ダブル不倫は、複雑な感情や状況が絡み合うため、選択を誤ると泥沼化するおそれがあります。
早期解決には、それぞれの状況に適した解決方法を選ぶことが重要です。
この記事では、夫婦関係の継続を選択する場合や離婚を選択する場合、片方の夫婦にしか不倫がバレていない場合など、4つの状況に応じた解決方法をご紹介しています。
それぞれの状況に適した解決方法を知ることで、あなたにとってよりよい解決を目指せるでしょう。
ぜひ参考にしてください。
目次
ダブル不倫の場合は誰が誰に慰謝料請求できる?

不倫をされた人は、自分の配偶者と不倫相手の双方に慰謝料を請求できます。
ダブル不倫の場合、
- 自分の配偶者に対する慰謝料請求(上記図の①・④)
- 不倫相手に対する慰謝料請求(上記図の②・③)
全体でみると最大で4件の慰謝料請求が生じる可能性があり、解決が難航しやすいのもお分かりいただけるかと思います。
しかし、常に慰謝料請求が4件発生するわけではありません。
例えば、夫婦の継続を選択する場合は、自分の配偶者には慰謝料請求をしないケースもあります。
相手の配偶者に不倫がバレていない場合には、相手の配偶者が関与することなく解決するケースもあります。
ダブル不倫の場合は、それぞれの状況に応じた解決方法を選択する必要があります。
ダブル不倫の全てのケースが慰謝料なしで解決できるわけではない
ダブル不倫の全てのケースが慰謝料なしで解決できるわけではありません。
「双方の配偶者(不倫をされた側)が、不倫相手に慰謝料請求したら、プラマイゼロになるのでは?」と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、必ずしもプラマイゼロになるわけではなく、慰謝料なしで解決ができるわけでもありません。
双方の慰謝料が同額とは限らない
双方の慰謝料が同額とは限りません。
慰謝料の金額は、次のような事情を考慮して総合的に決めます。
- 不倫期間 – 婚姻期間 – 子の有無 – 離婚の有無 – 交際態様 など
ダブル不倫の場合、双方に家庭があるため、その家庭状況(婚姻期間や子の有無、離婚の有無など)もそれぞれ異なるでしょう。
例えば、離婚をする場合は、夫婦に与えた影響が大きいと評価されやすく、慰謝料も高額になる傾向があります。
どちらがより積極的だったかといった交際における積極性・主導性も、慰謝料の金額に影響を与えることもあります。
したがって、それぞれの家庭への影響度合いや積極性の差によっては、慰謝料が同額にならない可能性があります。
四者全員の合意が必要
そもそも、慰謝料なしで解決するためには、四者全員の合意が必要です。
請求し合う慰謝料が同額でも、四者全員の合意ができなければ、それぞれが慰謝料を支払う必要があります。

例えば、上の図のケースで、離婚を選択した妻Aは、夫Aが夫Bに慰謝料を支払うことになっても、離婚後は夫婦のお財布(家計)が別になるため、自分がその支払いを気にする必要はありません。そのため、妻Aにはお互いに慰謝料を請求せずに解決することにメリットを感じられないでしょう。自身に痛手はないので、夫Aと妻Bから慰謝料を受け取りたいと考えるのが自然です。
この場合には、たとえ請求し合う慰謝料が同額でも、慰謝料なしでの解決は難しいでしょう。
ダブル不倫の解決方法|~4つのパターンに分けてご紹介~
ダブル不倫の解決方法について、不倫発覚の有無と離婚の有無を軸に、4つのパターンに分けて解説します。
【四者ゼロ和解】双方に不倫発覚&どちらも離婚しない場合

四者ゼロ和解とは、双方の夫婦全員(四者)の話し合いにより、お互いに慰謝料請求しないとの内容で和解することです。
この解決方法は、基本的に、双方に不倫が発覚しており、かつどちらの夫婦も離婚しない場合に有効です。
離婚しない場合は、双方が請求し合っても、家計単位で見ると、お金が入ってお金が出る形(家庭内でお金が循環する形)になります。
このような場合には、慰謝料の金額決めや交渉のやり取りなどの手間を考えると、円満な解決&迅速な解決のために四者ゼロ和解を選択する方が、メリットが大きい場合があるでしょう。
ただし、四者ゼロ和解には、四者全員の合意が必須なため、一人でも拒否する場合には、四者ゼロ和解での解決はできません。
【四者和解】双方に不倫発覚&どちらも離婚しないが責任の偏りあり

四者和解とは、双方の夫婦全員(四者)の話し合いにより、慰謝料の支払いの有無及びその額について和解することです。
この解決方法も、基本的に、双方に不倫が発覚しており、かつどちらの夫婦も離婚しない場合に有効です。
ただし、一方または双方が離婚をする場合でも、四者全員が和解を望む場合には、この方法により解決することもあります。
四者ゼロ和解と異なるのは、慰謝料の支払いが生じる点です。
例えば、夫Aが交際において積極的・主導的立場だったことを理由に、夫Aが慰謝料を支払う一方で、妻Aは妻Bに対し慰謝料を請求しないと約束するケースもあります。
その他にも、夫B妻Bの間にのみ未成年の子がいる場合に、夫Aが慰謝料を支払う一方で、妻Aは妻Bに対し慰謝料を請求しないと約束するケースもあります。
ただし、四者和解も同様に、四者全員の合意が必須なため、一人でも拒否する場合には、四者和解での解決はできません。
【個別解決①】双方に不倫発覚&一方または双方が離婚する場合

