更新日:2024年2月6日 (火)

公開日:2024年2月6日 (火)

特定商取引法上の特定継続的役務提供契約の値段設定について

特定商取引法上の特定継続的役務提供契約の値段設定について 特定商取引法上の特定継続的役務提供契約の値段設定について

サマリー

特定商取引法(以下「特商法」と言います。)が規制する取引形態の中に、特定継続的役務提供があります。
特定継続的役務提供に該当するか否かは、提供する役務の種類ごとに、提供期間と提供金額によって判断されます。

例えば、いわゆる美容医療分野においては、①期間が1か月を超えるもので、かつ、②金額が5万円を超えるもの、が特商法上の特定継続的役務提供行為に該当し、特商法の適用を受けることになります。

では、特に金額要件に関して、税抜き価格で考えるべきか、また、割引がある場合にはどのように考えるべきか判断が難しいところでしょう。

そこで、本稿では、特商法における特定継続的役務提供の金額要件の考え方について、具体的事例をあげて解説していきたいと思います。

特定継続的役務提供とは

特定継続的役務提供とは、大まかに言うと事業者側が継続的な役務を提供し、消費者がこれに対する(高額の)対価を支払うことを内容とする取引のことを言います。

現在、特商法では、次の7つの役務を提供する場合を特定継続的役務提供契約として分類し、規制しています。
即ち、以下の7種類です。

  1. エステティック
  2. 美容医療
  3. 語学教室
  4. 家庭教師
  5. 学習塾
  6. 結婚相手紹介サービス
  7. パソコン教室

そして、提供される役務ごとに、提供期間と金額が定められています。具体的には次の表のとおりです。

提供される役務 提供期間 金額
エステティック 1か月を超えるもの いずれも5万円を超えるもの
美容医療 1か月を超えるもの
語学教室 2か月を超えるもの
家庭教師 2か月を超えるもの
学習塾 2か月を超えるもの
結婚相手紹介サービス 2か月を超えるもの
パソコン教室 2か月を超えるもの

金額要件とは

特商法は、継続的に役務が提供される契約で、特に対価が高額にわたるものについて、規制されます。
本来、契約内容は当事者が自由に決定することができるのが日本の法律の原則ですが、高額の商品については消費者保護の観点から規制が加えられるというわけです。

そこで、特商法上の特定継続的役務提供に該当するかどうか判断するために、金額要件が定められています。

上記の表のとおり、金額はいずれの役務の態様によっても5万円以上とされています。

金額要件の考え方

金額要件は一律5万円であることは上記のとおりですが、この「5万円」はどのように考えるべきでしょうか?税込、税抜きどちらで考えるべきでしょうか?また、割引がある場合にはどのように考えるべきでしょうか?

この点、特商法は、上記のとおり消費者保護を目的としているわけですから、消費者が実質的に負担する金額はいくらかという視点で考えます。

税込・税抜きの別で言えば、税込価格で考え、また、割引等がある場合には割引後の価格で考えます。

具体的には、税込みで5万円の金額であれば、消費者が負担する金額は5万円ちょうどということになり、「5万円を超える」という要件は満たさないことになりますので、特商法の適用はありません。
他方、税抜きで4万8000円の金額であれば、消費者が実質的に負担する金額は税込みで5万2800円となり、「5万円を超える」という要件を満たし、特商法が適用されます。

また、割引等がある場合には、割引後の金額が「5万円を超える」かどうかで判断します。

その他の注意点

上記では、特定継続的役務提供の金額要件について、これは実質的に消費者が負担する金額をいうと解説しました。

一つ注意が必要な事項としては、ここでいう金額とは、当該契約金の総額を意味します。
例えば、学習塾を例にすると、入学金・受講料等のサービス提供にかかる金額に加え、教材の販売が行われる場合には、教材費等の関連商品の販売価格を含めた金額で検討する必要があります。

終わりに

特商法上の特定継続的役務提供の金額要件の大枠について解説してきました。

もっとも、契約内容として単純な役務の提供に加えて、その他の名目の費用が掛かる場合、関連商品の販売がある場合もあり、どのような費用を当該契約の金額に含めて考えるべきかは、個別具体的は判断が必要になると思います。

弊所では、専門のチームが特定商取引法上の様々な問題に対処しております。特定商取引法について、疑問や気になったことがあれば、初回相談無料にて承りますので、ぜひ弊所までご連絡ください。

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