サマリー
配偶者の熟年不倫が発覚し、ショックや戸惑いを感じている方もいらっしゃるでしょう。
長年築いてきた信頼関係が崩れ、どのように対応すべきか、今後の夫婦関係をどうしたらよいか悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、熟年不倫が起こる理由や深刻になりやすいワケについて、ご紹介しています。
さらに、夫婦関係の継続を選択する場合と離婚を決断する場合のそれぞれに分けて、取り得る法的措置や損をしないために知っておくべきポイントも解説しています。
ぜひ参考にしてください。
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熟年不倫の実態|40代・50代・60代の不倫は多い?


画像引用元:【最新】既婚者の浮気率について男女計2000名に不倫の経験の有無をアンケート調査|既婚マッチ
上のグラフは、既婚者限定のマッチングアプリ[既婚マッチ]を運営するアシスト株式会社が、既婚者の浮気率について、結婚している男性1,000名、女性1,000名を対象に実施したアンケートの結果です。
40代・50代・60代男性の半数以上が、40代・50代・60代女性の3割ほどが、パートナー以外の異性と関係を持ったことが「ある」と回答していることがわかります。
(なお、同調査における浮気の定義には【1回限りの異性との性交渉】も含まれます。)
熟年不倫が起こる4つの理由
長年連れ添ったにもかかわらず、なぜ熟年不倫に走るのでしょう?
熟年不倫が起こる理由として、次の4つが考えられます。
- 夫婦関係のマンネリ化・希薄化
- お金と時間の余裕
- 新たな刺激の欲求
- SNSの普及
以下、詳しく説明します。
夫婦関係のマンネリ化・希薄化
夫婦関係のマンネリ化・希薄化です。
長い結婚生活の中で、お互いの性格や習慣に慣れ親しみ、安心感が増す一方で、新鮮さを失い、新たな異性に惹かれることもあるでしょう。
子育てや仕事、家事などの忙しさから、夫婦間のコミュニケーションが不足し、寂しさや不満を感じることが、熟年不倫のきっかけになるかもしれません。
お金と時間の余裕
お金と時間の余裕です。
定年退職や子どもの独立により、お金と時間に余裕が生まれます。
これにより、習い事や旅行など新たな趣味を始める人も多く、そうした新たな場所での出会いが熟年不倫のきっかけになるかもしれません。
新たな刺激の欲求
新たな刺激の欲求です。
長年、安定した日々を過ごす中でも、どこかで新たな刺激を求める気持ちもあるでしょう。
特に、人生の後半に差し掛かると、もう一度、若々しい気持ちや冒険心を味わいたいと考えるかもしれません。
新しい異性との出会いを通して、そうした新たな刺激を感じたい気持ちが熟年不倫のきっかけになるかもしれません。
SNSの普及
SNSの普及です。
マッチングアプリや出会い系サイトの普及により、誰でも気軽に異性と出会える機会が増えたことが、その背景にあるでしょう。
熟年不倫に潜む4つの落とし穴|熟年不倫が深刻になりやすいワケ
熟年不倫が深刻になりやすいワケとして、熟年不倫特有の4つの問題点が挙げられます。
- 築き上げた信頼が崩れ落ち心に深い傷が残る
- 見て見ぬふりが関係を長引かせる要因になることがある
- 若い頃の火遊びとは異なり本気の関係に発展することもある
- 離婚を決断しようにも財産分与や年金分割など経済的不安が残る
以下、詳しく説明します。
築き上げた信頼が崩れ落ち心に深い傷が残る
築き上げた信頼が崩れ落ち心に深い傷が残る点です。
結婚生活が長ければ長いほど、築かれた信頼関係や夫婦の絆は深く、それらが壊れたことによる精神的ダメージも大きい特徴があります。
ショックや許せない気持ちの強さから、離婚問題や慰謝料問題が泥沼化する場合もあるでしょう。
見て見ぬふりが関係を長引かせる要因になることがある
見て見ぬふりが関係を長引かせる要因になることがある点です。
「今さら離婚になったらどうしよう。」などと、将来の不安から見て見ぬふりをする人もいるでしょう。