双方に不倫が発覚しており、かつ一方または双方の夫婦が離婚する場合は、個別に解決します。
四者ゼロ和解や四者和解を選択するのは、家計全体で見た場合に、お金が出たり入ったり、手間が煩雑になったりするのを避けるためです。
しかし、離婚をする場合、慰謝料を請求する人は、自分の配偶者が慰謝料請求される分について考慮する必要がありません。 「配偶者とは離婚するので、配偶者に対する慰謝料請求は、こちらとは別で自由にやってください。」となるわけです。
この場合には、妻Aと妻B間で、夫Aと夫B間で、それぞれ個別に話し合いを行うことから、蓋を開けたら、自分が獲得した慰謝料よりも元配偶者が支払った慰謝料の方が多かったケースもあるでしょう。
【個別解決②】片方にしか不倫がバレていない場合

片方の夫婦にしか不倫がバレていない場合は、個別で解決します。
どちらかの配偶者には不倫が発覚しておらず、その配偶者に不倫がバレることなく解決したい場合には、四者での話し合いはできません。
配偶者に知られずに解決するのは納得いかないと考える人もいるかもしれません。
しかし、相手の配偶者にバラさないことを前提に、相場よりも高い金額で示談できるケースも多々あります。
相手の配偶者にバレると、相手夫婦が離婚に発展する可能性が高い場合は、相手の配偶者にバラさない方が、メリットが大きいこともあります。あなた方夫婦が離婚しない場合、相手の配偶者にバレて相手夫婦が離婚することで、こちらが請求される慰謝料の方が高くなる可能性があるからです。
ただし、後から相手の配偶者にバレたことで、配偶者が慰謝料請求されるリスクは残ります。
ダブル不倫の解決は弁護士への相談がおすすめな理由
ダブル不倫の解決は複雑になりやすいことから、早めの弁護士相談がおすすめです。
弁護士への相談がおすすめな理由として、次の8つが挙げられます。
- ダブル不倫のトラブルは泥沼化しやすい – 本気度が伝わりやすく対等な交渉ができる – 自分の配偶者にバレるリスクを最小限にできる – 職場への影響を最小限にできる – 個々の事情に応じた最適な解決策を見極められる – 4者間での直接の対面を避けられる – 配偶者と不倫相手の接触を避けられる – 慰謝料以外の条件の交渉や示談書の作成もサポートしてもらえる
以下、詳しく説明します。
ダブル不倫のトラブルは泥沼化しやすい
ダブル不倫のトラブルは泥沼化しやすいためです。
通常の不倫と比べて、より多くの事情が絡まり合うことから、対応の仕方次第で泥沼化することが多々あります。
例えば、感情的なあまり、個別で慰謝料請求した結果、話し合いがまとまらず裁判に至るケースもあるでしょう。
一方が裁判を起こすと、大抵の場合、相手の配偶者も裁判を起こします。 裁判の中で事実関係を精査すると、双方とも離婚の意思がなく、慰謝料も同等程度だとして、和解に向けた話し合いがなされるケースも多々あります。
初めから弁護士を立てていれば、裁判の手間や費用がかからず、早期に四者ゼロ和解を目指せたかもしれません。 当事者間の話し合いでは、感情的対立から示談が決裂しやすく、交渉が長期化する可能性が高いため、初動対応が重要になるでしょう。
ダブル不倫特有のリスクについては、「ダブル不倫がバレたらどうなる?泥沼化のリスクを抑えるための基礎知識 」をご参照ください。
本気度が伝わりやすく対等な交渉ができる
本気度が伝わりやすく、対等な交渉ができるためです。
四者ゼロ和解を提案しようとしても、相手の配偶者が強気な態度で慰謝料請求してくるケースも多々あります。
自分も不倫をされた被害者にも関わらず、相手の配偶者から「あなたの配偶者に全責任がある。」などと責められる可能性もあるでしょう。
通常の不倫の場合は、被害者(不倫をされた人)は一人のため、被害者が弱い立場になることはあまり多くありません。しかし、ダブル不倫では、被害者は二人のため、一方の被害者が、もう一方の被害者を含む夫婦をまとめて非難するケースも多々あります。
弁護士を立てることで、こちらの本気度が伝わり、対等な交渉が実現できるでしょう。
自分の配偶者にバレるリスクを最小限にできる
自分の配偶者にバレるリスクを最小限にできるためです。
相手の配偶者から慰謝料請求されたけれど、自分の配偶者には、未だ不倫がバレていない方もいらっしゃるでしょう。このまま、自分の配偶者にはバレずに解決したいと考える人も多いかもしれません。
慰謝料請求をご自身で対応すると、相手の配偶者からの連絡や郵便物がきっかけで、自分の配偶者にバレる可能性があります。
しかし、弁護士を立てることで、相手の配偶者からの連絡や郵便物は全て弁護士宛になることから、配偶者にバレる可能性を減らせます。あなたの自宅に直接書面を送付する等の行為を差し控えるよう通告できます。
さらに、示談交渉も全て弁護士が行うため、慰謝料請求の対応に時間を割く必要がなく、配偶者に怪しまれる可能性も低くなるでしょう。
職場への影響を最小限にできる
