令和7年11月28日、消費者庁はインターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する監視結果を公表しました。
令和7年7月から9月までの監視の結果、142事業者・155商品について健康増進法に違反するおそれのある表示が確認され、改善指導が行われました。
「熱中症予防」「ダイエット」「美肌効果」など、医薬品的な効能効果を標ぼうする表示が問題となっています。本記事では、監視結果の概要と、健康食品の広告における注意点を解説します。
監視結果の概要
ここでは、消費者庁が公表した監視結果について説明します。
監視の方法
消費者庁は、令和7年7月から9月までの期間、インターネット上の健康食品等の表示を監視しました。
監視は、一般的な検索エンジンを用いてキーワード検索を行い、検索された商品サイトを目視で確認する方法で実施されています。
指導件数
監視の結果、142事業者・155商品について、健康増進法第65条第1項に違反するおそれのある表示が確認されました。
消費者庁はこれらの事業者に対して改善指導を行いました。また、ショッピングモールに出店している事業者については、モール運営事業者にも表示の適正化への協力を依頼しています。
問題となった表示の具体例
ここでは、改善指導の対象となった表示の具体例を説明します。
いわゆる健康食品(135商品)
カプセル、錠剤、顆粒状等の健康食品について、次のような表示が問題となりました。
- 熱中症予防、夏バテ対策、疲労回復
- 免疫力向上、脂肪燃焼、持久力・筋力アップ
- 睡眠サポート、腸内環境改善、ダイエット
- 美肌効果、日焼け防止、シワやシミの解消
- 更年期障害緩和、精力増進
飲料等(12商品)
茶、コーヒー、ココア調製品などについて、次のような表示が問題となりました。
- 生理痛の緩和、ホルモンバランス調節
- 授乳トラブル改善、アンチエイジング
- おなかの調子を整える、抗炎症作用、血行改善
加工食品(8商品)
農産加工品、果実加工品、水産加工品などについて、次のような表示が問題となりました。
- 抗酸化作用、熱中症対策、肌サイクルの活性化
- 疲労回復・筋肉痛の緩和、肝臓機能の強化
- 血液サラサラ、ダイエット、新陳代謝の活発化
健康増進法による広告規制とは
ここでは、健康増進法における広告規制の内容を説明します。
誇大表示の禁止(第65条)
健康増進法第65条第1項は、食品の広告において、健康保持増進効果について著しく事実に相違する表示や著しく人を誤認させる表示を禁止しています。
この規制は「何人も」に適用されるため、製造業者だけでなく、販売業者、広告代理店、アフィリエイター、インフルエンサーなども対象となります。
違反した場合の措置
健康増進法に違反した場合、次の措置が講じられる可能性があります。
- 改善指導:自主的な表示の修正・削除を促す行政指導
- 勧告:国民の健康に重大な影響を与えるおそれがある場合に発出
- 命令:勧告に従わない場合に発出され、違反には罰則あり
事業者が注意すべきポイント
ここでは、健康食品の広告において注意すべき点を説明します。
医薬品的な効能効果の標ぼうは禁止
健康食品は医薬品ではないため、疾病の治療や予防、身体の構造・機能に影響を与えるような効能効果を表示できません。
「○○が治る」「○○を予防する」「○○機能を強化する」といった表示は、健康増進法だけでなく、医薬品医療機器等法(薬機法)にも抵触するおそれがあります。
体験談や口コミにも注意
商品ページに掲載する体験談や口コミについても、虚偽・誇大表示の規制対象となります。
「○○を飲んだら病気が治った」といった体験談を掲載することは、間接的に効能効果を標ぼうすることになるため注意が必要です。
モール出店者も監視対象
楽天市場やAmazonなどのショッピングモールに出店している事業者も監視対象です。
違反が確認された場合は、出店者だけでなくモール運営事業者にも通知が行われ、表示の適正化への協力が依頼されます。
まとめ
消費者庁は、インターネット上の健康食品等の広告を継続的に監視しています。令和7年7月から9月の監視では、142事業者・155商品に対して改善指導が行われました。
健康食品の広告においては、医薬品的な効能効果を標ぼうしないよう注意が必要です。「○○に効く」「○○を予防する」といった表示は、健康増進法違反となるおそれがあります。
自社の広告表示に不安がある場合は、弁護士に相談されることをお勧めします。
