更新日:2026年8月10日 (月)

公開日:2026年8月10日 (月)

相次相続控除とは?要件・計算例・手続きを解説

相次相続控除とは?要件・計算例・手続きを解説 相次相続控除とは?要件・計算例・手続きを解説

相次相続控除とは、一般的に10年以内という短期間に2回以上の相続(一次相続・二次相続)が連続して発生した場合において、一定の要件を満たすことで相続税の負担を軽減できる可能性のある制度です。短期間に連続して相続が発生(数次相続など)し、同じ財産に対して何度も相続税が課税されることによる過大な税負担(二重課税)を調整・緩和する目的が実務上設けられています。
この記事では、相次相続控除の対象となるかどうかの適用要件をはじめ、具体的な控除額の計算式、必要書類を含む相続税の申告手続きについて、税務上の観点から解説します。

相次相続控除とは?10年以内の再相続(二次相続)による相続税の二重課税を防ぐ制度

相次相続控除(相続税法第20条)とは、前回の相続(一次相続)の開始から10年以内に次の相続(二次相続)が発生した場合に、要件を満たした法定相続人が二次相続の相続税額から一定の金額を税額控除できる税務上の特例制度です。
例えば、父親が亡くなって母親が遺産を相続し、その数年後に母親も亡くなって子どもが財産を相続するような、短期間での相次ぐ死亡ケースが代表的な対象事例として挙げられます。
なお、遺産分割協議が終わる前に次の相続が起こる状態を実務上数次相続と呼びますが、すでに分割済みの財産であっても短期間に連続して相続が発生した場合には、この特例によって相続税の二重課税による過度な負担を和らげることが可能です。

【対象か確認】相次相続控除を受けられるか判断する4つの適用要件

相次相続控除の適用を受けるためには、原則として税法で定められた全ての要件を満たしている必要があります。自身が対象者(控除を受けられる相続人)に該当するかどうかを判断するには、主に以下の4つの要件を順に確認することが実務上重要です。
具体的には、一次相続から二次相続までの期間、前回の相続における相続税の納税実績、今回の相続人の範囲(法定相続人か否か)などが厳密に定められています。これらの適用要件を一つずつチェックすることで、ご自身の状況が特例適用の対象となるかどうかの目安を判断できますが、最終的な可否は税理士等の専門家に相談することをおすすめします。

要件1:前回の相続(一次相続)から10年以内に次の相続(二次相続)が発生していること

相次相続控除を適用するための前提となる重要な要件は、前回の相続(一次相続)の開始日(被相続人が死亡した日)から、今回の相続(二次相続)の開始日までの期間が10年以内であることです。実務上の経過年数の計算において、期間に1年未満の端数が生じた場合は法律の定めに従い、切り捨てて算出されます。例えば、一次相続から二次相続までの実際の期間が9年11か月であったとしても、相続税法上の計算では9年として扱われる仕組みです。この経過年数は、後に解説する相次相続控除額を計算する上で非常に重要な要素となり、一次相続からの経過年数が短い(連続発生の期間が短い)ほど、税額控除される金額は大きくなる傾向にあります。

要件2:今回の被相続人が前回の相続(一次相続)で相続税を納付していること

相次相続控除は、前回の相続において課税された相続税額の一部を、今回の相続税額から差し引くことで負担を調整する制度です。そのため、今回の相続で亡くなった被相続人が、前回の一次相続時に受遺者や相続人として「実際に相続税を納付している(納税実績がある)こと」が必須の適用要件となります。もし、配偶者の税額軽減(相続税の配偶者控除)や小規模宅地等の特例などを適用した結果、あるいは遺産総額が基礎控除額以下であったために前回の相続税額が0円(無税)だった場合には、納税実績がないため相次相続控除は適用できません。前回の相続において、実際に相続税の納税義務を負い、納付したという事実が本控除適用の重要な根拠となります。

