を有利に進めるためには、弁護士に相談をおすすめします。
特に夫と冷静な話し合いができず困っている方は、早めに弁護士に相談をしたほうがよいでしょう。
離婚は当事者同士の話し合いで合意ができれば解決する問題がほとんどですが、お金や子どものこととなるとスムーズにいかないケースも多いと思います。
その場合、弁護士が第三者として間に入れば、解決の兆しが見えてきます。法律面でさまざまなサポートが得られる点も安心です。
まとめ
離婚をするにあたっては、決めなければならないことが多く、かなりパワーが必要です。特に未成年の子どもがいる場合は、子どもの将来を考えて慎重に行わなければいけません。当事者同士で話し合って解決できないこともあり、いたずらに時間ばかりが過ぎてしまうことを避けるためにも、弁護士への依頼を検討してみてください。
ネクスパート法律事務所には、離婚全般に強い弁護士が在籍しています。初回相談は原則30分無料ですので、ぜひ一度ご相談ください。