不倫相手との関係を解消して今後一切接触しない旨の誓約書を相手配偶者と交わしたにもかかわらず、不倫相手との関係を続けてしまっていませんか?
誓約を破ることになるとわかってはいるものの、不倫相手への思いを断ち切れず、大きな不安を抱えながら逢瀬を重ねているのではないでしょうか。
この記事では、誓約書を守らなかった場合はどうなるのかについて解説します。
このまま不倫相手との関係を続ければ、相応の代償を支払うことになりかねません。この記事が、不倫相手との関係をきっぱりと断つきっかけになれば幸いです。
目次
誓約書を守らなかった場合はどうなる?
誓約書を守らなかった場合、誓約書の記載内容により異なりますが、以下のような方法で責任を追及される可能性があります。
- 違約金を請求される
- 慰謝料を請求される
- 訴訟を提起される
以下で、詳しく解説します。
違約金を請求される
相手配偶者に差し入れた誓約書に違約金の記載がある場合は、違約金を請求される可能性が高いでしょう。
例えば、次のような条項がある場合です。
(接触禁止)
第○条 乙(あなた)は、甲(相手配偶者)に対し、今後、電話・書面・メール・LINE・面会など連絡手段の如何を問わず、A(甲の配偶者)との接触を一切行わないことを誓約する。 第○条 乙(あなた)は、前条の規定に違反した場合には、甲(相手配偶者)対して、1回の違反行為について各○万円を支払うことを約束する。 |
誓約書に違反した場合のペナルティとして違約金の定めがある場合、再度話し合いを行うことなく、相手配偶者はあなたに対して記載された金額の支払いを請求できます。
その場合、原則として誓約書に記載された金額の違約金の支払い義務が発生します。ただし、違約金の金額があまりにも高額である場合は、公序良俗に反するとして、一部無効となるケースもあります。
なお、誓約書には法的効力はありませんが、応じなければ訴訟に発展するおそれがあることを念頭に置いておきましょう。
慰謝料を請求される
誓約書を守らなかった場合は、相手配偶者から慰謝料を請求される可能性があります。
誓約書に違約金の定めがなくても、誓約を守らず不貞行為を継続したことで相手配偶者に精神的損害を与えた場合には、相手配偶者はあなたに対して慰謝料を請求できるからです。
誓約書に違約金の定めがある場合でも、その性質が違約罰であり、違約金とは別に損害賠償請求ができる旨が明らかにされているような場合には、違約金とは別に慰謝料を請求される可能性もあります。
不貞行為に基づく慰謝料の相場は、それぞれの状況により異なりますが、50〜300万円程度です。
不貞行為に基づく慰謝料の相場について、詳しくは「不倫(不貞行為)の慰謝料相場と過去の判例」をご参照ください。
訴訟を提起される
誓約書を守らなかった場合、訴訟を提起される可能性もあります。
違約金や慰謝料を請求されたのに、無視するなど誠実な対応を示さなかった場合、あなたとの交渉は難しいと判断されて、訴訟で請求されるかもしれません。訴訟で相手配偶者の請求が認められたにもかかわらず、判決に従わず違約金や慰謝料を支払わなかった場合、給与や財産を差し押さえられるおそれがあります。
訴訟に発展した場合の流れについては、「不倫裁判を起こされる前に読んでわかる裁判の流れとあなたのすべき行動」をご参照ください。
誓約書を守らず違約金を請求された場合にやってはいけない3つのこと
誓約書を守らず違約金を請求された場合にやってはいけないこととして、主に以下の3つが挙げられます。
- 請求を無視する
- 書面・訴状の受け取りを拒否する
- 感情的になって相手方に暴言を吐く
以下で、詳しく解説します。
請求を無視する
誓約書を守らず違約金や慰謝料を請求された場合は、請求を無視してはいけません。
請求を無視すれば、あなたとは交渉できないと判断されて、訴訟を提起されるおそれがあるためです。
訴訟になれば、通常解決までに多大な時間がかかります。期日には裁判所に出廷しなければならないため、時間的・精神的にも大きな負担がかかることが予想されます。不倫の事実を周囲に隠し通すことも難しくなるでしょう。
違約金や慰謝料を請求されたら、誠意ある対応を心がけましょう。
書面・訴状の受け取りを拒否する
誓約書を守らず違約金や慰謝料を請求された場合は、書面や訴状の受け取りを拒否することはやめましょう。
書面や訴状の受け取りを拒否すれば、書面を受け取らなくても到達したものとみなされたり、勤務先に送付されたりする可能性があるためです。
以下の3つのケースについて、受け取りを拒否した場合どうなるか紹介します。
内容証明郵便の受け取りを拒否した場合
内容証明郵便の受け取りを拒否した場合は、あなたが受け取りを拒否した旨を記載した用紙とともに、内容証明郵便は差出人に戻ります。しかし、書面は受け取れる状態にあったことが証明されるため、あなたが内容を確認していなくても、相手配偶者の意思表示はあなたに到達したものとみなされます。
