事案の概要
ご依頼者:福岡県内にお住まいの女性の方(ご自身が運転)
事故の状況:信号機のない交差点を直進中、左方から進行してきた車と出会い頭に衝突。さらにその反動で、別の車にも接触する事故が続けて発生した
争点:過失割合(相手方は当初「ご依頼者にも2割の過失」と主張)と、車の損害額(全損扱いか、修理費を基準とする分損扱いか)
主な証拠:ご依頼者の車に搭載されていたドライブレコーダーの映像
ご相談のきっかけ:過失割合や車の評価額に納得できず、加入していた弁護士費用特約を使って当事務所にご依頼
※「過失割合」とは、事故の責任を当事者でどう分け合うかを割合で示したものです。たとえば「20対80」なら、被害者側にも2割の責任があるとされ、その分だけ受け取れる賠償が減り、逆に相手方の車などの損害については被害者側も一部を負担することになります。「経済的全損」とは、修理費が車の時価額を上回る状態をいい、この場合は原則として時価額が賠償の上限になります。これに対し、修理費が時価額の範囲内におさまる場合は「分損」として扱われ、実際の修理費を基準に賠償を受けられます。「評価損」とは、修理してもなお事故の影響で下がってしまう車の価値(いわゆる事故車としての減価)をいいます。
Before / After ― ご相談前と解決後の変化
| 項目 |
ご相談前(Before) |
解決後(After) |
| 過失割合 |
相手方は当初2割の過失(2:8)を主張 |
ご依頼者の過失ゼロ(95:0)で決着 |
| 反動で生じた3つ目の事故 |
ご依頼者にも賠償義務が生じる可能性 |
過失ゼロが認められ、賠償義務を免れた |
| 車の損害の考え方 |
全損扱い・時価約232万円という評価 |
時価額を見直して分損扱いとし、修理費約255万円を獲得 |
| 証拠の活用 |
「出会い頭だから過失は避けられない」との見方 |
ドラレコ映像と現場の距離から相手の速度違反を具体的に立証 |
| 付随費用 |
レッカー費用などの扱いが不透明 |
レッカー費用・代車費用も損害として確保 |
| 手続きの手間・心理的負担 |
過失や評価額の交渉をひとりで抱える状態 |
過失交渉・物損交渉・書類作成・保険会社対応はすべて弁護士が代行 |
※ 金額はプライバシー保護のため概数で記載しています。最終的に、ご依頼者の過失はゼロ(95対0)と認められ、車の損害は全損扱いではなく分損扱い(修理費基準)として約255万円を獲得しました。これにはレッカー費用・代車費用も含みます。過失がゼロと認められたことで、事故の反動で生じた3つ目の衝突についても、ご依頼者は賠償義務を負わずに済みました。弁護士費用は、ご依頼者が加入していた弁護士費用特約でまかなわれました。なお本件ではケガ(むちうち)もありましたが、本記事では物損と過失割合を中心にご紹介しています。
ご相談の背景
事故が起きたのは、信号機のない交差点でした。ご依頼者が直進していたところ、左方から進行してきた車と出会い頭に衝突。さらにその反動で、別の車にも接触してしまいました。短い時間に複数の衝突が重なった事故でした。
相手方の保険会社との間では、当初「ご依頼者にも2割の過失がある(2:8)」という前提で交渉が進められていました。出会い頭の事故では、被害者側にも一定の過失が付くケースが少なくありません。さらに、過失が残ると、反動で生じた別の車との接触(3つ目の事故)についても、ご依頼者が一部の賠償義務を負うおそれがありました。
また、車の損害についても争点がありました。相手方は、車を「全損」として扱い、時価額を約232万円と評価。修理費はこれを上回るため、賠償は時価額が上限になる、という考え方です。しかし、その金額では同じような車に買い替えることが難しい状況でした。
「本当に自分にも過失があるのか」「この評価額で納得していいのか」――そうした疑問から、加入していた弁護士費用特約を使って、当事務所にご依頼くださいました。
弁護士の対応と解決のポイント
- ポイント1:ドライブレコーダーの映像で、相手の速度違反を「数字」で立証した
最大の争点は過失割合でした。当事務所は、ご依頼者の車に搭載されていたドライブレコーダーの映像を精査。映像上で相手の車が特定の地点を通過してから衝突するまでの時間と、地図から割り出した走行距離をもとに、相手の走行速度を計算しました。その結果、相手にはかなりの速度超過があったことを具体的な数字で示すことができました。あわせて、ご依頼者が交差点の手前で減速・徐行していたことも映像から裏づけました。
- ポイント2:過失2割を覆し、過失ゼロを実現した