要件3:財産を受け取る人が今回の被相続人の法定相続人であること

相次相続控除の適用を受けられるのは、原則として今回の二次相続において遺産を取得した法定相続人のみに限られています。法定相続人とは、民法によって定められた、被相続人の財産を相続する正当な権利を持つ親族(配偶者、子、直系尊属、兄弟姉妹など)のことです。したがって、遺言書によって財産を遺贈された法定相続人以外の人(受遺者)、例えば原則としての孫(代襲相続人や養子となっている場合を除く)や内縁の妻(事実婚のパートナー)などは、本控除の適用対象外となります。
また、家庭裁判所で相続放棄の手続きをした人や、相続欠格・相続人の廃除によって法的に相続権を失った人も、初めから法定相続人ではなかったとみなされるため、この特例の適用は受けられません。

要件4:今回の被相続人が前回の相続(一次相続)で財産を取得していること

この控除を適用するための前提として、今回の二次相続で亡くなった被相続人自身が、前回の一次相続の際に相続や遺贈によって何らかの財産を取得していることが求められます。仮に前回の一次相続で財産を全く取得していなかった場合は、そもそも前回の相続税の課税関係が生じていないため、本控除の適用対象外として扱われます。
なお、相続した不動産や株式などの資産を後日売却した場合に、譲渡所得税の計算上で相続税額の一部を経費にできる「取得費加算の特例」という別の制度がありますが、これは所得税法上の制度であり、相続税の負担を軽減する相次相続控除とは目的も要件も異なるため混同しないよう注意が必要です。

相次相続控除で相続税はいくら減る?控除額の計算方法とシミュレーションをステップごとに解説

相次相続控除を適用することで実際の相続税額がいくら減額されるかは、税法で定められたやや複雑な計算式を用いて算出することになります。最終的に控除される金額は、前回の一次相続で課税された相続税額をベースとして、今回取得した純資産価額や、一次相続からの経過年数(1年未満切り捨て)などを考慮して決定されます。具体的には、前回の一次相続での納税額を今回の取得財産割合に応じて按分し、さらに10年から経過年数を差し引いた割合(年10%ずつの逓減)を乗じて計算する仕組みです。この実務上の計算方法をステップごとに分解して理解することで、特例による節税効果や控除額の全体像をご自身でも把握しやすくなります。

控除額の計算式の全体像を把握する

相次相続控除の具体的な控除額は、相続税法および国税庁が定める以下の計算式に基づいて算出されます。この計算式は、「前回の一次相続で納付した相続税額」のうち「今回の二次相続で対象者が取得した財産」に対応する部分を、経過年数(1年につき10%減)に応じて調整・減額する仕組みを表しています。

A×{C/(B-A)}×(D/C)×{(10-E)/10}

上記計算式における各アルファベット記号の意味は、以下の通り定義されています。
A:前回の相続(一次相続)で今回の被相続人が納付した相続税額
B:前回の相続で今回の被相続人が取得した純資産価額(取得財産価額に債務控除等を反映したもの)
C:今回の相続(二次相続)で相続人および受遺者全員が取得した純資産価額の合計額
D:今回の相続で相次相続控除の適用を受ける法定相続人自身が取得した純資産価額
E:前回の相続開始日から今回の相続開始日までの経過年数(1年未満の端数は切り捨て)

【ステップ1】前回の一次相続で課税・納付された相続税額(A)を確認する

計算の第一歩は、計算式における「A」、すなわち今回の二次相続の被相続人が、前回の一次相続時に実際に納付した相続税額を確認することです。この正確な金額は、一般的に前回の相続税申告書の控えである第1表(相続税の申告書)の右下付近にある申告期限までに納付すべき税額などの欄に記載されています。
もし手元に過去の申告書の控えが存在しない場合は、管轄の税務署に対して、申告書等情報取得サービスの利用や保有個人情報の開示請求の手続きを行うことで、当時の申告内容や税額を確認することが可能です。開示請求等の手続きについては国税庁の公式ウェブサイトにも関連情報が掲載されていますが、実際に計算で用いる具体的な税額データは、あくまでご親族の個別の申告書原本または控えの数字で確認する必要があります。