熟年層の人の中には、世間体が気になる方も多いかもしれません。
現状の生活を優先したい気持ちから、夫婦間の話し合いを先送りにすることで、不倫関係が長期化する傾向にあるでしょう。
若い頃の火遊びとは異なり本気の関係に発展することもある
若い頃の火遊びとは異なり本気の関係に発展することもある点です。
熟年不倫は、若い頃の軽い気持ちや一時的な関係とは異なり、気持ちの本気度が高い傾向にあります。
単なる性的欲求以外にも、「もう一度人生を充実させたい。」「新たな気持ちを味わいたい。」などの感情的な欲求が強いからでしょう。
子どもも成人したなどの理由から、不倫相手と新たな人生をスタートさせたいと考える人も多く、離婚を要求される可能性が高いのも特徴のひとつです。
離婚を決断しようにも財産分与や年金分割など経済的不安が残る
離婚を決断しようにも財産分与や年金分割など経済的不安が残る点です。
離婚をする場合には、老後の生活設計の見直しが必要になり、経済的な不安が増す人も多いでしょう。
長年築いた財産が多ければ多いほど、財産分与の手続きも複雑になります。
経済面での悩みが深刻化するのも、熟年不倫の特徴でしょう。
熟年不倫が発覚しても夫婦関係を続けたいあなたへ
熟年不倫が発覚しても、離婚はせずに夫婦関係を続けたいと考える方に知って欲しいことは、次の2つです。
- 配偶者から離婚を求められても応じる必要はない
- 不倫相手への慰謝料請求によって関係を断ち切る方法もある
以下、詳しく説明します。
配偶者から離婚を求められても応じる必要はない
配偶者から離婚を求められても応じる必要はありません。
基本的に、離婚の成立には、夫婦双方の合意が必要です(協議離婚)。
つまり、あなたが離婚に応じなければ、話し合いによる離婚は成立しません。
話し合いによる離婚が難しい場合には、離婚を考えている側が離婚請求の裁判を起こすことがあります。
しかし、不倫をした側からの離婚請求は、原則として認められません。
不倫をしておいて、さらに離婚請求も認められるとなると、それは不公平・社会的倫理に反すると考えられるからです。
もちろん、熟年不倫を理由に離婚が認められることもありません。
ただし、長期間の別居をしているケースでは、離婚請求が認められる場合があります。
何年間別居していれば離婚が認められるとの、明確な基準は定められていません。
離婚請求を認めるかどうかは、別居期間のほか、夫婦関係の状況などから総合的に判断されます。
したがって、長期間の別居をしているケースで、かつ不倫をした側から離婚を求められている場合は、一度弁護士に相談することをおすすめします。
不倫相手への慰謝料請求によって関係を断ち切る方法もある
不倫相手への慰謝料請求によって関係を断ち切る方法もあります。
新たに夫婦として再出発するうえで、不倫相手への慰謝料請求があなたの気持ちのけじめにも繋がるかもしれません。
法的措置を取ることで、配偶者、不倫相手双方に反省を促し、不倫の再発防止にも繋がるでしょう。
不倫相手に慰謝料請求する際には、配偶者との関係解消の約束も合わせて取り決められます。
夫婦関係を継続する場合には、関係解消の約束を交わすことをおすすめします。
不倫相手に慰謝料請求する場合には、肉体関係の証拠が必要です。
原則として、肉体関係がなければ慰謝料請求は認められません。
したがって、不倫相手への慰謝料請求を検討する場合には、証拠収集から始めましょう。
どのような証拠が必要かについて、詳しくは「浮気の証拠になるもの13選と自力で証拠を集めるポイント・注意点」の記事をご参照ください。
熟年不倫における慰謝料請求のメリットとデメリット
不倫相手への慰謝料請求で損をしないためにも、熟年不倫における慰謝料請求のメリット・デメリットについて知っておきましょう。
◎婚姻期間や不倫期間が長いほど慰謝料が増額傾向にある
婚姻期間や不倫期間が長いほど慰謝料が増額傾向にあります。
婚姻期間が長いほど、それだけ夫婦に与えた影響も大きいと評価されます。
不貞期間が長いほど、それだけ被害者の精神的苦痛も大きいと評価されます。
