令和3年11月24日、サプリメントの販売業等を営む法人に対して、措置命令が下されました。
措置命令とは?
調査の結果、違反行為であると認められた場合、
- 違反行為の差し止め
- 再発防止策の実施
- 一般消費者への周知徹底
- 今後同様の違反行為を行わないこと
を命じる行政処分です。
概要
✔「『痩せたいけれど我慢したくない!』あなたのために!
✔「食事の気になるカロリーを速攻カット!!」
✔「脂っこい料理 甘~いスイーツ 食べ過ぎてもなかったことに!」
✔「糖質カット 脂質カット 脂肪燃焼 お通じすっきり」
✔「フォーディー 4D ダイエットサプリ」
このような表示をすることにより、こちらのサプリを摂取すれば、サプリに含まれる成分の作用によって、食事から摂取したカロリーがカットされ、体重増加が阻止される効果が得られるかのような表示をしていました。
そのほかにも、
✔糖分をカットしてカロリーを40%カット!
✔脂肪の吸収を抑え、内臓脂肪を減らす
✔脂肪燃焼+便通対策でポッコリお腹に速攻!
✔血行促進と毛細血管の再生で代謝UP!
との表示をしていました。
消費者庁は、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から資料が提出されましたが、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものでした。
優良誤認表示(景品表示法第5条第1号)
第5条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
景品表示法第5条1号
優良誤認表示とは?
商品やサービスの品質、規格その他の内容についての不当表示を指します。
・商品やサービスの内容について、一般消費者に対し、
実際のものよりも著しく優良であると示す表示
・商品やサービスの内容について、一般消費者に対し、
事実に相違して、競争事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示
資料を提出したとしても、こちらのサプリを摂取した結果、サプリに含まれる成分の作用によって、食事から摂取したカロリーがカットされ、体重増加が阻止されるという効果が得られる客観的に実証された内容のものでないと、不当表示とみなされてしまいます。
不実証広告規制とは?
消費者庁は、商品やサービスの効果や性能に優良誤認表示の疑いがある場合、その事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができます。
しかし、資料が提出されたとしても、合理的な根拠を示す資料であると認められない場合には、措置命令や課徴金納付命令が下される可能性があります。
なぜ合理的な根拠と認められないのか?
商品の原材料の効果に関する文献を提出する場合、査読者(著者と同じ研究分野で活動している研究者で、編集者によって選ばれた人物)のいる学術誌に掲載されたものではないと、専門家等の見解又は学術文献とは認められず、客観的に実証された内容ではないものとみなされてしまいます。
商品を用いたヒト試験の報告書を提出する場合、被験者の選定が「体重が重く、体脂肪率が高かった。」等、意図的な場合には、客観的に実証された内容ではないとみなされてしまいます。
また、商品に含有される成分に関する研究論文を提出する場合、その成分に関する一般的な記述があるにすぎない場合には、その商品の効果を実証するものではないものとみなされてしまいます。
訴求したい表示がある場合には、表示の裏付けとなる合理的な根拠を持っておくことが大事です。

このような表示は大丈夫かな?



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