【ステップ2】前回(一次相続)と今回(二次相続)の相続財産の価額(B,C,D)を算出する

次に、計算式に代入する3つの財産価額(B、C、D)を算出します。実務上は、単なるプラスの財産の総額ではなく、借入金などの債務や葬式費用を差し引いた純資産価額を用いる点に注意が必要です。「B」は、今回の被相続人が前回の一次相続において取得した純資産価額です。現金や預貯金、不動産、有価証券といった本来の相続財産のほか、生命保険金などのみなし相続財産も含めた取得額から、負担した債務等を差し引いて計算します。
「C」は、今回の二次相続における全体の相続財産(純資産価額)の総額です。相次相続控除の適用を受ける法定相続人だけでなく、他の相続人や遺言で財産を受け取った受遺者も含め、全員が取得した財産(現金、有価証券、不動産などから債務を控除した額)を合計して算出します。「D」は、今回の二次相続において、実際に相次相続控除の適用を受けようとする法定相続人自身が取得した純資産価額となります。

【ステップ3】経過年数(E)に応じた控除割合を確認する

最後に、一次相続からの経過年数に応じた控除の減額割合を決定します。計算式における「E」は、前回の相続開始日(一次相続の被相続人の死亡日)から、今回の相続開始日(二次相続の被相続人の死亡日)までの正確な経過年数を指します。この経過年数の計算においては、法律の定めに則り1年未満の端数(月数や日数)は全て切り捨てて整数値で数えます。例えば、前回の相続から今回の相続までの経過期間が5年3か月であった場合、端数の3か月分は切り捨てられるため、計算式上のEは5年として扱われます。相次相続控除の控除額は、経過年数が1年増えるごとに税額の10%ずつが逓減(減少)していく仕組みとなっており、計算式における「(10-E)/10」の部分でこの経年による減少割合を数学的に反映させています。

相次相続控除を受けるための相続税申告手続きと必要書類

相次相続控除の適用を正式に受けるためには、原則として「相続開始を知った日の翌日から10か月以内」という法定の申告期限内に、税務署に対する相続税の申告手続きを行うことが必要です。具体的には、通常の相続税申告書(第1表や第11表など)の作成に加えて、相次相続控除の適用を受ける旨とその計算根拠を記載した専用の計算書(第7表)を管轄の税務署長宛に提出します。申告の際には、控除額の正確な計算根拠を示すための明細書のほか、前回の一次相続の内容(取得財産や納付税額など)を客観的に証明するための添付書類(前回の申告書の控えなど)が実務上求められます。これらの必要書類を早期に準備し、厳格に定められた申告期限内に手続きを不備なく完了させることが重要となるため、不安な場合は相続税に強い税理士へ依頼することをおすすめします。

相続税申告書の「第7表(相次相続控除額の計算書)」の書き方

相次相続控除を適用して申告を行う際は、国税庁指定の相続税申告書フォーマットのうち「第7表(相次相続控除額の計算書)」を作成して添付します。この第7表は、前述した複雑な計算式に基づく控除額の算出プロセスや明細を、所定のフォーマットに従って記載するための専用様式です。具体的な書き方としては、用紙の上段にまず前回の一次相続に関する基本情報(一次相続の被相続人の氏名、続柄、相続開始年月日など)を正確に記入します。
次に、事前の控除額計算ステップで算出した「AからEまで」の各数値を、第7表の指定された各記入欄(①〜⑩などの項目)へ順番に転記し、様式上の計算式に沿って最終的な控除額を導き出します。国税庁ホームページ等で公開されている記載例(記載要領)を参考にしながら正確に記入・計算を行うことで、税務調査のリスクを抑え、税務署へのスムーズかつ適正な申告手続につながります。

