配偶者の不倫を理由に慰謝料請求したいとき、不貞行為の証拠があるかによって結果が大きく変わってしまうので、不貞行為の証拠集めはとても重要となります。しかし一体、どこからどこまでが不貞行為といえるのでしょうか。ここでは、異性の家に出入りしたり、宿泊が不貞行為にあたるのか、またそれらを不貞行為の証拠としたい場合にはどうすべきなのかをご紹介します。
目次
異性の家に出入りしたら不貞行為になるのか
一般的に、配偶者が異性の家に出入りしたという事実を知ったら「絶対に浮気をしている」という考えに至ることでしょう。しかし、異性の家に出入りしたという事実だけでは、不貞行為の証拠として十分とは言えません。
なぜなら、不貞行為というのは配偶者以外の人と肉体関係を持つということを意味するので、家の出入りだけではその関連性を証明することが難しいからです。
家の出入りを不貞行為の証拠とするためには、複数回家に出入りしている、入室から退室まで一定以上の時間滞在したことがわかる写真や動画、さらにその際に部屋の電気を消したことがわかる写真・動画などが強い証拠となります。
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ホテルに宿泊したら不貞行為になる?
では、異性と宿泊をしたら不貞行為にあたるのか、いくつかの状況について考えてみたいと思います。
ラブホテルに宿泊した場合
先ほども軽く触れましたが、ラブホテルは性行為を目的とする場所として一般的に認知されています。ですのでラブホテルに宿泊した場合は、肉体関係があったと考えるのが当然でしょう。また、ラブホテルに出入りしている写真や領収書などは不貞行為の証拠として有力なものになります。
相手もラブホテルに宿泊した事実が発覚したら、言い訳をすることも難しいでしょう。この証拠を提示することができたら、慰謝料請求への大きなカギとなります。より明らかで客観的な証拠にするためにも、日時が確認できること、2人が一緒に出入りしていることなどが確認できる写真や動画を用意しておくといいでしょう。
ビジネスホテルに宿泊した場合
ビジネスホテルへの宿泊だと、ラブホテルの場合と比べて不貞行為との関連性は低くなってしまいます。仕事の出張や残業で終電がなくなったから仕方なくビジネスホテルに泊まったというケースもあるでしょう。
ビジネスホテルの場合は、繰り返し二人で宿泊している、ビジネスホテルに行く前にデートやキスをした、性行為を匂わせるLINEをしていた、など複数の証拠を揃えて不貞行為を立証していくことが重要です。
ホテルに宿泊したが別々に出入りした場合
不倫がバレることを警戒して、時間をずらしてホテルに出入りするという方もいるでしょう。こういったケースでは、本当に一緒の部屋に泊まったのかという事実確認をすることはとても難しくなります。
ホテルに別々に出入りしたこと証明する証拠を取れたとしても、肉体関係の証明とするには不十分と言えます。こういったケースでは、他にも不貞行為の証拠を確保していく必要があるでしょう。
異性の家に泊まっただけで慰謝料請求はできる?
慰謝料請求するには異性の家に1回泊まったという事実だけでは難しいです。異性の家に宿泊しただけでは、不貞行為をしたと断定はできません。しかし、複数回宿泊している場合や違う証拠がある場合などは慰謝料請求が認められる可能性があります。
家の出入り・宿泊は「肉体関係があったのではないか」と推認する要素の1つにはなりますので、その他にも複数の証拠を提示することが大切です。
家やホテルの出入りを不貞行為の証拠とするためには
複数回出入りしたことがわかる写真や動画
家やホテルの出入りを不貞行為の証拠としたい場合、その頻度がとても重要になっていきます。一度限りの関係でなく、何度も家に出入りしていることが確認できれば不貞行為との関連も強くります。
いつ、どのくらいの時間滞在しているか、どれくらいの回数や頻度でその行為が続いているのかということを立証することができれば、不貞行為の強い証拠となります。
ラブホテルのクレジットカードの明細や領収証
ラブホテルの明細や領収証も不貞行為の証拠として有効です。そこに先ほどと同様に複数回の利用が確認できれば、同じように強い証拠の一つとすることができます。注意すべき点は、これ一つでは証拠としては弱いということと、不貞行為の相手が分からないため、その相手にも慰謝料を請求したいという場合には有効な証拠とはならないということです。
不貞行為との関連を強めるには、一緒に過ごしたことが頻繁に確認できるメールやLINE、出入りの写真や動画など、相手と一緒に利用しているということが分かる証拠と併せて提示する必要があります。
性行為を匂わせるLINEや写真
家に出入りするほどの関係であれば、日常的にLINEやメールをしている可能性は高いでしょう。そのやり取りの中で、性行為があったことを匂わせるやり取りがあれば、それも不貞行為の証拠となります。家で何をしていたか、やり取りしているケースも多いでしょう。
また、下着姿で部屋の中で一緒に過ごしている写真なども不貞行為の証拠となります。家やホテルの出入りを不貞行為の証拠とするためには、こういった証拠を複数集めていくことが重要です。
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まとめ
異性の家への出入りや宿泊が不貞行為にあたるかどうかご説明しましたが、ラブホテルのように利用目的が分かる場所ではない限り、家の出入りや宿泊だけでは不貞行為があったと立証することは簡単ではありません。そのため、家に出入りした証拠だけではなく、領収書やメールなど、証拠として使えるものをほかに用意するということが、不貞行為を立証することへつながります。