更新日:2024年7月23日 (火)

公開日:2024年7月23日 (火)

相続放棄の必要書類一覧|続柄別・ケース別にご案内

相続放棄の必要書類一覧|続柄別・ケース別にご案内 相続放棄の必要書類一覧|続柄別・ケース別にご案内

サマリー

相続放棄をする場合は、相続人が自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません。

スムーズに手続きを進めるためには、相続放棄の必要書類を確実に揃える必要があります。

この記事では、被相続人との続柄別・ケース別に相続放棄に必要な書類を解説します。

相続放棄をご検討中の方は、ぜひご参考になさってください。

相続放棄の必要書類|すべてのケースに必要な共通書類

相続放棄に必要な書類は、被相続人と相続放棄をする人の続柄やケースによって異なります。相続放棄の必要書類のうち、すべての続柄・ケースに必要な共通書類を解説します。

相続放棄を申立てるすべての方に共通して必要な書類は、次の3つです。

  • 相続放棄申述書
  • 被相続人の住民票除票または戸籍附票
  • 申述人(相続放棄する人)の戸籍謄本

ひとつずつ説明します。

相続放棄申述書

裁判所所定の相続放棄申述書に、必要事項を記入して裁判所に提出します。

相続放棄申述書の主な記載事項は、以下のとおりです。

  • 申述人の本籍・住所・氏名・生年月日・被相続人との続柄
  • 被相続人の本籍・最後の住所・氏名・死亡日
  • 相続放棄の理由

未成年者が相続放棄を申述する場合や、未成年者と親権者が同時に相続放棄を申述する場合には、通常、親権者が法定代理人として手続きをします。

ただし、次の場合は家庭裁判所に特別代理人を選任してもらう必要があります。

  • 未成年者と親権者が共同相続人で、未成年者のみが相続放棄の申述をする場合
  • 複数の未成年者の親権者が、一部の未成年者を代理して相続放棄の申述をするとき

両親が死亡しているなど当該未成年者に親権者がいない場合は、未成年後見人が法定代理人となって相続放棄の申述をします。

被相続人の住民票除票または戸籍附票

被相続人の住民票除票または戸籍の附票を裁判所に提出します。

相続放棄は、被相続人の最後の住所地(相続開始地)を管轄する裁判所に申立てなければならないため、被相続人の住民票除票または戸籍の附票が必要になります。

申述人(相続放棄する人)の戸籍謄本

申述人(相続放棄する人)の戸籍謄本を裁判所に提出します。

被相続人の配偶者が相続放棄する場合に必要な書類

ここでは、被相続人の配偶者(夫または妻)が相続放棄する場合に必要な書類について解説します。

被相続人の配偶者が相続放棄する場合は、被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本が必要です。

申述人(配偶者)と被相続人は同一戸籍であるため、申述人の戸籍謄本等(共通書類)で被相続人の死亡の事実が確認できれば、追加で提出する必要はありません。

被相続人の子またはその代襲者(孫・ひ孫)が相続放棄する場合に必要な書類

ここでは、被相続人の子またはその代襲者(孫・ひ孫)が相続放棄する場合に必要な書類を解説します。

被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本等

被相続人の子またはその代襲者(孫・ひ孫)が相続放棄する場合は、被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本が必要です。

申述人の戸籍謄本等(共通書類)で被相続人の死亡の事実と被相続人の子であることが確認できれば、追加で提出する必要はありません。

代襲相続の場合は、被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍謄本等

被相続人より先に被相続人の子が亡くなっている場合は、その子ども(被相続人の孫)が相続権を引き継ぎます。これを代襲相続といいます。

被相続人より先に被相続人の子・孫が亡くなっている場合は、その子ども(被相続人のひ孫)が相続権を引き継ぎます。これを再代襲相続といいます。

代襲相続により相続権を引き継いだ人(被相続人の孫)を代襲相続人、再代襲相続により相続権を引き継いだ人(被相続人のひ孫)を再代襲相続人と呼びます。

代襲相続人が相続放棄を申述する場合は、被代襲者(被相続人の子)の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本が必要です。

再代襲相続人が相続放棄を申述する場合は、次の2つの戸籍謄本等が必要です。

  • 被代襲者(被相続人の子)の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • 代襲相続人(被相続人の孫)の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

被相続人の父母・祖父母が相続放棄する場合に必要な書類

被相続人の直系尊属(父母・祖父母)が相続人になるのは、次のいずれかに該当する場合です。

  • 被相続人の子またはその代襲者(孫・ひ孫)が1人もいない
  • 被相続人の子またはその代襲者(孫・ひ孫)全員が被相続人より先に亡くなっている
  • 被相続人の子またはその代襲者(孫・ひ孫)が全員相続放棄した