下表は、婚姻期間が3年未満のケースと婚姻期間が20年以上のケースの裁判例を示したものです。


婚姻期間が20年以上のケースの方が、慰謝料も高額なことがわかります。
熟年不倫では、今まで築き上げた夫婦生活が長きに渡ることから、慰謝料が増額される可能性があります。
不倫期間も長い場合には、さらに慰謝料が増額される可能性があります。
ただし、不倫期間が長いことを示すためには、証拠が必要です。
複数回の肉体関係を示す証拠や、長年継続して関係があったことを示す証拠を集めましょう。
△不倫相手の資力が乏しく慰謝料獲得が難しい場合がある
不倫相手の資力が乏しく慰謝料獲得が難しい場合があります。
熟年不倫の場合、不倫相手が年金暮らしのケースも少なくありません。
不倫相手の資力が乏しくても、慰謝料請求そのものはできます。
お金がない・支払えないことが理由で、慰謝料の支払い義務が免れるわけではありません。
しかし、現実的な問題として、資力が乏しければ、慰謝料の回収は難しいでしょう。
現実的な回収を目指すには、相場よりも低い金額で合意する・分割払いでの支払いにするなどの方法を取らざるを得ない場合もあるでしょう。
△別居中の熟年不倫だと婚姻関係破綻を主張される可能性がある
別居中の熟年不倫だと婚姻関係破綻を主張される可能性があります。
婚姻関係破綻後の不倫(不貞行為)は、原則として、慰謝料請求が認められません。
そもそも慰謝料請求が認められるには、不倫(不貞行為)によって夫婦の平穏な婚姻生活を侵害されたことが必要です。
不倫前から婚姻関係が破綻していた場合には、不倫(不貞行為)によって侵害される利益がないと考えられることから、原則、慰謝料請求は認められません。
実務上、婚姻関係が破綻していたと判断されるケースはあまり多くありません。
しかし、長期間の別居は、夫婦の同居、扶助、協力義務に反すること、夫婦間に婚姻継続の意思がないと考えられること、第三者から見ても夫婦として共同生活をしていると判断できないことから婚姻関係の破綻が認められやすくなります。
婚姻関係破綻に関する裁判所の判断について知りたい方は、「婚姻関係が破綻していない証拠は?別居の場合は慰謝料請求できない?」の記事をご参照ください。
熟年不倫で離婚を決意した方に伝えたい2つのこと
熟年不倫の発覚により離婚を決意した方に伝えたいことは、次の2つです。
- 別居中の熟年不倫では慰謝料が減免される可能性がある
- 離婚後の生活が不安なら慰謝料以外の条件も慎重に検討すべき
以下、詳しく説明します。
別居中の熟年不倫では慰謝料が減免される可能性がある
別居中の熟年不倫では慰謝料が減免される可能性があるでしょう。
前章のとおり、別居中の熟年不倫の場合は、不倫以前に既に婚姻関係が破綻していたと判断される可能性があります。
婚姻関係が破綻していたと判断されると、慰謝料請求は認められません。
完全に破綻していたとまでは言えなくても、相当程度破綻していた場合には、慰謝料が減額される可能性が高いでしょう。
離婚を決意した方の中には、経済的な不安を感じている人も多いかもしれません。
別居中の熟年不倫では慰謝料が減免される可能性があることから、想定より慰謝料が貰えず、離婚後の生活設計に影響を与えることにもなりかねません。
したがって、慰謝料の獲得見込みがあるか、適切な慰謝料はどのくらいかを把握することが大切でしょう。
離婚後の生活が不安なら慰謝料以外の条件も慎重に検討すべき
離婚後の生活が不安なら慰謝料以外の条件も慎重に検討すべきでしょう。
離婚の話し合いの際には、財産分与についての話し合いも合わせて行います。
財産分与の対象となる財産と対象とならない財産は、下表のとおりです。
| 財産分与の対象となる財産 | 財産分与の対象とならない財産 |
|---|---|
| 結婚してから夫婦が協力して築いた財産 (例) 婚姻生活中に築いた貯金 退職金 年金 家や土地などの不動産 自動車 保険解約時の払戻金 有価証券 など |
結婚前からの財産、配偶者とは全く関係なく得た財産 (例) 結婚前の貯金 親から相続した財産 など |