当初、相手方はご依頼者にも2割の過失があると主張していました。これに対し当事務所は、一時停止の規制がない側から徐行して進入したご依頼者に対し、規制がある側の相手が減速せず進入してきたこと、さらにドライブレコーダーから立証した相手の速度超過を加味し、ご依頼者の過失はゼロとすべきと主張しました。粘り強い交渉の結果、最終的にご依頼者の過失はゼロ(95対0)と認められました。
- ポイント3:過失ゼロにより、3つ目の事故の賠償義務も回避した
本件では、最初の衝突の反動で、別の車にも接触する3つ目の事故が起きていました。もしご依頼者に過失が残っていれば、この3つ目の事故についても、ご依頼者が賠償義務の一部を負うおそれがありました。ご依頼者の過失がゼロと認められたことで、この賠償義務も免れることができました。過失割合を動かせたことが、二重・三重の意味で大きな効果を持った場面でした。
- ポイント4:時価額を見直し、全損扱いから「分損扱い」に切り替えた
車の損害について、相手方は当初、修理費が時価額を上回る「全損扱い」とし、時価額を約232万円と評価していました。全損とされると、賠償は時価額が上限となり、実際の修理費は受け取れません。そこで当事務所は、同じ車種・年式の中古車の市場価格を調査し、相手方の時価評価が低すぎることを具体的に指摘。時価額を適正な水準まで引き上げた結果、修理費が時価額の範囲内におさまる「分損扱い」へと処理を切り替えることができ、実際の修理費用である約255万円を獲得しました。
- ポイント5:付随する費用も取りこぼさず確保した
車両本体の損害だけでなく、事故で必要になったレッカー費用や代車費用についても、損害として請求し確保しました。細かな費用まで一つひとつ積み上げることが、適正な解決につながりました。
結果
- ご相談前(交渉時の前提)
過失2割/全損・約232万円
→
- 解決後
過失ゼロ(95:0)/分損扱い・修理費約255万円
ドライブレコーダーの映像を用いた相手の速度超過の立証と、中古車相場に基づく時価額の見直し、そして粘り強い交渉の結果、当初2割とされていたご依頼者の過失はゼロ(95対0)と認められました。これにより、事故の反動で生じた3つ目の衝突についても、ご依頼者は賠償義務を負わずに済みました。車の損害も、全損扱いから分損扱いへと切り替わり、レッカー費用・代車費用を含めて実際の修理費である約255万円を獲得して、示談が成立しました。
「出会い頭だから、ある程度の過失は避けられない」と思われがちな場面でも、客観的な証拠を丁寧に積み上げることで、結果が大きく変わることがあります。ご依頼者にも、納得のいく解決として受け止めていただけました。
担当弁護士からのコメント
過失割合は、受け取れる賠償額を直接左右する、とても重要なポイントです。とくに出会い頭の事故では、「ある程度の過失は仕方がない」と諦めてしまう方も少なくありません。けれども本件のように、ドライブレコーダーの映像という客観的な証拠があれば、相手の速度超過などを具体的に立証し、過失割合を見直せることがあります。
また、車の損害についても、保険会社の最初の評価額がそのまま適正とは限りません。中古車の市場価格や修理見積もりを示すことで、評価が変わることがあります。本件では、過失と車両損害の両面で、ご依頼者にとって納得のいく解決を実現できました。
「自分の過失割合に納得できない」「車の評価額が低い気がする」――そうした違和感は、大切なサインです。ドライブレコーダーの映像がある場合はとくに、一度ご相談いただく価値があります。物損だけのご相談でも、どうか遠慮なくお聞かせください。
(担当:交通事故チーム 弁護士)
交通事故のご相談は無料です
「提示された過失割合や車の評価額が正しいのか、まず知りたい」――その確認だけでも大丈夫です。
交通事故のご相談は何度でも無料です。ご加入の自動車保険(ご家族の保険を含む)に「弁護士費用特約」が付いていれば、弁護士費用はその保険でまかなえるため、ご自身の負担を抑えてご依頼いただけます(保険の内容により異なります。特約がない場合の費用も、ご相談時に明確にご説明します)。
- 相手方(保険会社)の提示する過失割合に納得できない
- 車の評価額(時価)が低すぎる気がする/全損か修理かで揉めている
- ドライブレコーダーの映像がある/何から手をつければいいか分からない
- ひとつでも当てはまる方は、お気軽にお問い合わせください。
※ 本記事は実際の解決事例をもとに構成していますが、ご依頼者のプライバシー保護のため、氏名・住所・生年月日・車種・勤務先名・相手方や保険担当者の氏名などはすべて伏せ、ご依頼者の属性は地域・性別などに丸めています。また、金額は概数化しています。賠償額や過失割合、解決までの期間は、事故の状況・証拠の有無・車両の状態などにより一件ごとに異なり、同様の結果をお約束するものではありません。