解決結果のサマリー
※プライバシー保護のため、事例の内容は特定できないよう一部変更し、金額は概数で記載しています。
※解決結果は個別の事案の内容に基づくものであり、同種の結果を保証するものではありません。
事例の概要
ご依頼者のAさんは、家族と同居する女性です。既婚男性Bさんとの関係について、Bさんの妻Cさんの代理人弁護士から慰謝料200万円を求める通知が届きました。回答期限は受領後1週間とされ、Aさんが相談に来られた時点で期限は過ぎていました。当事務所は即日受任して受任通知を送り、謝罪の意向とともに、相手方ご夫婦の別居・離婚の有無とBさん本人への請求の有無を照会。ところがその直後、相手方代理人から辞任の通知が届き、以後、数か月にわたって相手方からの連絡はありませんでした。その後、同じ事務所が再び受任し、改めて200万円の請求と、示談が成立しなければ裁判にする旨の通知が届きます。当事務所は同じ照会を再送し、別居も離婚もしておらず、Bさんへの請求もないとの回答を得たうえで、求償権を放棄する条件で50万円を提示。相手方はこれを了承し、50万円・一括で合意に至りました。担当は北條さやか弁護士です。
請求200万円に対し、合意額は50万円(75%減)。相手方代理人の辞任と再受任を挟んだため全体では数か月を要しましたが、再請求から締結までは数か月。手続はすべて代理人間の書面のやり取りで進み、Aさんの同居する家族に知られる場面はありませんでした。
ご相談時の課題
表面上の課題
- 相手方に弁護士が付き、200万円の請求書が届いていた
- 回答期限は1週間とされ、相談時点で既に過ぎていた
- 同居する家族に知られずに進めたかった
- 期限を過ぎたことで、相手方がどう出てくるか分からなかった
本当の課題は3つ
- 期限を過ぎた状態からの立て直し——期限を過ぎていても、請求が直ちに訴訟になるとは限りません。まず受任通知で窓口を代理人に移し、期限の圧力を無力化する必要がありました
- 相手方の動きが止まったときの対応——相手方代理人が辞任し、数か月連絡がない状態は、依頼者にとって不安な時間です。再び動き出したときに、同じ手順で応じられるよう備えておく必要がありました
- 家族に知られない進め方——書面の送付先や連絡方法を事務所に集約し、同居する家族の目に触れない形で進める実務上の配慮が必要でした
Aさんはご相談時に「誠に勝手で申し訳ないのですが、同居している家族に知られることなく減額交渉を進められれば幸いです」「書面が到着してから1週間以上経過してしまっております」と話されていました。
ご依頼中のやりとり——Aさんはどうサービスを使ったか
- 期限を過ぎてからWebフォームで相談し、当日に依頼
弁護士の対応
(1) 期限を過ぎた状態で即日受任し、照会する
当事務所は相談の当日に受任し、受任通知を送って、期限を過ぎた状態からの交渉の土俵を作りました。続けて、謝罪の意向を伝えるとともに、相手方ご夫婦が別居や離婚に至っているか、Bさん本人に慰謝料を請求し受け取っているかを照会しました。慰謝料の水準を左右する事実の確認から始める、当事務所の定型の手順です。
(2) 相手方代理人の辞任と、数か月の空白
照会の直後、相手方代理人から、依頼者の希望により委任契約を解除したとして辞任の通知が届きました。以後、相手方からの連絡は途絶え、数か月が経過します。この間、当事務所は相手方本人からの連絡に備えつつ、Aさんには状況を報告し、動きがあれば同じ手順で応じる方針を確認していました。
(3) 再請求に、同じ照会を再送する
その後、同じ事務所が再び受任し、改めて200万円の請求と、示談が成立しなければ裁判にする旨の通知が届きました。当事務所は、謝罪の意向とともに、辞任前と同じ2点の照会を再送。相手方からは、別居も離婚もしておらず、Bさんへの請求も財産等の授受もないとの回答がありました。
(4) 求償権放棄を条件に50万円を提示し、締結
回答を踏まえ、当事務所は、婚姻関係が継続している事案として、求償権を放棄したうえで50万円を支払う旨を提示しました。相手方は提示額で了承し、合意書案を送付。合意書には、謝罪、慰謝料50万円の一括払い、求償権の放棄、Bさんへの接触禁止と違反時の違約金、清算条項が置かれていました。当事務所は条項の意味をAさんに説明したうえで応諾し、締結。原本の送付先は事務所とし、Aさんは期限内に一括で振り込みました。
ご依頼中のやりとり——Aさんはどうサービスを使ったか
- 相手方代理人の辞任と空白期間について報告を受け、方針を確認
- 再請求後、照会の結果と提示方針について説明を受けて金額を確認
- 合意書の条項の説明を受けて締結し、期限までに一括で振り込み
解決結果
ご依頼前、Aさんは期限を過ぎた200万円の請求を前に、家族に知られずにどう対応すればよいか分からない状態でした。
解決時には、金額は200万円から50万円へ。求償権を放棄する条件と引き換えに、当方の提示額がそのまま合意額になりました。合意書には、謝罪、慰謝料の一括払い、Bさんに対する求償権の放棄、Bさんへの接触禁止と違反時の違約金、清算条項が置かれ、Aさんは期限内に振り込んで終結しています。相手方代理人の辞任から再受任までの数か月を含め、やり取りはすべて事務所宛の書面で行われ、Aさんの同居する家族に知られる場面はありませんでした。
担当弁護士からのコメント(北條さやか弁護士)
回答期限を過ぎてしまってからのご相談は少なくありません。期限を過ぎていても、請求が直ちに訴訟になるとは限らず、受任通知で交渉の土俵を作り直すことはできます。本件では、相手方代理人が一度辞任し、数か月後に再び請求してくるという経過がありましたが、当事務所は同じ照会を再送し、同じ手順で金額を組み立てました。家族に知られずに進めたいというご希望にも、書面の送付先や連絡方法を事務所に集約することで対応しています。
この事例に関するよくある質問
Q1. 慰謝料請求の回答期限を過ぎてしまいました。もう手遅れですか?
期限を過ぎていても、請求が直ちに訴訟になるとは限りません。受任通知を送ることで、交渉の土俵を作り直すことができます。本事例でも、期限を過ぎた状態で即日受任し、最終的に200万円の請求が50万円での合意となりました。
Q2. 相手の弁護士が辞任したと連絡がありました。請求はなくなったのですか?
代理人の辞任は、請求そのものがなくなったことを意味しません。相手方本人が直接連絡してくることも、別の代理人や同じ代理人が再び請求してくることもあります。本事例では数か月後に同じ事務所が再受任し、当事務所は同じ手順で応じました。
Q3. 同居している家族に知られずに解決できますか?
代理人が付けば、相手方からの連絡は原則として代理人宛になります。書面の送付先や連絡方法を事務所に集約することで、家族の目に触れない形で進める配慮ができます。本事例でも、その形で進めました。ただし、相手方の対応によって事情は異なりますので、確約はできません。
Q4. 求償権を放棄すると、金額は下がりますか?
求償権は、あなたが支払った後に不倫相手へ負担を求める権利です。放棄すれば相手方の配偶者に請求が及ばないため、相手方にとって利益があり、金額の引き下げと引き換えにできることがあります。本事例では、求償権放棄を条件とした50万円の提示を、相手方がそのまま了承しました。