解決実績
交通事故
通勤中の自転車事故で全治まで約1年2か月。「提示された過失も金額も納得できない」――粘り強い交渉で過失割合と賠償を見直した解決事例
事案の概要
- ご依頼者:福岡県内(郊外エリア)にお住まいの60代・男性・会社員の方
- 事故の状況:通勤途中、自転車で走行中に交差点で自動車と出会い頭に衝突(最終的にご依頼者側の過失は1割)
- ケガの程度:左の鎖骨を骨折(左股関節の骨挫傷もあり)。プレートを入れる手術と、約1年後にプレートを抜く手術(抜釘)を受け、入通院による治療を継続
- 残った後遺症:左鎖骨まわりのしびれ・感覚の鈍さが残り、後遺障害14級9号と認定
- ご相談のきっかけ:相手方保険会社から示された過失割合や賠償の見通しに不安を感じ、弁護士費用特約を使って当事務所にご依頼
※「後遺障害等級」とは、治療を続けても完全には治りきらなかった症状について、その重さを公的な基準で評価したものです。等級が認定されると、その分の慰謝料や将来の補償(逸失利益)を請求できます。14級は、痛みやしびれなどの神経症状が将来にわたって残ると見込まれる場合などに認定される区分です。「症状固定」とは、これ以上治療を続けても症状の改善が見込めないと医師が判断した状態をいい、後遺障害の手続きはこの時点を基準に進めます。「被害者請求」とは、後遺障害の認定や自賠責保険金の支払いを、相手方の保険会社にゆだねず、被害者の側から直接、自賠責保険に対して請求する手続きをいいます。手続きの名義は被害者ご本人ですが、資料の収集・作成や請求の実務は、ご依頼いただければ代理人である弁護士事務所がすべて代行します。
Before / After ― ご相談前と解決後の変化
| 項目 | ご相談前(Before) | 解決後(After) |
|---|---|---|
| 過失割合の提示 | 相手方は当初15:85(ご依頼者に15%)を主張 | 10:90(ご依頼者は1割)で合意 |
| 弁護士介入前の賠償提示 | 自賠責基準の提示にとどまる | 被害者請求での回収分に加え、約300万円を上乗せして獲得 |
| 交渉の進め方 | 提示された金額をどう判断してよいか分からない状態 | 交渉途中の約290万円の提示にもすぐ応じず、最後まで交渉 |
| 人身損害の総額(概算) | 提示水準では十分とは言えず | 既払い分とあわせ約540万円を確保 |
| 慰謝料・逸失利益の算定基準 | 保険会社の基準(低め) | 裁判でも使われる基準(弁護士基準)で算定 |
| 手続きの手間・心理的負担 | 過失や賠償の見通しへの不安をひとりで抱える状態 | 被害者請求・過失交渉・書類作成・保険会社対応はすべて弁護士が代行 |
※ 金額はプライバシー保護のため概数で記載しています。弁護士が介入する前の段階では、賠償の提示は自賠責保険の基準にとどまっていました。当事務所は被害者請求によって自賠責保険金(約237万円。治療費を含みます)を回収し、これに加えて、相手方保険会社との交渉により約300万円を上乗せして確保しました。このほか、自転車本体の損害(物損)についても別途示談が成立しました。
ご相談の背景
事故が起きたのは、平日の朝の通勤時間帯でした。ご依頼者が自転車で交差点にさしかかったところ、進行してきた自動車と出会い頭に衝突。ご依頼者は左の鎖骨を折る大ケガを負い、骨を固定するためのプレートを入れる手術を受けることになりました。
その後はリハビリ中心の通院が続きます。鎖骨は少しずつ回復したものの、左の股関節の痛みやしびれが長く残りました。事故から約1年後にはプレートを抜く手術(抜釘)も受け、最終的に「これ以上は良くならない」という状態(症状固定)と診断された時点で、左鎖骨まわりのしびれ・感覚の鈍さが残り、後遺障害14級9号と認定されました。総治療期間は約1年2か月にのぼりました。
ご依頼者がまず引っかかったのは、過失割合でした。相手方保険会社は「ご依頼者にも15%の過失がある」と主張。さらに、賠償についても、弁護士が入る前の段階で示されていたのは自賠責保険の基準にとどまる水準で、これで本当に妥当なのか判断がつきませんでした。
「自分にも非があると言われたが、本当にそうなのだろうか」「この見通しのまま進めて大丈夫だろうか」――そうした不安から、ご自身の自動車保険についていた弁護士費用特約を使って、当事務所にご依頼くださいました。
弁護士の対応と解決のポイント
- ポイント1:過失割合の提示を鵜呑みにせず、根拠を示して見直した
相手方は、ご依頼者の通行方法などを理由に15%の過失を主張していました。これに対し当事務所は、事故現場の状況(歩道が自転車の通行可能な区域であったことなど)や過去の裁判例をふまえ、当方に不利な修正を加える理由はないと反論。粘り強くやり取りを重ねた結果、最終的に10:90(ご依頼者の過失1割)で合意に至りました。過失割合は賠償額全体に直接影響するため、ここを動かせたことが大きな意味を持ちました。
