令和7年12月26日、厚生労働省と経済産業省は、美容所やエステサロンにおけるアートメイク施術について、各都道府県に通知を発出しました。
アートメイクは医行為に該当するため、医師免許を持たない者が施術を行えば医師法第17条違反となります。「○○メイク」「○○タトゥー」など名称を変えても同様です。
本記事では、アートメイクに関する法規制の内容と、違反した場合の罰則を解説します。
通知の概要
ここでは、厚生労働省等が発出した通知の内容を説明します。
厚生労働省医政局医事課長、同省健康・生活衛生局生活衛生課長、経済産業省商務・サービスグループヘルスケア産業課長の連名で、各都道府県衛生主管部局長宛てに通知が発出されました。
通知の主な内容は次のとおりです。
- アートメイクは医師が行うのでなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為である
- 医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反する
- 美容所やエステサロンでアートメイクを実施しないよう営業者に周知徹底を図ること
- 悪質な場合は刑事訴訟法第239条に基づく告発を念頭に警察と連携すること
アートメイクが医行為に該当する理由
ここでは、アートメイクがなぜ医行為に該当するのかを説明します。
医行為の定義
医師法第17条は、医師でなければ医業をしてはならないと定めています。
ここでいう「医業」とは、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為(医行為)を、反復継続する意思をもって行うことです。
アートメイクの内容と危険性
アートメイクとは、針先に色素を付けながら皮膚の表面に墨等の色素を入れる行為のうち、次のものを指します。
- 施術箇所に本来存在しうる人体の構造物(眉毛、毛髪、乳輪・乳頭等)を描く行為
- 化粧に代替しうる装飾(アイライン、チーク、リップ等)を描く行為
これらの行為は、皮膚に針を刺して色素を注入するため、適切な医学的判断・技術なしに行えば、感染症やアレルギー反応など人体に危害を及ぼすおそれがあります。
したがって、アートメイクは医行為に該当します。
名称を変えても医行為に該当
「○○メイク」「○○タトゥー」など、「アートメイク」以外の名称で提供されていたとしても、上記の行為に該当するものは医行為です。
名称を変更しても法的評価は変わりません。
違反した場合の罰則・処分
ここでは、医師法に違反した場合の罰則について説明します。
医師法第17条に違反して無資格で医業を行った場合、3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、又はこれらの併科となります(医師法第31条)。
通知では、悪質な場合は刑事訴訟法第239条に基づく告発を念頭に、警察と連携するよう各都道府県に求めています。
まとめ
アートメイクは医行為であり、医師免許を持たない者が業として行うことは医師法違反となります。
美容所やエステサロンでの施術、「○○メイク」など名称を変えた施術であっても同様です。違反した場合は3年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科される可能性があります。
アートメイクの施術を受ける際は、医療機関で医師の管理の下で行われているか確認することが重要です。