添付必須となる「前回の相続税申告書の控え」を準備する

相次相続控除の申告手続きにおいて、前回の一次相続時に税務署へ提出した「相続税申告書の控え(コピー)」は、適用要件を満たしていることを示す極めて重要な添付書類となります。この申告書控えは、今回の二次相続の被相続人が「前回の相続でいくらの純資産を取得したか(B)」や「実際にいくらの相続税を納付したか(A)」を税務当局に対して客観的に証明するための根拠資料として必要不可欠です。万が一、前回の申告書控えを紛失してしまった場合や手元に見当たらない場合は、管轄の税務署窓口で「申告書等情報取得サービス」を利用して写しを取得するか、個人情報保護法に基づく「保有個人情報の開示請求」の手続きを行うことで、当時の申告内容を確認することが可能です。開示請求等による資料の取り寄せには実務上1か月程度の時間がかかるケースが多いため、10か月という申告期限に遅れないよう、申告準備の早い段階で控え書類の有無を確認しておくことが非常に大切です。

申告前に必ず確認しておきたい相次相続控除の3つの注意点

相次相続控除を適用して申告を行う際には、実務上いくつか気をつけるべき注意点が存在します。例えば、各相続人の法的な立場(相続放棄や欠格など)や、「遺産分割協議」の進捗状況によっては、特例控除が直ちには受けられなかったり、申告手続き自体が複雑化したりするケースが考えられます。また、被相続人からの生前贈与があった場合に利用される「相続時精算課税制度」や「暦年贈与」による持ち戻し計算など、他の税務上の制度・特例との兼ね合いも総合的に考慮して計算を行う必要があります。こうした税務上の注意点やリスクを申告前に把握しておくことで、期限内のスムーズな申告手続きと、法律に基づいた適切な相続税の負担軽減(節税効果)を実現することが可能になります。

注意点1:相続放棄を選択した場合、相次相続控除は受けられない

相次相続控除は、財産を取得する者が民法上の「法定相続人」であることが絶対的な適用要件の一つとされています。家庭裁判所で「相続放棄」の手続きを完了すると、民法第939条の規定により、その人は「初めから相続人とならなかったもの」として法的にみなされます。
したがって、本来の遺産を取得する権利を失うと同時に、たとえみなし相続財産(死亡退職金や生命保険金など)を受け取って相続税の課税対象になったとしても、法定相続人ではないため相次相続控除を受ける権利は失われます。たとえ経過年数や前回の納税実績など他の要件をすべて満たしていたとしても、相続放棄の手続きを選択し受理された時点で本控除の対象外として確定するため、放棄すべきかどうかの判断は慎重に行うことが求められます。相続開始を知った時から3か月以内(熟慮期間)に相続放棄を検討する際は、単純なプラスマイナスの財産額だけでなく、相次相続控除が使えなくなるという税務上のデメリットも踏まえて総合的に判断する必要があります。

注意点2:遺産分割協議が未了(未分割)の状態でも控除の適用自体は可能

相続人同士の話し合いが難航するなどして、相続税の申告期限(死後10か月)までに「遺産分割協議」がまとまらない(未分割状態となる)ケースは実務上少なくありません。「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」とは異なり、遺産分割協議が未了(未分割)の状態であっても、相次相続控除の適用自体を諦める必要はありません(未分割でも当初申告で適用可能な特例に該当します)。未分割申告となる場合、まずは一旦、各相続人が民法に定める「法定相続分」の割合に従って財産を取得したと仮定して相続税額を計算し、その法定相続分に基づく相次相続控除額を適用した上で期限内に申告・納付を行います。その後、正式に遺産分割協議が成立・確定した段階で、実際の財産取得割合が法定相続分と異なった場合には、税務署に対して「修正申告(税金が不足していた場合)」や「更正の請求(税金を納めすぎていた場合)」を行うことで、正しい控除額と税額に精算・調整することが実務上可能です。

注意点3:相次相続控除の適用によって相続税が0円になる場合は「申告不要」

相次相続控除の計算を事前に行った結果、算出された最終的な相続税の納付税額が完全に0円になる場合については、原則として税務署への相続税申告書の提出義務はありません(申告不要)。本来、相続税の申告手続きは、遺産総額が「基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)」を上回っており、かつ最終的な納付すべき税額が発生する場合にのみ法的に義務付けられています。そのため、「申告すること自体が適用要件」と定められている他の特例とは異なり、この相次相続控除の適用のみによって計算上の税額がゼロ円になるケースであれば、例外的に申告義務は発生しない扱いとなります。ただし、相次相続控除を適用しても控除しきれない税額が1円でも残る場合や、「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」など「申告特例」を併用して税額を0円にする場合には、必ず法定申告期限内での申告手続きが必要となるため混同しないよう注意が必要です。

