更新日:2026年6月8日 (月)

公開日:2024年3月5日 (火)

特商法上の特定継続的役務提供契約とサブスクリプション

特商法上の特定継続的役務提供契約とサブスクリプション 特商法上の特定継続的役務提供契約とサブスクリプション

サマリー

特定商取引法の規制する取引類型の中に、特定継続的役務提供契約があります。

長特定継続的役務提供契約は、事業者が消費者に対して長期間、継続的にサービスを提供することを特徴としますが、所謂サブスクのような月ごとの短期契約の更新といえる形でのサービスの提供は特定継続的役務提供に該当するのでしょうか?

本稿では、特商法の概説とともにサブスクと特定継続的役務提供の関係を解説していきます。

特定継続的役務提供契約とは?

特定商取引法(以下「特商法」といいます。)は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。特に消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、消費者保護のための特別な事業者が守るべきルールを定めています。

事業者としては、これらのルールを守ったうえで事業を展開していかなければなりません。

特商法が規制する取引類型の中に、特定継続的役務提供契約(以下、特継契約といいます。)があります。

特継契約は、長期・継続的なサービスを提供する代わりに、比較的高額な対価を支払うことを約する取引のことで、具体的な類型として以下の7つの役務が対象として挙げられています。

  1. エステティック
  2. 美容医療
  3. 語学教室
  4. 家庭教師
  5. 学習塾
  6. 結婚相手紹介サービス
  7. パソコン教室

役務ごとに期間と金額の要件がありますが、これは消費者庁の定める特定商取引法ガイドにまとまっています。

参照:特定継続的役務提供|特定商取引法ガイド (caa.go.jp)

特継契約に関する規制内容としては、書面の交付義務中途解約、クーリング・オフといった事項を定める必要があるなど、行政・民事の両側面から規制があります。行政規制に反した場合には、業務改善の指示(法第46条第1項)や業務停止命令(法第47条第1項前段)、役員等の業務禁止命令(法第47条の2第1項)等の行政処分の対象となるほか、一部は罰則の対象にもなります。

サブスクリプションとの関係

上記①~⑦の類型の取引の中には、例えば契約当初に学習教材を販売したうえで、継続的に学習指導を行うことを内容とする契約なども多いと考えられます。

では、当該学習指導が所謂サブスクリプション(以下、サブスクといいます。)のように、月ごと短期契約を更新する形態である場合には、特継契約に該当するのでしょうか?

この点、特商法が特継契約に制限を加えているのは、長期間にわたって消費者を拘束する規制することを目的とするものですから、月額制のサブスクのように、1か月ごとに短期契約を更新する(=1か月ごとに解約するか継続するかが消費者の判断に委ねられている)形態であれば、基本的に特定継続的役務提供に該当しないと考えられます。

注意点

上記のとおり、月額制のサブスクでサービスを提供する場合には、基本的に特継契約には該当しないと言えるでしょう。

もっとも、注意すべき点もあります。

まず、特継契約に該当するか否かは、当該契約の全体を見て判断するものとされています。
すなわち、いくら形式上月額制のサブスクのような形態をとっていたとしても、消費者が任意の解約を行えないような場合や、サービスの提供が長期間継続することが前提となっており、消費者が途中解約を行うことが想定されていないような場合には、実質的に特継契約に該当すると判断される可能性もあるでしょう。

したがって、特継契約に該当するか否かは個別具体的に契約内容を検討して判断しなければなりません。

次に、特継契約に該当しないとしても、例えば通信販売等の特商法上の他の契約類型に該当する可能性もあります。
特継契約に該当しないとすれば、特継契約の規制に服する必要はありませんが、通信販売等の他の契約類型に該当するのであれば、別途通信販売等の規制を遵守しなければなりません。

特商法は、類型ごとに規制内容も大きく異なるため、その辺りも注意が必要な事項と言えます。

おわりに

本稿では、特商法上の特継契約とサブスクリプションの関係について解説してきました。

継続的にサービスの提供を受けることにより、消費者は当該サービスによる身体の美化や学力の向上等の利益を受けやすくなる反面、継続性により利用金額が相対的に高くなり、消費者トラブルに発展するケースも多くなります。

事業者としては、特商法の規制を遵守しつつ、消費者に対してより良いサービスを提供できるよう努める必要があります。

ネクスパート法律事務所では、特商法を専門に取り扱うチームがあり、特商法に違反しないための事業スキームの構築等のサポートを行っており、初回無料でご相談内容をお伺いしております。

特商法に関してご懸念点等が生じた場合には、是非ネクスパート法律事務所にご相談下さい。

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