受け取りを拒否することで、相手配偶者の心証を悪くして支払期限の延長等の対応などに応じてくれない可能性や訴訟提起などの行動に出られる可能性が高くなります。
不在で訴状を受け取れずそのまま放置した場合
訴状が届いたが不在で受け取れずそのまま放置した場合、訴状は裁判所に戻ります。自宅に送付しても受け取ってもらえないと相手配偶者に判断されれば、勤務先に送付される可能性があります。
訴状が勤務先に送付されれば、訴訟を起こされたことが周囲にバレる可能性が高いでしょう。
訴状の受け取りを拒否した場合
訴状を受け取り拒否した場合は、付郵便送達という方法で送達される可能性があります。
付郵便送達は、書類の発送時に送達があったものとみなされるため、あなたが実際に受け取ったかどうかに関係なく訴訟手続きは進行します。答弁書を提出せずに第1回期日も欠席すると、原告の請求を全て認める判決が言い渡される可能性があります。
書面や訴状の受け取りを拒否すれば、自分を不利な状況に追い込む可能性が高いです。
書面や訴状が届いたら、放置せずにすぐに内容を確認しましょう。
感情的になって相手配偶者に暴言を吐く
誓約書を守らず違約金や慰謝料を請求された場合は、感情的になって相手配偶者に暴言を吐くことはやめましょう。
相手配偶者を傷つけたり、感情を逆撫でしたりする発言は、状況をより悪化させることになりかねないためです。
あなたが感情的になれば、相手配偶者も感情的になりやすいです。話し合いができなくなれば、減額に一切応じてくれない、訴訟に発展してしまうなどの不利益を受けるおそれがあります。
違約金や慰謝料を請求されたら、焦りや不安から不適切な行動をしてしまいがちです。
まずは落ち着いて請求内容を確認するよう心がけましょう。
誓約書を守らなかったことで請求された違約金を支払えない場合の対処法
誓約書を守らなかったことで請求された違約金を支払えない場合の対処法として、主に以下の3つが挙げられます。
- 減額の交渉を試みる
- 一括での支払いが難しい場合は分割払いの交渉を試みる
- 親族にお願いしてお金を用立ててもらう
以下で、詳しく解説します。
減額の交渉を試みる
請求された違約金を支払えない場合は、減額の交渉を試みることをお勧めします。
誓約書を守らなかったことを心から謝罪し、違約金を支払う意思があることを伝えた上で、一括で支払える金額まで減額してもらえないか交渉してみましょう。
ただし、減額交渉に簡単に応じてくれるケースは少ないといえます。ご自身での対応に不安を感じたら、弁護士への相談・依頼も検討しましょう。
一括での支払いが難しい場合は分割払いの交渉を試みる
一括での支払いが難しい場合は、分割払いの交渉を試みるのも選択肢のひとつです。
違約金や慰謝料は、原則として一括払いです。そのため、一括での支払いが難しい場合は、相手配偶者と話し合って分割払いを認めてもらう必要があります。一括で支払えるだけのお金がないことを正直に伝え、毎月支払える金額を具体的に提示しましょう。
誓約書の内容にもよりますが、支払いを滞納した場合は、残額の一括払いを請求される可能性があります。相手配偶者に言われるがまま毎月高額な支払いに合意すると、結局期日までに支払えなくなるおそれがあります。
完済まで確実に支払える金額で合意できるよう交渉することが大切です。
親族にお願いしてお金を用立ててもらう
請求された違約金を支払えない場合は、親族にお願いしてお金を用立ててもらうこともひとつの方法です。
親や親戚に事の顛末を正直に伝え、お金を用立ててもらえないかお願いしてみましょう。叱責を受けるでしょうが、自分の責任だと謙虚に受け止め、反省すべきです。
違約金や慰謝料を支払うために消費者金融などで借金をすると、別のトラブルを抱えることになりかねないため、できれば控えた方が良いでしょう。
交渉・訴訟の対応に不安を感じたら弁護士へ依頼しましょう
交渉・訴訟の対応に不安を感じたら、弁護士へ依頼することをお勧めします。
ご自身でも交渉・訴訟に対応できますが、判断に法的知識が必要となることも多いため、簡単ではありません。多大な精神的負担がかかることも考えられます。
弁護士に依頼すれば、法的な知識に基づいてあなたの置かれている状況を把握し、適切な解決策を助言してくれるでしょう。
専門家だからこそできる交渉や訴訟対応により、納得のいく解決に行き着く可能性が高まります。
ご自身での対応に不安を感じたら、早い段階で弁護士への依頼を検討しましょう。
まとめ
誓約書を守らなかったことが相手配偶者にバレた場合、違約金や慰謝料を請求されたり、訴訟を提起されたりする可能性があります。不倫相手との関係を今すぐ断ち切って、起こり得るリスクを回避しましょう。
誓約書を守らなかったことで相手配偶者から慰謝料を請求された、訴訟を提起された場合は、ぜひネクスパート法律事務所にご相談ください。
ネクスパート法律事務所は、不貞問題に関する累計10,000件を超えるご相談をお受けしているため、豊富な解決ノウハウを有しています。
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