あなたは今、不倫相手に妊娠を告げたら連絡が取れなくなり、「逃げられたのではないか」と不安になっていませんか?
思わぬ事態に困惑するのも無理もありませんが、妊娠した場合は、これからのことを冷静かつ早期に決断していかなければなりません。
この記事では、妊娠を告げたら逃げた不倫相手に慰謝料を請求できるか、妊娠したのに逃げられた場合に冷静に検討すべきことなどを紹介します。この記事が、あなたにとって最善の選択をする手助けとなれば幸いです。
目次
妊娠を告げたら逃げられた!不倫相手に慰謝料を請求できる?
妊娠を告げたら逃げられたのであれば、不倫相手に対する慰謝料請求が認められる可能性があります。
不倫相手の不誠実な対応によって、あなたの妊娠による不利益の軽減、解消、分担を受ける法的利益が侵害されたとして、不法行為が成立する可能性があるためです。
裁判所は、不倫による妊娠で被る精神的・身体的苦痛は、あなたと不倫相手が共同で行った性行為に由来するものであるため、相手男性も不利益を軽減、解消、分担する義務を負うと考えています(東京高裁平成21年10月15日判決)。
妊娠発覚後、不倫相手に以下のような言動がみられる場合は、あなたの権利や利益を侵害するとして、慰謝料請求が認められる可能性があります。
- 妊娠を告げたら連絡が取れなくなった
- 今後についての話し合いに応じない
- 中絶を強要された
妊娠したのに逃げられた場合に冷静に検討すべき3つのこと
妊娠したのに不倫相手に逃げられた場合、子どもをどうするか、できる限り早期に決断しなければなりません。
冷静に検討すべきこととして、以下の3つについて詳しく紹介します。
- 子どもを出産するか・中絶するか
- 出産する場合は不倫相手に認知・養育費を請求するか
- 中絶する場合は費用をどうするか
子どもを出産するか・中絶するか
子どもを出産するか、中絶するか、できるだけ早く決断する必要があります。
母体保護法により、人工妊娠中絶手術を受けられるのは21週6日までと定められているためです。妊娠22週を超えた場合は、いかなる理由があっても人口妊娠中絶手術を受けられません。
妊娠11週6日までであれば初期中絶手術、妊娠12〜21週6日までであれば中期中絶手術を行います。初期中絶手術と中期中絶手術は、手術の方法や入院の有無、費用などに、以下のような違いがあります。
妊娠週数が進むほどに、人口妊娠中絶による身体的な負担は大きくなり、費用も高額になります。
限られた時間の中で出産するか否かの決断を迫られることは辛いでしょうが、できるだけ早く決断しましょう。
出産する場合は不倫相手に認知・養育費を請求するか
出産すると決断した場合は、不倫相手に認知・養育費を請求するか検討しましょう。
不倫相手が子どもを認知すれば、不倫相手に子どもの扶養義務が生じるため、不倫相手に対して養育費を請求できるためです。
養育費とは、子どもを育てるために必要な費用で、子どもを監護していない親が子どもを監護している親に支払う金銭です。認知とは、婚姻していない男女間に生まれた子どもと父親との間に、法律上の親子関係を生じさせるための制度です。あなたが認知を求めているにもかかわらず不倫相手が認知に応じない場合は、裁判所に認知の訴えを申し立てることで、強制的に認知させられる可能性があります。
なお、認知しない場合も、不倫相手が養育費を支払うことに合意すれば、支払いを受けられます。
出産すると決断した場合は、不倫相手に認知を求めるか、養育費を請求するか、検討しましょう。ただし、妊娠を告げたのに逃げるような不倫相手であれば、出産後も父親としての責任を果たすとは考えにくいです。出産する場合は、ひとりで育てていく覚悟を持ちましょう。
中絶する場合は費用をどうするか
中絶すると決断した場合は、中絶費用をどうするか検討しましょう。
人口妊娠中絶手術は、原則として健康保険は適用されず、高額な費用負担が発生するためです。
