▼基本情報(案件概要)
依頼者は、子どもを連れて別居中のご依頼者様(妻)です。双方は離婚に同意していたものの、夫は自身の財産を十分に開示せず、少額の財産分与しか提示していませんでした。本件は、離婚協議から始まり、調停、面会交流、さらには夫の不動産売却を防ぐための仮差押え手続きにまで発展した複雑な事案です。
▼抱えていた課題
大きく2つの課題がありました。1つ目は「面会交流の実施」です。ご依頼者様は夫の長年のモラハラで適応障害や不眠症を患い、夫の近くにいるだけで激しい動悸がする状態でした。2つ目は「財産分与の確保」です。調停中、夫が勝手に不動産を売却しようとしていることが発覚しました。現金化されると回収が困難になりますが、仮差押えに必要な高額の担保金をご依頼者様は用意できないという経済的ハードルがありました。
▼問い合わせ経緯
長年のモラハラにより精神的ダメージを受けたご依頼者様は、子どもを連れて別居を開始しました。離婚自体には合意していましたが、夫は高圧的な態度を崩さず、適正な財産分与にも応じようとしませんでした。ご依頼者様自身では夫と直接交渉できる精神状態ではなく、適正な条件での離婚の実現を求めて、当事務所に依頼されました。
▼ネクスパートだからできたこと・発揮された強み
第一に「段階的な面会交流」の実現です。事務所内で動線を工夫し夫婦が一切接触しない試行的面会から始め、次に第三者機関を利用した面会へと段階を踏むことで、ご依頼者様の不安を取り除きつつ安全な面会交流を構築しました。
第二に「民事保全ボンド」を活用した迅速な仮差押えです。夫の不動産売却の動きを察知後、緊急で申立資料を作成しました。担保金を用意できないご依頼者様のため、担当弁護士が急遽民事保全ボンドの申請手続きを進め、売買登記の直前に仮差押えを成功させました。さらに、一旦仮差押えをすると不動産の売却が困難になり事件が長期化するのが通常ですが、本件では、仮差押え後に夫と交渉を重ねて、仮差押えを取下げても確実に債権回収ができるように工夫した緻密な合意書を締結した上で、仮差押えを取下げて不動産を任意売却することにより、早期解決と財産分与の確保を実現しました。
▼得られた結果
困難と思われた面会交流は順調に継続し、離婚後には宿泊面会が行われるまでに父子関係が良好に保たれました。
財産分与についても、仮差押えの成功と緻密な和解交渉により、不動産の売却代金から財産分与分を当事務所の預かり口座へ確実に振り込ませることに成功しました。その後、夫側も無理な主張を取り下げるようになり、無事に離婚調停が成立。ご依頼者様の権利を最大限に守る形で解決に至りました。
▼ネクスパート担当者からのコメント
本件は、夫婦の接触が困難な状況下で工夫を凝らして面会交流を実現したこと、そして民事保全ボンドを利用して資金力のないご依頼者様の財産分与請求権を確保した点で、非常に意義の大きい事案でした。また、債権回収を確実にするための和解案の工夫も功を奏しました。