
交通事故の被害に遭った場合、多くのケースでは、損害賠償に関する交渉を相手方の保険会社と行うことになります。
保険会社の担当者は、示談交渉に慣れているため、知識や経験のない被害者が、対等な立場で交渉することは簡単ではありません。難解な専門用語を使われて内容が正確に理解できなかったり、適切に反論できなかったりして、納得のいかない形で示談が成立するケースもみられます。
この記事では、交通事故で弁護士に依頼した方がいいケースと、その理由を紹介します。
ご一読いただき、今後の対応を検討してみてください。
交通事故で弁護士に依頼した方がいい6つのケース
交通事故により受けた損害に対する適切な補償を望むなら、弁護士への依頼を検討することをお勧めします。
なかでも、以下の6つのケースは、弁護士に依頼した方が良いでしょう。
- 弁護士特約付き自動車保険に加入している
- 保険会社とのやり取りを負担に感じている
- 治療費の打ち切りを打診されている
- 後遺障害が残りそう
- 過失割合に納得がいかない
- 保険会社に提示された示談内容に不満がある
以下で、詳しく紹介します。
弁護士特約付き自動車保険に加入している
弁護士特約付き自動車保険に加入しているなら、弁護士に依頼した方がいいでしょう。
弁護士に依頼する際にかかる費用を、保険会社に負担してもらえるためです。
弁護士特約とは、損害賠償請求を弁護士に依頼する際の費用や法律相談費用等を補償する特約です。
弁護士特約は、一般的に、記名被保険者(自動車保険の対象となる車を主に運転する人)だけでなく、配偶者や同居の親族・別居の未婚の子も利用できます。
そのため、あなた自身は加入していなくても、家族が加入していれば利用できるかもしれません。弁護士特約を利用すれば、依頼する際の費用の心配は不要です。
弁護士特約付き自動車保険に加入しているなら、弁護士への相談・依頼を積極的に検討することをお勧めします。
保険会社とのやり取りを負担に感じている
保険会社とのやり取りを負担に感じているなら、弁護士に依頼した方がいいでしょう。
弁護士に一任できるため、保険会社とのやり取りをしなくて済みます。
保険会社からの連絡は、保険会社の営業時間である平日の午前9時〜午後5時にくることが多いです。交通事故による怪我で入院していたり、療養したりしている場合は対応できるかもしれませんが、通常であれば、仕事や家事、育児等で忙しい時間帯でしょう。保険会社の対応に時間をとられれば、仕事が滞ったり、生活のリズムが狂ったりして、余計なストレスを抱え込みかねません。
時間を割いて対応しても、高圧的な態度を取られたり、反論できないよう言いくるめられたりすることも考えられます。
保険会社とのやり取りを負担に感じているなら、弁護士に依頼して一任することをお勧めします。
治療費の打ち切りを打診されている
治療費の打ち切りを打診されているなら、弁護士に依頼した方がいいでしょう。
治療継続の必要があるのに、不当に打ち切りを打診されているかもしれません。
保険会社から症状固定を理由に治療費の打ち切りを打診されるケースは少なくありませんが、症状固定かどうかの判断を行うのは保険会社ではなく医師です。
医師から症状固定と診断されている場合は、打ち切りを受け入れも問題ないでしょう。しかし、打ち切りを打診されたことで医師の判断を仰がずに治療を中断すると、後から痛みがぶり返したり、後遺障害が残ったりするおそれがあります。
治療費の打ち切りを打診されているなら、弁護士に依頼して今後の対応を検討することをお勧めします。
後遺障害が残りそう
後遺障害が残りそうなら、弁護士に依頼した方がいいでしょう。
後遺障害等級認定の申請手続きをする必要があるためです。
後遺障害等級とは、交通事故による後遺症の程度を評価する等級で、その症状や重さに応じて1〜14等級に分類されます。
後遺障害等級の認定を受けると、等級に応じた損害賠償金を請求できるため、認定を受けない場合に比べて高額な損害賠償金を受け取れる可能性が高まります。
しかし、後遺障害等級は申請すれば必ず認定されるわけではなく、後遺症と事故の因果関係や、後遺症が認定基準に合致していることを証明しなければなりません。
その際、医師が作成する後遺障害診断書が重要な鍵を握るため、不備や記載に不十分な箇所がないかの判断が重要になりますが、専門の知識がなければ難しいでしょう。
後遺障害が残りそうなら、適切な後遺障害認定を受けられるよう、弁護士に申請手続きを依頼することをお勧めします。
後遺障害等級認定の申請手続きについては、以下の記事で詳しく解説しています。
過失割合に納得がいかない
過失割合に納得がいかないなら、弁護士に依頼した方がいいでしょう。
過失割合は、交通事故に対する責任の割合を示すもので、受け取れる損害賠償額に影響します。
過失割合は、警察が決めるものではありません。交渉の場合は、事故状況や過去の裁判例等を参考に、当事者間で話し合って決めます。保険会社は保険金の支払額を少しでも抑えたいでしょうから、あなたの過失が大きめに主張しているかもしれません。
保険会社が提示する過失割合が適正とは限りません。過失割合に納得がいかないなら、弁護士に依頼して適切な過失割合を算出してもらうことをお勧めします。
過失割合について、詳しくは以下の記事をご参照ください。
保険会社に提示された示談内容に不満がある
保険会社に提示された示談内容に不満があるなら、弁護士に依頼した方がいいでしょう。
ご自身でも反論できますが、その根拠を客観的に示さなければ、あなたの言い分が聞き入れられる可能性は低いです。
保険会社は示談交渉のプロです。根拠もなくただ「この内容では納得できない!」と主張しても、うまく言いくるめられるでしょう。「この内容で示談するしかない」と思わせるために、あえて高圧的な態度を取ることも考えられます。
