解決実績
交通事故
頭を強く打ち、記憶や集中力に後遺症――「見えにくい障害」を職場の証言などで立証し、後遺障害7級の認定と約2,700万円の賠償につなげたバイク事故の解決事例
事案の概要
- ご依頼者:沖縄県内にお住まいの男性・会社員(技術職)の方
- 事故の状況:仕事帰りにバイクで優先道路を直進中、わき道から右折してきた自動車と衝突して転倒。頭を強く打った(過失割合には争いがあった)
- ケガの程度:脳の広い範囲が傷つくタイプの頭部外傷(びまん性軸索損傷)により、入院・治療を継続
- 残った後遺症:記憶力・集中力の低下や、感情・行動面の変化などの「高次脳機能障害」が残り、後遺障害7級と認定
- ご相談のきっかけ:相手方保険会社の対応に不安を感じ、ご家族とともに、弁護士費用特約を使って当事務所にご依頼
※「高次脳機能障害」とは、頭部のケガなどによって脳が傷つき、記憶力・注意力・感情のコントロールなどに障害が残った状態をいいます。外見からは分かりにくく、ご本人にも自覚しづらいため、「見えにくい障害」とも呼ばれます。「後遺障害等級」とは、治療を続けても残った症状の重さを公的な基準で評価したもので、数字が小さいほど重い区分です。7級は、神経系統の障害などにより働く力が大きく制限される場合などに認定される、比較的重い区分です。「逸失利益」とは、後遺症によって将来の働く力(収入を得る力)が下がると見込まれる分を、あらかじめ補償してもらうお金をいいます。
Before / After ― ご相談前と解決後の変化
| 項目 | ご相談前(Before) | 解決後(After) |
|---|---|---|
| 後遺障害の認定 | 見えにくい障害で、評価されるか不透明 | 職場の証言などを整え、後遺障害7級の認定を取得 |
| 障害の「見える化」 | 症状を客観的に示す資料が乏しい状態 | 勤務先の陳述書・日常生活の報告などで障害の実態を立証 |
| 将来の働く力への補償(逸失利益) | 事故前の収入だけで評価される懸念 | 働く力の大きな低下をふまえ、長期で算定 |
| 確保できた賠償(総額・概算) | 自賠責などの支払いにとどまる見通し | 既払い分とあわせ約2,700万円を確保 |
| 手続き・心理的負担 | ご本人・ご家族で対応を抱える状態 | 後遺障害申請・交渉・書類作成・保険会社対応はすべて弁護士が代行 |
※ 金額はプライバシー保護のため概数で記載しています。上記の総額は、すでに支払われていた治療費・自賠責保険金など(あわせて約1,220万円)に、示談で新たに確保した上乗せ分(1,500万円)を加えたものです。本件は訴訟(裁判)によらず、交渉により解決しました。弁護士費用は、ご依頼者が加入していた弁護士費用特約でまかなわれました。
ご相談の背景
事故が起きたのは、仕事帰りの夕方でした。ご依頼者がバイクで優先道路を直進していたところ、わき道から右折してきた自動車と衝突し、転倒して頭を強く打ちました。脳の広い範囲が傷つくタイプの頭部外傷(びまん性軸索損傷)と診断され、入院が続きました。
命に別状はなかったものの、退院後も、事故前にはなかった変化が現れました。同じことを繰り返し話す、新しいことを覚えられない、集中が続かない、疲れやすい、怒りっぽくなる――。こうした「高次脳機能障害」は、外見からは分かりにくく、ご本人にも自覚しづらいため、周囲がその深刻さに気づきにくいという難しさがあります。
ご依頼者は技術職として活躍していましたが、事故後は以前のような専門的な作業ができなくなり、職場でも簡単な作業に役割が変わりました。ご家庭でも、ご本人とご家族の双方が、これまでとの違いに戸戸惑い、不安を抱えておられました。
相手方保険会社の対応にも不安を感じ、ご家族とともに、加入していた弁護士費用特約を使って当事務所にご依頼くださいました。
弁護士の対応と解決のポイント
