投稿一覧
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取締役の監視義務違反と第三者の被った損害との間に因果関係がないとされたケース
【事実関係】 A株式会社は、昭和45年4月20に土木建築業を目的として設立され、Bはその設立以来の代表取締役でした。 Yは、A社の設立にあたり、Bの懇請を受けて、A社の代表取締役に就任することを承諾し、取締役および代表取締役就任の登記がなされました。... -
不渡りとなった手形の振り出しを放置した代表取締役および平取締役の任務懈怠が認められたケース
【事実関係】 A株式会社は昭和29年3月に設立され、オルゴール取付製品・宝石箱・化粧品等の製造販売を営んでいました。 ところが、昭和42年頃から運転資金の不足を生じ、昭和43年にはすでに不足額を融通手形の割引きや借入金によって填補していました。 昭... -
会社に融資しその取締役となった金融業者に対し、当該会社の代表取締役に対する監視義務違反が認められたケース
【事実関係】 A株式会社は設立当初より資金に乏しく、代表取締役であるY1、常務取締役であるY2は、会社の信用を得ることおよび資金の援助を受けることを主たる目的として、もともと取締役であったY6およびY7に加えて、金融業者のY3、Y4、Y5らを取締役とし... -
会社の経営を専務取締役に任せきりにしていた代表取締役の任務懈怠が認められたケース
【事実関係】 昭和46年11月26日、Y1株式会社は、専務取締役Aを通じて、Xに対し額面100万円の約束手形を振り出しました。Y1社は、昭和41年5月に各種電気製品の販売・修理等を目的として資本金30万円で設立されました。 Y1社には、会社財産としてはみるべき... -
実質的経営者である取締役による会社に損害を与える行為を防止すべき監視義務を怠ったとして、取締役・監査役に商法旧266条の責任が認められたケース
【事実関係】 A社は、昭和42年4月14日に破産宣告を受けました。 Y1は、昭和40年2月4日から昭和41年12月4日までは同社の取締役、同月5から昭和42年4月14日まで監査役の地位にあり、その間同社の営業経理関係一切を委任され、その業務に従事していました。と... -
他の代表取締役に会社業務の一切を任せていた代表取締役について、商法旧266条ノ3の責任が認められたケース
【事実関係】 YはAから、雑貨類販売の会社設立を持ちかけられました。 Yは、雑貨類販売に関する経験がなかったため、Aが共に代表取締役になること、Aが業務一切を執行しYは事業上の責任を一切負わないことをAに求め、Aの了解の下、代表取締役となることを... -
代表取締役の業務に対する平取締役の監視義務違反が認められたケース
【事実関係】 A社は、BとY1、Y2らが発起人となって、昭和41年7月6日に電気製品販売・修理業を営むため設立された会社であり、設立後は、Bが代表取締役、Y1、Y2 が取締役に就任しました。 ところがA社では、当初から創立総会も株主総会も、正式な取締役会も... -
一人会社の名目的取締役に対し、商法旧266条1項5号に基づいてなされた損害賠償請求が、信義則に反し許されないとされたケース
【事実関係】 A社は、実質上代表取締役Bの一人会社と見られる実態がありました。A社は、経営に窮し、仕入商品の投売換金をした上で、昭和31年2月9日に倒産しました。 A社の破産管財人Xは、Bの投売換金という違法不当な業務執行行為を抑止する措置をなんら... -
選任決議を欠く取締役の監視義務違反行為について、商法旧266条ノ3等により損害賠償責任が認められたケース
【事実関係】 Xは、A社に対して約137万円の債権を有していましたが、A社が倒産していたためその回収ができなくなり同額の損害を被りました。 A社の代表取締役としてYが登記されていましたが、YはA社設立の際に、Bから名目上の代表取締役就任を依頼されて承... -
有限会社法30条ノ3第1項(取締役の対第三者責任)に関し、他の取締役に業務を任せていた有限会社の代表取締役の職務懈怠と、第三者の被った損害との間に相当因果関係がないとされたケース
【事実関係】 Aは自ら溶接材料販売業の経営を行ってきましたが、会社組織として経営することを考えるようになりました。 そこでAは、有限会社Bを設立しましたが、対外的信用を得るために、当時別会社の代表取締役を務めていたYの承諾を得てYを名目だけの代... -
代表取締役の意思に反して行われた業務担当取締役の取引によって第三者に損害を与えた事案において、代表取締役について商法旧266条ノ3の責任が否定されたケース
【事実関係】 A社は宝石類の輸出入・販売等を目的とする株式会社であり、Yはその代表取締役でした。 Yは業務担当取締役(専務)であるBから、Xよりダイヤモンド原石を購入する提案を受けましたが、Yが強硬に反対し、重役会議ではBの提案は通りませんでした。... -
名目上の代表取締役につき、監視義務違反が認められたケース
【事実関係】 A社は、Bがその実権を有し業務一切を担当し経営に当たっていた株式会社です。かねてよりYの父であるCがA社の信用のために名目上の代表取締役に就任していました。 しかし高齢を理由に辞職を申し出たため、B・Cから懇請され、Yはやむなく名義...