事案の概要
- ご依頼者:福岡県内にお住まいの30代・男性・会社員(運送関係)の方
- 事故の状況:通勤帰りにバイクで走行中、並走していた自動車が幅寄せしてきて接触・転倒(人身部分は相手方の過失で処理)
- ケガの程度:右ひざの靭帯(後十字靭帯)の断裂など。靭帯の再建手術と、約1年後にプレートを抜く手術を受け、入通院による治療を継続
残った後遺症:右ひざの痛みと不安定さ(ぐらつき)が残り、被害者請求での初回認定は14級9号。その後の異議申立てで、最終的に後遺障害12級13号と認定
- ご相談のきっかけ:相手方が当初「保険を使わない」と主張し対応に不安を感じ、慰謝料・過失・後遺障害などについて当事務所にご相談
※「後遺障害等級」とは、治療を続けても完全には治りきらなかった症状について、その重さを公的な基準で評価したものです。等級が認定されると、その分の慰謝料や将来の補償(逸失利益)を請求できます。数字が小さいほど重く、12級は14級より重い区分です。「被害者請求」とは、後遺障害の認定を、相手方の保険会社にゆだねず、被害者の側から直接、自賠責保険に対して申請する手続きをいいます。手続きの名義は被害者ご本人ですが、資料の収集・作成や申請の実務は、ご依頼いただければ代理人である弁護士事務所がすべて代行します。「異議申立て」とは、いったん出た等級認定の結果に納得できない場合に、追加の資料を添えて見直しを求める手続きをいいます。「逸失利益」とは、後遺症によって将来の働く力(収入を得る力)が下がると見込まれる分を、あらかじめ補償してもらうお金です。「症状固定」とは、これ以上治療を続けても改善が見込めないと医師が判断した状態をいいます。
Before / After ― ご相談前と解決後の変化
| 項目 |
ご相談前(Before) |
解決後(After) |
| 後遺障害の等級 |
被害者請求での初回認定は14級9号 |
異議申立てで12級13号へ等級アップ |
| 後遺障害の申請 |
どう申請すればよいか分からない状態 |
被害者請求・異議申立てとも当事務所が代行 |
| 将来の働く力への補償(逸失利益) |
低い等級を前提とした見積もり |
12級を前提に、長期の就労期間を見込んで算定 |
| 慰謝料の算定基準 |
保険会社の基準(低め) |
裁判でも使われる基準(弁護士基準)で算定 |
| 相手方が確保した賠償(経済的利益) |
自賠責の支払いにとどまる見通し |
最終的に約940万円分を確保 |
| 手続きの手間・心理的負担 |
相手方の対応や見通しへの不安をひとりで抱える状態 |
等級の異議申立て・交渉・書類作成・保険会社対応はすべて弁護士が代行 |
※ 金額はプライバシー保護のため概数で記載しています。上記「約940万円」は、自賠責保険・休業損害・相手方保険会社からの支払いを通じて確保した金額の合計(おおよその経済的利益)です。このほか、治療費は相手方保険会社が別途負担しています。なお、本件には別の小さな事故(別件)も含まれていましたが、本記事では主たる事故についてご紹介しています。
ご相談の背景
事故が起きたのは、平日の夕方、仕事からの帰り道でした。ご依頼者がバイクで走行していたところ、並走していた自動車が幅寄せしてきて接触し、転倒。翌朝には首やひざの激しい痛みで救急搬送されました。
ところが当初、相手方は「自分は悪くない」「保険会社は使わない」という姿勢を見せていました。バイクには傷が残り、ケガで仕事にも行けない状態だったご依頼者は、「このまま泣き寝入りになるのではないか」という不安から、当事務所にご相談くださいました。
その後、右ひざの靭帯(後十字靭帯)の断裂が判明し、再建手術と入院に。さらに約1年後にはプレートを抜く手術も受けました。長い治療を経て症状固定と診断された時点でも、ひざの痛みと不安定さ(ぐらつき)が残ってしまいました。当事務所はまず、後遺障害の認定を相手方まかせにせず、被害者請求によって申請しました。
その被害者請求での初回認定は14級。けれども、ご依頼者の症状の重さからすると、その評価で本当に妥当なのか――そこに大きな争点がありました。
弁護士の対応と解決のポイント
- ポイント1:まず被害者請求で後遺障害を申請し、14級の認定を得た
後遺障害の申請には、相手方の保険会社にゆだねる方法と、被害者の側から直接申請する「被害者請求」があります。当事務所は、結果を確認しながら主体的に手続きを進められる被害者請求を選びました。手続きの名義はご依頼者ご本人ですが、医療機関からのカルテ・画像資料の取り寄せ、必要書類の作成、申請から認定結果の受領にいたるまで、実務はすべて当事務所が代行しています。この初回の被害者請求で、後遺障害14級9号の認定を得ました。
- ポイント2:初回認定であきらめず、異議申立てで12級まで引き上げた