ここでは、被相続人の父母・祖父母が相続放棄する場合に必要な書類を解説します。

被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等

被相続人の父母または祖父母が相続放棄する場合は、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍、改製原戸籍)謄本が必要です。

なお、同じ被相続人の相続放棄に関して、別の相続人(先順位相続人等)が既に裁判所に提出している戸籍謄本類は、提出不要です。

被相続人の子が死亡している場合は、その子の出生から死亡までの戸籍謄本等

被相続人より先に被相続人の子が死亡している場合は、その子の出生から死亡までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本が必要です。

被相続人より先に被相続人の子の代襲者(被相続人の孫・ひ孫)も全員死亡している場合は、代襲者の出生から死亡までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本が必要です。

なお、同じ被相続人の相続放棄に関して、別の相続人(先順位相続人等)が既に裁判所に提出している戸籍謄本類は、提出不要です。

被相続人の直系尊属が死亡している場合は、その直系尊属の死亡の記載のある戸籍謄本

被相続人の祖父母が相続人となるのは、被相続人の父母が既に亡くなっている場合です。そのため、被相続人の祖父母が相続放棄する場合は、被相続人の父母の死亡の記載のある戸籍謄本を提出する必要があります。

なお、同じ被相続人の相続放棄に関して、別の相続人(先順位相続人等)が既に裁判所に提出している戸籍謄本類は、提出不要です。

被相続人の兄弟姉妹またはその代襲者(甥・姪)が相続放棄する場合に必要な書類

被相続人に子ども(及びその代襲者)も直系尊属もいない場合(または全員が相続放棄したとき)、被相続人の兄弟姉妹が相続人になります。

ここでは、被相続人の兄弟姉妹またはその代襲者(甥・姪)が相続放棄する場合に必要な書類を解説します。

被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等

被相続人の兄弟姉妹やその代襲者(甥・姪)が相続放棄する場合は、被相続人の出生から死亡までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本が必要です。

なお、同じ被相続人の相続放棄に関して、別の相続人(先順位相続人等)が既に裁判所に提出している戸籍謄本類は、提出不要です。

被相続人の子が死亡している場合は、その子の出生から死亡までの戸籍謄本等

被相続人より先に被相続人の子が死亡している場合は、その子の出生から死亡までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本が必要です。

被相続人より先に被相続人の子の代襲者(被相続人の孫・ひ孫)も全員死亡している場合は、代襲者の出生から死亡までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本が必要です。

なお、同じ被相続人の相続放棄に関して、別の相続人(先順位相続人等)が既に裁判所に提出している戸籍謄本類は、提出不要です。

被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍謄本等

被相続人の兄弟姉妹やその代襲者(甥・姪)が相続放棄する場合は、被相続人の父母・祖父母の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本が必要です。

なお、同じ被相続人の相続放棄に関して、別の相続人(先順位相続人等)が既に裁判所に提出している戸籍謄本類は、提出不要です。

代襲相続人(甥・姪)の場合は、被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍謄本

被相続人の直系卑属、直系尊属がおらず(または全員が相続放棄している)、被相続人より先に被相続人の兄弟姉妹が死亡している場合は、その死亡した兄弟姉妹の子(被相続人の甥・姪)が相続人になります。

被相続人の甥・姪が相続放棄する場合は、その親である被相続人の兄弟姉妹の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本が必要です。

なお、同じ被相続人の相続放棄に関して、別の相続人(先順位相続人等)が既に裁判所に提出している戸籍謄本類は、提出不要です。

被相続人の死亡後3か月を経過した後に申述する場合に必要な書類

ここでは、被相続人の死亡後3か月を経過した後に相続放棄の申述をする場合に必要な書類を解説します。

被相続人の死亡の日から3か月を経過したあとに、相続放棄申述書を提出する場合には、相続放棄の熟慮期間の起算点を明らかにするため、次の書類を提出します。

  • 被相続人の死亡の通知を受けた日を証する資料
  • 先順位の相続放棄を知った日を証する資料

このほか、裁判所が審理のために必要であると判断した場合は、追加書類の提出を求められることがあります。

相続放棄の必要書類を入手する方法

ここでは、相続放棄に必要な書類の入手方法について解説します。

相続放棄申述書は裁判所窓口またはホームページから取得する

相続放棄申述書は、家庭裁判所の窓口で入手するか、裁判所のホームページからダウンロードします。

申述書の書式は、成人した方のものと未成年者の方のもので異なるため、申述人の年齢に応じて、必要な書式を取得しましょう。

参考:相続放棄申述書(成人用) | 裁判所

参考:相続放棄申述書(未成年者用) | 裁判所

戸籍謄本は本籍地のある役所から取り寄せる

申述人や被相続人、被相続人より先に亡くなられた方の戸籍(除籍、原戸籍)謄本は、それぞれ方の本籍地のある役所で取り寄せます。

被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等について、同一の役所でまとめて取得できる見込みがある場合には、戸籍謄本等交付請求書に「(対象者)の出生から現在(死亡)までが分かる御庁所有の全ての戸籍謄本類を各1通交付してください。」と記載すれば、同役所に存在する謄本類をまとめて取得できる場合があります。