相次相続控除に関するよくある質問(FAQ)

ここでは、数次相続や相次相続控除の適用に関して、実務上多く寄せられる疑問やよくある質問(FAQ)について回答します。制度の適用可否を判断する際の基準や、申告手続きに関する具体的な疑問点を解消し、ご自身のケースに照らし合わせたより深い理解を目指します。また、専門用語である「相次相続(そうじそうぞく)」の正しい読み方や意味合いについても、併せて確認しておきましょう。

Q. 前回の一次相続で「配偶者の税額軽減(配偶者控除)」を使い納税額が0円でした。二次相続で相次相続控除は使えますか?

A. 原則として適用要件を満たさず、使えません。解説した通り、相次相続控除の適用には「今回の被相続人が、前回の一次相続時に実際に相続税を納付している(納税実績がある)こと」が大前提の要件として定められています。「配偶者の税額軽減(法定相続分または1億6,000万円まで無税になる特例)」などを適用した結果、前回の一次相続での納税額が0円だった場合、控除すべき大元の税額(計算式におけるA)が存在しないことになり要件を満たさないため、相次相続控除を重ねて適用することはできません。

Q. 親子間ではなく、兄弟間で立て続けに相続が起きた場合も控除の対象になりますか?

A. 法定相続人などの適用要件を全て満たしていれば、対象になります。相次相続控除の対象となる続柄は法律上限定されておらず、一般的な親子間の相続(親から子)だけでなく、兄弟姉妹間での相続(兄から弟など)であっても適用が可能です。例えば、兄が亡くなって弟が財産を相続して相続税を納付し(一次相続)、その10年以内に弟が亡くなって、今度は「弟の子(兄から見た甥や姪)」が法定相続人として財産を相続する(二次相続)といったケースにおいて、解説した4つの適用要件を全て満たしていれば問題なく控除を受けられます。

Q. 相続税の申告時に相次相続控除を適用し忘れた場合、後からでも控除を適用してやり直せますか?

A. 法定の期限内であれば、適用できます(還付請求が可能です)。相続税の「法定申告期限(相続開始を知った日の翌日から10か月後)」から5年以内であれば、管轄の税務署長に対して「更正の請求」という手続きを行うことで、当初適用し忘れていた相次相続控除を遡って反映させ、納め過ぎた相続税の還付(払い戻し)を受けることが法律上認められています。更正の請求には厳密な期限があり、期限を過ぎると還付が受けられなくなるため、控除の適用漏れに気づいた際は、速やかに税務署の窓口や相続税に強い税理士へ相談して手続きを進めることを強くおすすめします。

まとめ

相次相続控除は、一次相続から10年以内という短期間に二次相続が連続して発生(数次相続など)した場合における、遺族の二重課税による重い税負担を軽減するための重要な特例制度です。適用を受けるには、「10年以内の発生」「一次相続での納税実績」「法定相続人であること」などの厳格な要件をすべて満たす必要があり、実際の控除額は前回の納税額や取得した純資産割合、そして経過年数(年10%逓減)に応じて複雑な計算式から導き出されます。適用して申告を行う際には、相続税申告書の「第7表」の作成と、客観的な証拠となる「前回の相続税申告書の控え」の添付が実務上不可欠となります。相続税の計算においては、本制度の他にも「配偶者の税額軽減」「未成年者控除」「障害者控除」「小規模宅地等の特例」など、税負担を大幅に引き下げる可能性のある様々な控除・特例制度が存在します。これらの制度は適用要件の判定や財産評価、税額計算が非常に複雑であり、誤った申告は税務調査やペナルティ(過少申告加算税など)のリスクを伴うため、不明な点や不安がある場合は、相続実務に精通した税理士などの専門家へ早めに相談・依頼するのが最も安全で確実な対応といえるでしょう。

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