- ポイント2:被害者請求で、自賠責保険金を確実に回収した
弁護士が介入する前、賠償の提示は自賠責保険の基準にとどまっていました。そこで当事務所は、後遺障害の認定と自賠責保険金の回収を相手方まかせにせず、被害者の側から直接申請する「被害者請求」を行いました。手続きの名義はご依頼者ご本人ですが、資料の取り寄せ・作成や申請の実務はすべて当事務所が代行しています。これにより、後遺障害14級9号の認定と、これに対応する自賠責保険金(治療費を含め約237万円)をまず確実に確保しました。
- ポイント3:損害を「正しい基準」で計算し直した
保険会社が用いる基準は、各社が独自に定めた低めのものであることが少なくありません。一方、弁護士が交渉に用いるのは、裁判でも使われる基準(いわゆる「弁護士基準」「裁判基準」)です。当事務所は、治療費・通院交通費・休業損害・慰謝料・逸失利益といった項目を一つひとつ精査し、適正な水準で計算し直して主張しました。
- ポイント4:休業損害や逸失利益を、資料に基づいて丁寧に積み上げた
通院のために取得した有給休暇の時間を集計して休業損害を算定し、後遺障害が将来の収入に与える影響(逸失利益)についても、源泉徴収票などの資料に基づいて計算しました。一つひとつの項目を資料で裏づけることが、説得力のある主張につながりました。
- ポイント5:増額提示にすぐ飛びつかず、最後まで交渉した
交渉の過程で、相手方からは人身部分について約290万円までの上乗せ提示がありました。自賠責基準どまりだった当初からすれば十分に高い水準でしたが、当事務所はご依頼者の意向を確認したうえで、なお主張の根拠を示して交渉を継続。最終的に、被害者請求で回収した自賠責保険金に加えて約300万円を上乗せして合意し、自転車本体の損害(物損)についても別途示談を成立させました。
結果
- 弁護士介入前(提示水準)
自賠責基準の提示にとどまる
→ - 解決後(獲得)
被害者請求での回収分+約300万円の上乗せ
被害者請求による自賠責保険金の回収に加え、過失割合の見直しと裁判基準での再計算、そして粘り強い交渉の結果、相手方保険会社は当方の主張をおおむね受け入れ、約300万円の上乗せで示談が成立しました。被害者請求で回収した自賠責保険金などとあわせると、人身損害として確保できた額は約540万円となりました。
脚や肩にしびれが残るという事実は消えませんが、過失割合の点も含めてご依頼者が「正当に評価された」と感じられる内容で解決できたことに、ご本人は安心されたご様子でした。
担当弁護士からのコメント
保険会社から最初に示される過失割合や賠償の見通しは、必ずしもそのまま受け入れなければならないものではありません。とくに過失割合は、根拠を示して交渉することで見直される余地があり、その結果が賠償額全体を左右します。
また、いったん増額の提示があっても、それが本当に適正な水準かどうかは、項目ごとに資料を精査してみないと分かりません。今回も、提示にすぐ応じず最後まで交渉したことが結果につながりました。
「自分にも過失があると言われたが納得できない」「この見通しのまま進めてよいのか不安だ」――そうした違和感は、大切なサインです。ケガの治療と保険会社とのやり取りを並行して進めるのは、おひとりでは大きな負担です。提示内容に迷われたら、どうか一度、私たちにお聞かせください。
(担当:交通事故チーム 弁護士)
交通事故のご相談は無料です
「提示された過失割合や金額が正しいのか、まず知りたい」――その確認だけでも大丈夫です。
交通事故のご相談は何度でも無料です。ご加入の自動車保険に「弁護士費用特約」が付いていれば、弁護士費用はその保険でまかなえるため、ご自身の負担を抑えてご依頼いただけます(保険の内容により異なります。特約がない場合の費用も、ご相談時に明確にご説明します)。
- 相手方(保険会社)の過失割合や提示額に納得できない
- ケガの後遺症が残ってしまった/後遺障害の手続きが不安
- 何から手をつければいいか分からない
- ひとつでも当てはまる方は、お気軽にお問い合わせください。
※ 本記事は実際の解決事例をもとに構成していますが、ご依頼者のプライバシー保護のため、氏名・住所・生年月日・勤務先名・治療機関名・相手方や保険担当者の氏名などはすべて伏せ、ご依頼者の属性は地域・年代・性別・職業に丸めています。また、金額は概数化しています。賠償額や解決までの期間は、事故の状況・治療経過・後遺障害の有無や程度・過失割合などにより一件ごとに異なり、同様の結果をお約束するものではありません。