被相続人の住民票(除票)は被相続人の最後の住所地の役所から取り寄せる

被相続人の住民票(除票)は、被相続人の最後の住所地の役所で取得します。

被相続人の最後の住所地が分からない場合は、本籍地のある役所で戸籍の附票を取得し、それを裁判所に提出することも可能です。

相続放棄の必要書類とともに裁判所に提出するものは?

ここでは、相続放棄の申述に際して、必要書類とともに裁判所に提出するものを解説します。

収入印紙

相続放棄の申述に際して、申述人1人につき収入印紙800円分を裁判所に納める必要があります。

申述が受理された後、証明書の交付を求める場合は、別途1件につき150円分の収入印紙が必要です。

連絡用郵便切手

相続放棄の申述に際して、裁判所からの連絡用の郵便切手(数百円程度)を収める必要があります。

郵便切手の内訳や金額は裁判所によって異なります。

相続放棄の必要書類を裁判所に提出した後の流れは?

ここでは、相続放棄の必要書類を裁判所に提出した後の流れを解説します。

家庭裁判所に相続放棄の申述に必要な書類を提出した後の流れは、以下のとおりです。

①裁判所から照会書が届く
②裁判所に照会書を返送する
③裁判所から相続放棄申述受理通知書が届く
④裁判所に相続放棄申述受理証明書の交付を申請する
➄次順位の相続人や債権者等に知らせる

裁判所から照会書が届く

相続放棄申述書の提出後、約1週間後に裁判所から申述人(または代理人)宛てに照会書が届きます。

申述書の内容等に不明点がある場合は、裁判所から別途問い合わせや資料の追加提出を求められることもあります。

裁判所に照会書を返送する

申述人(または代理人)は、照会書に回答を記入して、家庭裁判所に返送します。

裁判所から相続放棄申述受理通知書が届く

照会書の返送後、裁判所が相続放棄の申述を受理するかどうか判断します。申述が適法で申述人の真意に基づくものであれば、申述が受理されます。

申述が受理されると、家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が送付されます。

申述が却下された場合、申述人は即時抗告を申立てられます。

裁判所に相続放棄申述受理証明書の交付を申請する

相続債権者がいる場合は、相続放棄申述受理通知書ではなく、相続放棄申述受理証明書の提示を求められることがあります。

相続放棄申述受理証明書が必要な場合は、申述を受理した裁判所に対し、証明書交付申請を行います。

次順位の相続人や債権者等に知らせる

相続放棄が受理されても、裁判所から次の順位の相続人や相続債権者に対し、先順位相続人が相続放棄したことは通知されません。

次順位の相続人が被相続人と疎遠で、被相続人が死亡したことや先順位の相続人から相続放棄したことを知らせてもらえなかった場合は、相続債権者等からの借金の督促等で初めて自身が相続人になったことを知ることになります。

このような場合は、親族関係に悪影響を及ぼす可能性もあるので、相続放棄の申述が受理されたら、次順位の相続人に知らせることをおすすめします。

相続債権者等がいる場合は、相続放棄申述受理通知書または相続放棄申述受理証明書の写しを提出して、相続放棄した事実を証明します。

まとめ

相続放棄に必要な書類は、被相続人と申述人の続柄やケースによって異なります。

戸籍謄本等の収集には、戸籍を読み取る知識が不可欠です。書類の収集や申述書の作成が少しでも難しいと思った場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

次順位の相続人もまとめて手続きしたい場合なども、弁護士に依頼すればスムーズにて手続きを進められます。

コラム監修者

Shunsuke Teragaki

Shunsuke Teragaki

所属:東京オフィス

広島県広島市出身。修道高校、慶應義塾大学商学部、青山学院大学法科大学院を卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、個人・法人問わず幅広い分野の相談・交渉に取り組む。ネクスパート法律事務所の代表弁護士として、依頼者に最適な見通しと戦略的な解決策を示すことを信条とし、丁寧かつ粘り強い対応で信頼を築いている。

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