自首したいと思ったら?自首する前に弁護士に相談するメリットとは

「警察がいつ来るのか恐れながら生活するのは耐えられない」

「罪を償いたい」

自首したいと思ったら、まず何をすればいいのでしょうか?

自首したいと思われている方は、自分の行った罪について誰にも話すことができず、精神的に大変な苦痛を感じていらっしゃると思います。事件の渦中にあるので、冷静かつ客観的な判断ができない状態にあるかもしれません。

この記事では、主に以下3点をお伝えします。

  • 自首の概要
  • 自首のメリット
  • 弁護士に自首同行を依頼するメリット

自首とは?意味・成立要件・出頭との違いを解説

早速、自首の全体像を見ていきましょう。

  1. 自首とは
  2. 自首の成立要件
  3. 自首と出頭の違い
  4. 自首の仕方

自首とは

自首というと、罪を犯した人が警察に自ら出頭することというイメージがあると思います。

しかし、法律上の自首はより狭い概念となります。

法律上の自首とは、犯罪が起こったことや犯人が誰かについて捜査機関が知る前に、犯人自らが捜査機関に『自分が犯人です』と申告することです(最判昭和24・5・14刑集3・6・721)。

つまり、犯人が誰かについて捜査機関がすでに分かっている段階で、その犯人が警察に出頭しても法律上の自首にはあたりません。

また、自首は、必ずしも犯人自らが行う必要はなく、他人を介して自身が行った犯罪を捜査機関に申告する方法でもよいとされています(最判昭和23・2・18刑集2・2・104)。

自首の成立要件

上記で軽くお伝えしたように、自主が成立するためには以下の要件を満たす必要があります。

  • 犯罪が捜査機関に発覚していないこと
  • 捜査機関に自分の罪を申告すること

もう少し詳しくみていきましょう。

犯罪が捜査機関に発覚していないこと

罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる

引用:刑法第42条

犯罪が捜査機関に発覚していない場合とは、以下のいずれかをいいます。

  1. 犯罪が起きたことを捜査機関が認知していない
  2. 犯罪が起きたことを捜査機関が認知しているが、犯人が誰かわからない

※ 犯罪が起きたことを捜査機関が認知しており、犯人が誰かわかっている場合には自首は成立しません。

「自首は早めに」と言われる理由は、捜査が進んでしまうと自首が成立しなくなる恐れがあるためです。

捜査機関に自分の罪を申告すること

自首をする際は、事件が起きた場所の管轄内の警察署にしましょう。

告訴又は告発は、書面又は口頭で検察官又は司法警察員にこれをしなければならない

参照:刑事訴訟法第241条、第245条

捜査機関とは具体的に検察官と司法警察員のことです。司法警察員とは、巡査部長以上の階級の人のことです。したがって、交番ではなく警察署に自首をするのが無難です。

自首と出頭の違い

出頭とは、捜査機関に自ら出向くことです。

自首と出頭の違いは次の通りです。

  タイミング 自白 法律上の罪の減軽
自首 犯罪発覚前 必要 あり
出頭 いつでも 不要 なし

捜査機関に出向くタイミングの違い

捜査機関が犯人を特定した後であれば、出頭扱いになります。

自白の必要性についての違い

出頭の場合は、犯行を自白する必要はありません。たとえば、重要参考人として捜査機関に赴くような場合も出頭扱いになります。

法律上の罪の減軽の有無の違い

出頭をした場合、法律に則って罪が減軽されることはありません。ただし、量刑判断をする上で加害者にとって有利な情状になりえるため、最終的に罪が減軽されるケースもあります。

自首の仕方

捜査機関に赴き、口頭または書面により犯罪の申告をすれば自首は成立します。

自首が成立する要件は、犯罪が発覚する前に捜査機関に出向くことです。書面で自首をすると、自首した日時の証拠を残せます。よって、書面での自首がおすすめです。

自首は必ず犯罪を行った本人がしますが、書面の作成は弁護士も可能です。書面への記載内容に加えて、捜査機関への説明方法も相談できます。自首をする前は一度弁護士ご相談ください。

自首をするメリット3つ

ここでは、以下の自首をするメリットについてご説明します。

  1. 自首で刑罰が軽くなることがある
  2. 捜査機関が家や職場に来るのを防げる場合がある
  3. 在宅事件扱いになる可能性がある

自首で刑罰が軽くなることがある

自首が成立する場合、裁判官が刑を減軽できる効果があります。

具体的な減軽の程度は次の通りです。裁判官の裁量によって、以下の範囲内で量刑判断がなされます。

刑罰 減軽の程度
死刑 無期懲役もしくは禁錮

 

