カテゴリー: 薬機法,法律・判例

医薬品製造販売業者、用法用量や製品表示の説明に関して、いかなる義務を負うかについて、以下説明していきます。

義務①    適正な使用のための情報提供に努める義務

まず、薬機法68条の2第1項では、医薬品製造・販売業者等は医薬品を製造販売した後も医薬品の有効性及び安全性に関する事項その他医薬品の適正な使用のために必要な情報を収集・検討するとともに医師・薬剤師当の関係者に対しこれを提供するよう努めなければならないとされています。
※「努める義務」であり、これに違反したとしてもそのこと自体を理由に罰則等はありません。

義務②    副作用情報提供義務

また、薬機法68条の10により、医薬品の副作用と疑われる疾病、障害または死亡の発生の事実を知ったときはその旨を厚生労働大臣ないし医薬品医療行総合機構に報告する義務があります。
※ 「障害」とは、日常生活に支障をきたす程度の機能不全の発現をさします。

義務③    治療効果以外の作用による危険を未然に防止する義務

そして、医薬品は、疾患に対する治療効果を有する反面、副作用等の有害性をともなうものであるため、その時々の最高の医学・薬学等の学問技術水準に依拠して、医薬品の最終使用者である医師や患者らを含む一般国民に対し、治療効果以外の作用による危険を未然に防止するよう努めなければならない注意義務を負うと考えられています。

また、この注意義務は製造・販売開始段階のみならず、販売開始後においても異ならず、副作用情報等を添付文書に記載することだけでなく、その他適切な手段方法により、医師らに対し、確実に伝達すべき注意義務が課され(東京高判昭和63年3月11日)、これに違反した場合には、副作用を生じた患者に対し、不法行為責任を負うことになるとされています。

まとめ

薬機法上は、適切な情報提供は努力義務であり、違反による罰則等はありません。

もっとも、損害賠償理論上は、適切な情報提供を行わないことが「過失あり」として損害賠償が生じる場合があります(民法709条)。

そのため、適切な情報提供が努力義務にすぎないと侮るのは危険であり、使用者の危険にかかわる医薬品情報は、添付文書・製品表示等に記載する等適切な手段による情報提供を行うことが無難かつ重要です。

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