職場への影響を最小限にできるためです。
特に、社内不倫の場合には、職場への影響に不安を抱えている方も多いでしょう。
相手の配偶者から、退職の要求をされて困っている方もいるかもしれません。
もちろん、退職の要求に応じる必要はありませんが、ご自身で対応することで、相手の配偶者の怒りを買い、職場に不倫をバラされる可能性も否めません。
弁護士を立てることで、こうした行動を抑止できる可能性が高まります。
個々の事情に応じた最適な解決策を見極められる
個々の事情に応じた最適な解決策を見極められるためです。
双方離婚の予定はないけれど、四者ゼロ和解で解決できる事案なのか、四者和解でこちらが支払わなければならないのかなど、判断するのが難しいと感じる方もいらっしゃるでしょう。
感情面から四者ゼロ和解は納得できないけれど、経済的に損はしたくないなどと、自分にとって最適な解決策がどれか迷う方もいるかもしれません。
弁護士を立てれば、双方の夫婦の状況などを加味し、責任の度合いなどを適切に判断してもらえます。あなたの希望をお聞きし、何を優先したいのかを含めて、解決方針をしっかり検討してもらえるでしょう。
四者間での直接の対面を避けられる
四者間での直接の対面を避けられるためです。
四者ゼロ和解や四者和解では、四者での直接の話し合いが不可欠です。
不倫相手に直接会うことはもちろん、その配偶者からあなた自身が責められることもあるかもしれません。
弁護士を立てれば、相手夫婦と直接対面する必要はありません。
ご自身の精神的負担の軽減にも繋がるでしょう。
配偶者と不倫相手の接触を避けられる
配偶者と不倫相手の接触を避けられるためです。
当事者同士での解決を目指すと、配偶者と不倫相手が連絡を取り合う可能性は高いでしょう。
四者和解を目指すために情報共有をしているなどと、何かと理由を付けて連絡を取り合う可能性も否めません。
弁護士を立てれば、交渉は全て弁護士に任せるわけですから、連絡を取り合う必要がなくなります。さらに、個人での接触を差し控えるよう警告もできます。
慰謝料以外の条件の交渉や示談書の作成もサポートしてもらえる
慰謝料以外の条件の交渉や示談書の作成もサポートしてもらえるためです。
そもそも、「四者ゼロ和解なら、請求自体しなくてもよいのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、四者ゼロ和解での解決になる場合でも、法的に解決すべきです。
お互いに慰謝料請求しないと口約束で終わらせると、後から慰謝料請求されるリスクが残ります。
慰謝料請求されないで終わったからと、反省をせず、再度関係を持つ可能性もあるでしょう。
弁護士を立てれば、慰謝料以外にも接触禁止や違約金の約束など、将来のトラブルに備えた示談が可能です。さらに、示談書の作成まで任せられます。
弁護士を立てることで、示談交渉から示談書作成までの全てのサポートをしてもらえるでしょう。
まとめ
ダブル不倫の解決パターンは、次の4つです。
- 【四者ゼロ和解】双方に不倫発覚&どちらも離婚しない場合
- 【四者和解】双方に不倫発覚&どちらも離婚しないが責任の偏りあり
- 【個別解決①】双方に不倫発覚&一方または双方が離婚する場合
- 【個別解決②】片方にしか不倫がバレていない場合
ご自身で、最適な解決策を判断するのは難しい部分もあるでしょう。
相手方に提案したところで、聞き入れてくれない可能性もあります。
ダブル不倫の場合は、解決策の選択やその提案のタイミングによっては、交渉がもつれるリスクがあります。
ダブル不倫の問題を抱えている方は、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
弁護士が、あなたの状況や希望に沿った解決策をご提案し、あなたにとってよりよい解決ができるよう、全力でサポートいたします。
ネクスパート法律事務所では、不倫問題に強い弁護士が多数在籍しています。
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この記事の監修弁護士

はじめまして。ネクスパート法律事務所 東京オフィス弁護士の石田志寿です。
これまで家事事件をはじめ、不倫慰謝料や離婚など男女問題に特化した事件に携わってまいりました。その中でも、夫婦関係や不倫問題のご相談は、法律論だけでなくお気持ちへの配慮が重要となる分野だと強く感じております。
私が大切にしているのは、まずお話を丁寧に伺うことです。ご相談者様が抱えている不安や葛藤を正確に理解したうえで、法的に適切かつ現実的な解決策をご提案いたします。
「相談したら気持ちが落ち着いた」「話しやすかった」といったお声をいただくことも多く、心に寄り添う姿勢と、解決に向けた冷静な判断の両立を常に意識しております。
一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。












