不貞行為に過失がない、もしくは既に婚姻関係が破綻しており、その事実を信じていたことに過失がないことが認められ請求が棄却された事例

不二子が愛子に対し、愛子が不二夫と不貞行為に及びその結果不二子が不二夫から離婚請求され、夫婦関係を修復することが困難となっており、精神的苦痛等の損害を被ったとして損害金の支払いを求めた事案である。


愛子と不二夫は水タバコ専門店で知り合い、間もなくともに出かけるようになった。愛子と不二夫はH27年10月31日以降同棲生活を開始し、交際関係にあったと認められることからすれば、遅くとも同日以降には不貞行為に及んでいたと推認することができ、不二子が同年12月22日に愛子に通知書を送付した時点で不二夫が既婚者であることを認識したとされたが、愛子らが同棲開始する相当以前に不二夫は愛子に対して明に暗に同棲することを求めるようなメールを送信しており、そのような行為に及んだ不二夫の意思からすると不二子との間で精神的及び肉体的結合を目的とした共同生活を継続する意思が相当に失われていたと推認できること、愛子が不二子から通知書を受領した後である同月28日に不二夫が不二子に対して離婚する意思を表明しており、その後も不二夫が愛子との同棲関係を解消することなく少なくともH28年1月30日までは同棲生活をつづけたことなどからすれば、不二夫が不二子に対して離婚する意思を告げた時点では婚姻関係を維持する意思を喪失し、共同生活の実体を喪失していたと認められるとした。

愛子らの不貞行為は、愛子に過失がないか、婚姻関係が破綻していたか、もしくは愛子が婚姻関係が破綻していたと信じたことについて過失がないと認められるので、不二子の請求には理由がないとし棄却された。

当事者の情報

不貞期間
請求額1000万円
認容額0円
子供人数
婚姻関係破綻の有無破綻していた

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