もっとも当事務所は、ひざの痛みやぐらつきの重さからすると、14級よりも上位の等級が認められる余地があると考えました。そこで、両方の通院先からあらためてカルテや画像資料を取り寄せ、ひざの不安定さ・可動域・神経症状という複数の角度から症状を裏づける資料を整え直して、異議申立てを行いました。この手続きも当事務所がすべて代行しています。その結果、後遺障害は12級13号へと等級が引き上げられました。等級が一つ上がると、慰謝料や逸失利益の算定は大きく変わります。
- ポイント3:将来の働く力への影響(逸失利益)を、長期で積み上げた
ご依頼者はまだ働き盛りの年代。ひざの後遺症が将来の収入に与える影響(逸失利益)について、12級を前提に、長い就労期間を見込んで計算しました。これが賠償額を大きく押し上げる柱になりました。
- ポイント4:損害を「正しい基準」で計算し直した
保険会社が用いる基準は、各社が独自に定めた低めのものであることが少なくありません。一方、弁護士が用いるのは裁判でも使われる基準(いわゆる「弁護士基準」「裁判基準」)です。当事務所は、治療費・入院雑費・通院交通費・休業損害・慰謝料などの項目を一つひとつ精査し、適正な水準で計算し直して主張しました。
- ポイント5:治療中の生活も、こまめに支えながら進めた
長期の治療の間、休業損害を段階的に先行して請求し、立替えた治療費や装具の費用についても保険会社に請求するなど、ご依頼者の生活面の負担を抑えながら手続きを進めました。見通しが立ちにくい局面でも、その都度ご本人の意向を確認しながら対応しました。
結果
- ご相談前(当初の認定)
後遺障害 14級9号
- 解決後(等級アップ)
後遺障害 12級13号
被害者請求での初回認定(14級)から、異議申立てによる12級への等級アップ、そして12級を前提とした逸失利益の積み上げと裁判基準での再計算をもとに交渉した結果、賠償が確保されました。自賠責保険・休業損害・相手方保険会社からの支払いを通じて確保した経済的利益は、合計でおおよそ940万円となりました(治療費は別途、相手方保険会社が負担)。
ひざの痛みやぐらつきが残るという事実は消えませんが、初回の14級にとどまらず等級を見直し、適正な水準の賠償を確保できたことに、ご依頼者は安堵されたご様子でした。
担当弁護士からのコメント
後遺障害の認定は、相手方の保険会社にゆだねるのではなく、被害者の側から直接申請する「被害者請求」によって、主体的に進めることができます。本件でも、当事務所が被害者請求から手続きを代行しました。そして、いったん出た等級が症状の重さに見合っているとは限りません。本件のように、追加の資料を整えて異議を申し立てることで、等級が見直されるケースもあります。等級が一つ上がるだけで、慰謝料や将来の減収(逸失利益)の評価は大きく変わります。
もっとも、等級の見直しには、医療記録の読み込みや、症状を裏づける資料の組み立てなど、専門的な準備が欠かせません。今回も、ひざの不安定さ・可動域・神経症状という複数の角度から丁寧に主張を積み上げたことが、結果につながりました。
「この等級で納得できない」「相手方の対応に不安がある」――そうした違和感は、大切なサインです。ケガの治療と保険会社とのやり取りを並行して進めるのは、おひとりでは大きな負担です。提示された等級や金額に迷われたら、どうか一度、私たちにお聞かせください。
(担当:交通事故チーム 弁護士)
交通事故のご相談は無料です
「提示された等級や金額が正しいのか、まず知りたい」――その確認だけでも大丈夫です。
交通事故のご相談は何度でも無料です。ご加入の自動車保険に「弁護士費用特約」が付いていれば、弁護士費用はその保険でまかなえるため、ご自身の負担を抑えてご依頼いただけます(保険の内容により異なります。特約がない場合の費用も、ご相談時に明確にご説明します)。
- 認定された後遺障害の等級に納得できない/異議申立てを検討したい
- 相手方(保険会社)の提示額や対応に納得できない
- ケガの後遺症が残ってしまった/何から手をつければいいか分からない
ひとつでも当てはまる方は、お気軽にお問い合わせください。
※ 本記事は実際の解決事例をもとに構成していますが、ご依頼者のプライバシー保護のため、氏名・住所・生年月日・勤務先名・治療機関名・相手方や保険担当者の氏名などはすべて伏せ、ご依頼者の属性は地域・年代・性別・職業に丸めています。また、金額は概数化しています。賠償額や解決までの期間は、事故の状況・治療経過・後遺障害の有無や程度・過失割合などにより一件ごとに異なり、同様の結果をお約束するものではありません。
※ 本記事は実際の解決事例をもとに構成していますが、ご依頼者のプライバシー保護のため、氏名・住所・生年月日・勤務先名・治療機関名・相手方や保険担当者の氏名などはすべて伏せ、ご依頼者の属性は地域・年代・性別・職業に丸めています。また、金額は概数化しています。賠償額や解決までの期間は、事故の状況・治療経過・後遺障害の有無や程度・過失割合などにより一件ごとに異なり、同様の結果をお約束するものではありません。