- ポイント1:「見えにくい障害」を、客観的な資料で立証した
高次脳機能障害は、画像所見だけでなく、事故前後で本人がどう変わったかを具体的に示すことが、適正な等級認定の鍵になります。当事務所は、長年ご依頼者と働いてきた勤務先の代表者から、事故前後の業務の変化を詳しくつづった陳述書を取得。あわせて、日常生活の状況に関する報告などを整え、障害の実態を客観的に「見える化」しました。
- ポイント2:被害者請求により、後遺障害7級の認定を得た
これらの資料をそろえたうえで、ご依頼者自身が直接手続きを行う「被害者請求」により後遺障害を申請しました。その結果、後遺障害7級の認定を得ることができました。これにより、後遺障害分の慰謝料や、将来の働く力の低下に対する補償(逸失利益)を、しっかりと請求できるようになりました。
- ポイント3:働く力の低下をふまえ、逸失利益を積み上げた
勤務先の賃金台帳や源泉徴収票などの資料に基づいて事故前の収入を確認し、事故によって働く力が大きく低下したことをふまえて、長期にわたる逸失利益を算定しました。実際に役割や収入が変わってしまった事実を、賠償にきちんと反映させることをめざしました。
- ポイント4:訴訟によらず、納得のいく形で解決した
相手方保険会社との交渉では、当初の提示額にとどまらず、訴訟も視野に入れて粘り強く主張を重ねました。最終的には、ご本人・ご家族の意向を確認したうえで、裁判によらずに示談を成立させました。長期の裁判という負担を避けつつ、解決にいたることができました。
結果
- ご相談前(当初の支払い見通し)
自賠責などの支払いにとどまる
- 解決後(確保した総額・概算)
約2,700万円
障害の実態を客観的な資料で立証して後遺障害7級の認定を得たうえで、働く力の低下をふまえた逸失利益や慰謝料を主張した結果、訴訟によらず示談が成立しました。すでに支払われていた治療費・自賠責保険金などとあわせると、確保できた賠償は総額で約2,700万円となりました。
事故による障害は、これからの生活にも影響が続きます。それでも、見えにくい障害をきちんと評価させ、将来を支える賠償を確保できたことに、ご本人・ご家族は安堵されたご様子でした。
担当弁護士からのコメント
高次脳機能障害は、外見からは分かりにくく、ご本人にも自覚しづらいため、「以前と変わらない」と見過ごされ、適正に評価されないことがあります。だからこそ、事故前後で何がどう変わったのかを、ご家族や職場の方の証言、日常生活の記録などで具体的に示すことが、とても重要になります。
また、働く力がどれだけ失われたのかは、賠償額を大きく左右します。実際の収入や役割の変化を資料で裏づけ、長期の影響として主張していくことが、弁護士の大切な役割です。
「事故のあと、家族の様子が変わった気がする」「以前のように仕事ができなくなった」――そうした変化は、見過ごしてはいけない大切なサインです。ご本人だけでなく、ご家族から見た気づきも、解決の手がかりになります。お悩みの際は、どうか一度、私たちにお聞かせください。
(担当:交通事故チーム 弁護士)
交通事故のご相談は無料です
「提示された金額や後遺障害の見通しが正しいのか、まず知りたい」――その確認だけでも大丈夫です。
交通事故のご相談は何度でも無料です。ご加入の自動車保険(ご家族の保険を含む)に「弁護士費用特約」が付いていれば、弁護士費用はその保険でまかなえるため、ご自身の負担を抑えてご依頼いただけます(保険の内容により異なります。特約がない場合の費用も、ご相談時に明確にご説明します)。
- 頭部のケガのあと、記憶力・集中力・性格などに変化を感じる
- 後遺障害の等級や、相手方の提示額に納得できない
- ご家族が交通事故で重いケガを負い、何から手をつければいいか分からない
ひとつでも当てはまる方は、お気軽にお問い合わせください。