または

10年以上の懲役もしくは禁錮

無期懲役

 

または

禁錮

7年以上の有期の懲役

 

または

禁錮

有期懲役

 

または

禁錮

その長期および短期の二分の一
罰金 その多額および寡額の二分の一
拘留 その長期の二分の一
科料 その多額の二分の一

参照:刑法第68条

捜査機関が家や職場に来るのを防げる場合がある

通常逮捕の場合、捜査機関が家や職場に訪れることがあります。逃亡や証拠隠滅を防ぐため、事前に連絡などはありません。自白をせずに、捜査機関が被疑者の身柄確保に訪れた場合は、逮捕されたことが家族や同僚にバレてしまうでしょう。

自首をすると、このようなリスクを回避しやすくなります。

在宅事件扱いになる可能性がある

在宅事件とは、被疑者(犯行の疑いがある人)の身柄を拘束せずに事件の捜査を進めることです。被疑者に逃亡や証拠隠滅の恐れがない場合、逮捕状は発行されないので逮捕はされません。

自首は罪を認めて捜査に協力的な姿勢を示す行為でもあります。逃亡や証拠隠滅の恐れがないことを主張することで、逮捕を回避しやすくなります。

ただし、かならず逮捕されないとは言い切れません。弁護士に自首を同行してもらうことで、逮捕の必要がないことをより効果的に主張しやすくなります。

自首をする際に弁護士に相談するメリット6つ

上記では、自首をするメリットをお伝えしました。ここでは、自首をする際に弁護士に依頼するメリットをご説明します。

  1. 相談内容が外部に漏れる心配がない
  2. 弁護士が警察への出頭に付き添える
  3. 警察への説明の仕方を相談できる
  4. 警察との面談中にいつでも弁護士に相談できる
  5. 逮捕を回避しやすい
  6. 事件の初期段階から弁護活動が可能|有利な結果を目指しやすい

相談内容が外部に漏れる心配がない

大前提として、弁護士への相談内容が外部に漏れることはありません。

弁護士には厳しい守秘義務が課されているので、話した内容が外部に漏れることは絶対にありません。

周囲に知られることなく、自首をするべきかどうか相談できます。安心してご相談ください。

弁護士が警察への出頭に付き添える

弁護士が、依頼者の代わりに警察への申告を行います。さらに、依頼者が警察へ出頭する際には弁護士が付き添います。

弁護士が付き添う場合は、弁護士が警察に必要な説明を行った上で、警察に依頼者の取り調べを行ってもらうよう手配します。

警察への説明の仕方を相談できる

自首をする際は、警察にどのように説明をするべきでしょうか?

自分に不利な事情を堂々と話すことははばかられるかもしれません。第三者である弁護士であれば、やむを得ず犯行に至った事情など、言うべきことを警察にしっかり説明できます。

警察との面談中にいつでも弁護士に相談できる

自首をする際、警察との面談に弁護士が同席するのは難しいかもしれません。

しかし、逮捕されているわけではないので、面談の最中に外で待機している弁護士に相談もできます。いつでも弁護士に相談できる状況であれば、1人で自首をするよりも安心感を得られるのではないでしょうか。

逮捕を回避しやすい

逃亡や証拠隠滅の恐れがないことを弁護士から警察に説明します。加えて、弁護士をつけてまで自首をする姿勢自体が、本気で反省している様子を伝えることにもなりえます。

事件の初期段階から弁護活動が可能|有利な結果を目指しやすい

当初から弁護士が関わることにより、その後の逮捕や裁判においても、依頼者に有利になるように最善を尽くせます。例えば、弁護士が被害者との示談を早期に行って、告訴を取り下げてもらうこともあり得ます。

まとめ

犯罪の事情によっては自首、及び自主的に出頭することにより、逮捕や起訴を免れる場合があります。

弊所の弁護士にご相談くだされば、お話をよくお聞きした上で、自首のメリットとデメリット、自首した後の逮捕や裁判の見通しなどをご説明し、どのようにすべきかをアドバイスさせて頂きます。

自首や出頭を考えている方は、まずは弁護士にご相談ください。

「法律上の自首」は犯罪事実の発覚前に行動することが必要です。スピードが重要な刑事事件は弁護士にお任せください。

「法律上の自首」は犯罪事実の発覚前に行動することが必要です。スピードが重要な刑事事件は弁護士にお任せください。