熟年不倫による離婚の場合は、財産分与の対象となる夫婦の財産が多岐にわたり、かつその金額も高い傾向にあります。
財産分与の割合は、2分の1が原則です。
しかし、夫婦の話し合いによる合意ができれば、その割合は自由に決められます。
不倫をされた側のあなたに有利な解決ができるよう、財産分与の仕組みや対象となる財産についてきちんと把握しましょう。
①持ち家について
持ち家は、物理的に2分の1に分けられません。
そこで、一般的には、次のいずれかの方法で財産分与を行います。
- 持ち家を売却・現金化して分ける
- 持ち家の評価額の半分を現金で貰う
- 住み続ける方に譲渡する
持ち家の財産分与について、詳しくは、弊所離婚サイトの「離婚時の家の財産分与で確認すべきことは?手続きの流れを解説 」の記事をご参照ください。
②退職金について
既に受取済みの退職金は、財産分与の対象です。
まだ、退職金を貰っていない場合でも、将来の支給が確実な退職金については、財産分与の対象となるでしょう。
ただし、退職までまだ年数があるなどのケースでは、将来の支給が確実とまでは言えないとして、受け取れない可能性があります。
③年金分割について
年金分割とは、離婚した場合に、夫婦の婚姻期間中の保険料納付額に対応する厚生年金・共済年金を分割して、夫婦それぞれが受け取れる制度です。
年金分割の対象は、厚生年金・共済年金のみです。
配偶者が国民年金しか加入していない場合、年金分割はありません。
離婚時の財産分与についてのより詳しい内容は、弊所離婚サイトの「熟年離婚の財産分与で気を付けること|持ち家や年金の分割方法とは」の記事をご参照ください。
熟年不倫で慰謝料や離婚請求をお考えなら弁護士に相談を
熟年不倫の発覚により、慰謝料請求や離婚請求を考えている方は、ぜひ一度弁護士に相談することをおすすめします。
熟年不倫の発覚により、精神的ダメージを抱えている人もいらっしゃるでしょう。
不倫相手に対する慰謝料請求をご自身一人で対応する場合は、不倫相手に接触し、直接やり取りする必要があり、さらに精神的負担を感じるかもしれません。
弁護士に依頼すれば、不倫相手と直接やり取りする必要はありません。
さらに、夫婦の再構築を選択する場合には、慰謝料以外にも接触禁止等その他の条件面の話し合いも大切です。
慰謝料の合意だけでは、再度不倫関係になるリスクが残ります。
あなたに合った条件かつあなたに有利な条件での解決を目指すためにも、弁護士への相談がおすすめです。
離婚を決意した方は、新しい人生をより良くスタートするためにも、できるだけ有利な条件で離婚することが望ましいです。
熟年不倫による離婚の場合は、夫婦で築いた財産も幅広く、財産分与等の交渉が難航する可能性もあります。
不倫問題・離婚問題の解決実績が豊富な弁護士であれば、適切な慰謝料の獲得と有利な条件での離婚を目指せるでしょう。
慰謝料請求や離婚請求を検討している方は、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
まとめ
熟年不倫は、今まで築き上げてきた夫婦の信頼を壊し、深い失望や精神的な苦痛を与えます。
見て見ぬふりをすると、不倫関係が長期化したり、本気になったりする可能性もあります。
熟年不倫が発覚したら、あなたの気持ちを最優先に、今後の夫婦のあり方についてよく考えましょう。
慰謝料請求や離婚請求に踏み出す決意をした場合には、弁護士が全力でサポートいたします。
ネクスパート法律事務所では、不倫問題・離婚問題に強い弁護士が多数在籍しています。
仕事が忙しくて相談に行けない人や遠方にお住まいの方のためにLINEによる相談やオンライン法律相談サービスも実施しています。
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コラム監修者
SHIZU ISHIDA
所属:東京オフィス
広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。