一度示談に合意すると、原則として示談内容の変更はできません。保険会社に提示された示談内容に不満があるなら、サインをする前に弁護士に相談することをお勧めします。
交通事故について弁護士に依頼した方がいい理由
交通事故の被害に遭ったら弁護士に依頼を勧める理由として、主に以下の6つが挙げられます。
- 弁護士特約があれば実質無料で依頼できる
- 時間的・精神的な負担を軽減できる
- 治療継続の必要性を合理的に主張できる
- 後遺障害等級認定のための法的サポートが受けられる
- 適切な過失割合を主張できる
- 適切な損害賠償額を算出できる
以下で、詳しく紹介します。
弁護士特約があれば実質無料で依頼できる
弁護士特約があれば実質無料で依頼できます。
弁護士に依頼すると以下のような費用が発生しますが、弁護士特約を利用すれば、定められた上限額を限度に保険会社が費用を負担してくれます。
- 着手金
- 報酬金
- 日当
- 実費
上限額は保険会社によって異なりますが、1事故1名につき300万円を上限とする保険会社が多いです。
300万円を超えた分は自己負担となりますが、以下のような損害賠償金が相当高額になるケースを除き、弁護士費用は300万円以内に収まることがほとんどです。
- 交通事故により死亡したケース
- 交通事故により重篤な後遺障害が残ったケース
弁護士特約があれば実質無料で依頼できるため、積極的に依頼を検討してみてください。
時間的・精神的な負担を軽減できる
時間的・精神的な負担を軽減できます。
弁護士に依頼すれば、保険会社とのやり取りはすべて弁護士が行います。
いつくるか分からない保険会社からの連絡に対応するストレスを抱えずに済みますし、生活のペースを乱される心配もなくなります。治療や生活の再建にも専念しやすくなるでしょう。
判断に迷うことや疑問が生じても、都度弁護士に相談できるため、一人で悩みや不安を抱えずに済みます。弁護士からのアドバイスをもとに、最善の選択ができるでしょう。
あなたの時間的・精神的な負担を最小限に抑えつつ、最善の解決を図りやすくなります。
治療継続の必要性を合理的に主張できる
治療継続の必要性を合理的に主張できます。
保険会社から治療費の打ち切りを打診されたからといって、治療を中断するのは賢明ではありません。
弁護士に依頼すれば、弁護士からあなたの担当医師に現在の状況や今後の治療方針等を確認してもらえます。医師の判断に基づき治療の必要性を合理的に主張することで、治療費の支払いを延長してもらえるかもしれません。
治療継続の必要性を合理的に主張することで、適切な治療費を受け取れる可能性が高まります。
後遺障害等級認定のための法的サポートが受けられる
後遺障害等級認定のための法的サポートが受けられます。
適切な後遺障害等級の認定を受けることは、簡単ではありません。
弁護士に依頼すれば、医師が作成した後遺障害診断書に不備や記載に不十分な箇所がないか確認してもらえます。認定に必要だと思われる添付書類や、申請書類の書き方についてもアドバイスしてもらえるため、適切な認定を受けられる可能性を高められるでしょう。
適切な後遺障害等級認定を受けたいなら、弁護士に申請手続きを依頼することをお勧めします。
適切な過失割合を主張できる
適切な過失割合を主張できます。
保険会社が提示する過失割合は、相手方の言い分のみを考慮して算出されることが多いです。そのため、事故状況に間違いがあったり、認識に誤りがあったりして、不利な過失割合が提示されるケースは少なくありません。
弁護士に依頼すれば、あなたの言い分を考慮した適切な過失割合を判断してもらえます。
弁護士が、事故状況を裏付ける客観的な証拠や類似の裁判例を示して交渉を進めることで、適切な過失割合で示談できる可能性が高まります。
保険会社の提示する過失割合に納得がいかないなら、弁護士に依頼することをお勧めします。
適切な損害賠償額を算出できる
適切な損害賠償額を算出できます。
交通事故の損害賠償金を算出する基準には以下の3つがあり、どの基準を使うかによって金額に差が生じます。
- 自賠責基準
- 任意保険基準
- 弁護士基準
保険会社はそれぞれの保険会社が独自に定めた任意保険基準を用いて算出するため、過去の裁判例に基づいて定められた弁護士基準と比較すると低額になる傾向がみられます。
弁護士に依頼すれば、3つの基準の中で最も高い基準である弁護士基準で算出してもらえます。あなたが受けた損害を適切に反映した損害賠償額を算出できるため、納得のいく補償を受けられる可能性が高まります。
交通事故について弁護士に頼むべきか悩んだら
交通事故について弁護士に頼むべきか悩んだら、まずは相談してみることをお勧めします。
「弁護士事務所は敷居が高い」「こんなことで弁護士に相談してもいいのかな」等の思いから相談を躊躇するかもしれませんが、弁護士は身近な相談役です。
無料相談を行なっている法律事務所もありますので、費用を気にせず、気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
弁護士に依頼するのは早ければ早いほど良いです。
交通事故について弁護士に頼むべきか悩んだら、まずは相談してみましょう。
まとめ
交通事故の被害に遭い、「適切な補償を受けたい」と望むなら、弁護士に依頼することをお勧めします。
特に、弁護士特約付き自動車保険に加入している場合は実質無料で依頼できるため、積極的に依頼を検討してみてください。
ネクスパート法律事務所は、交通事故分野の案件を多数取り扱っており、豊富な知識と経験を有する弁護士が在籍しています。あなたが納得して解決できるよう、全力でサポートいたします。
無料法律相談を実施していますので、ぜひお気軽にご相談ください。