裁判所は、中絶手術による経済的負担も、あなたと不倫相手が等しく分担すべきだと考えています(東京高裁平成21年10月15日判決)。中絶する場合、身体的・精神的な負担だけでなく、経済的な負担も重くのしかかります。中絶にかかる費用の半分を不倫相手に請求することを検討しましょう。
「不倫で妊娠したあなたにやさしく答えるお悩み相談Q&A44選 」も併せてお読みください。
妊娠発覚後に逃げた不倫相手に責任を追及する際の2つの留意点
妊娠発覚後に逃げた不倫相手に責任を追及する際に留意すべきこととして、以下の2つが挙げられます。
- 相手配偶者に不倫や妊娠の事実がバレないように慎重に進めること
- 第三者に不倫・妊娠の事実を口外しないこと
以下で、詳しく紹介します。
相手配偶者に不倫や妊娠の事実がバレないように慎重に進めること
相手配偶者に不倫や妊娠の事実がバレないように、慎重に進めましょう。
相手配偶者から、不倫に基づく慰謝料を請求されるおそれがあるためです。
慰謝料は、不法行為によって受けた精神的苦痛を慰謝するための金銭です。不倫の事実に加えて妊娠の事実も明らかとなれば、相手配偶者は多大な精神的苦痛を被ることでしょう。不倫に基づく慰謝料の相場は、50〜300万円程度です。不倫による妊娠の事実がある場合、悪質だと判断されて、高額な慰謝料が認められる傾向にあります。
不倫相手に逃げられたあなたも被害者といえますが、相手配偶者に不倫や妊娠の事実がバレたら、高額な慰謝料を請求されかねません。相手配偶者に不倫や妊娠の事実がバレないように、慎重に行動することを心がけましょう。
不倫に基づく慰謝料の相場について、詳しくは「不倫(不貞行為)の慰謝料相場と過去の判例」をご参照ください。
第三者に不倫・妊娠の事実を口外しないこと
第三者に不倫・妊娠の事実を口外しないようにしましょう。
不倫・妊娠の事実を第三者に言いふらした場合、名誉毀損罪(刑法第230条)が成立するおそれがあるためです。名誉毀損罪が成立した場合、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金が科されます。
以下のような行為をした場合、名誉毀損罪が成立する可能性があります。
- 不倫相手の勤務先や実家の第三者に、不倫・妊娠の事実をバラす
- SNSで不倫・妊娠の事実を拡散する
第三者に不倫・妊娠の事実を口外すれば、あなたが罪に問われるおそれがあるため、やめましょう。
相手配偶者から慰謝料を請求されたら弁護士に相談・依頼を
相手配偶者から慰謝料を請求されたら、弁護士に相談・依頼することをお勧めします。
ご自身で慰謝料請求に対応した場合、不当に高額な慰謝料額で合意したり、感情的になって事態を悪化させたりするおそれがあるためです。
慰謝料を請求されたら弁護士に依頼するメリットとして、以下の4つが挙げられます。
- 弁護士が代理人となるため、相手配偶者との直接交渉を避けられる
- 法的観点から適正な慰謝料額を算出し、適正額まで減額するよう交渉してもらえる
- 解決後のトラブルを防ぎやすい示談書を作成してもらえる
- 交渉がまとまらず訴訟となった場合も、引き続き代理人として行動できる
相手配偶者とご自身で交渉すると、新たなストレスやトラブルを抱えかねません。慰謝料を請求されたら、なるべく早期に弁護士に相談しましょう。
まとめ
不倫相手に妊娠を告げた途端に連絡が取れなくなったら、動揺するのも無理もありません。「これからどうすればいいの」との不安で頭がいっぱいでしょうが、まずは落ち着きましょう。こうしている今も、おなかの中で赤ちゃんは着実に成長しています。あなたと赤ちゃんにとってベストな選択ができるよう、冷静な判断を心がけましょう。
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