暗号資産の規制|暗号資産を取り巻く日本の法律をわかりやすく解説

暗号資産については、実際の取引の普及が進んでしばらくの期間は、法規制が何ら存在しない状態が続いていました。

2014年当時、世界最大のビットコイン取引所を運営していた日本の企業が破綻したことで、利用者保護の必要性が認識されるようになり、その後、FATFのガイダンスにおいて、暗号資産交換業の登録・免許制等や本人確認義務などの規制を課すべきとの内容が公表されたことに伴い、日本は世界に先駆けて暗号資産(当時は仮想通貨と呼称)を法律で定義し、暗号資産業者に対して所要の規制を課すこととしました。

暗号資産を取り巻く法律については、その後も改正が重ねられ、現在では一定の利用者保護が図られています。

この記事では、これまでの法整備の流れ暗号資産交換業者に課される規制について解説します。

目次

暗号資産を規制する日本の法律にはどんなものがある?

本記事公開日現在、暗号資産を取り巻く日本の主な法律は、以下のとおりです。

  • 資金決済に関する法律(資金決済法)
  • 犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)
  • 金融商品取引法
  • 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(金融サービス提供法)
  • 外国為替及び外国貿易法(外為法)

暗号資産(当時は仮想通貨と呼称)については、2017年4月、改正資金決済法および犯罪収益移転防止法の施行により、暗号資産の売買・交換等が規制の対象となりました。

かかる規制は、暗号資産交換業者の登録制を通じて利用者保護の枠組みを整備するとともに、マネーロンダリングやテロ資金供与の防止・対策のために、登録業者に本人確認義務を課すものでした。

その後、暗号資産交換業者に対する不正アクセスにより、利用者の暗号資産が流出する事案が複数発生したり、暗号資産が当初期待されていた決済手段としてではなく投機的な取引に用いられることが多くなったりしたことを踏まえ、規制強化新たな類型の取引に対応すべく、以下のとおり、段階的に法改正が進められてきました。

Step
2017年4月 資金決済法・犯罪収益移転防止法改正

・暗号資産(当時は仮想通貨と呼称)を法令用語として定義
・暗号資産交換業者の登録制
・本人確認義務

Step
2020年5月 資金決済法・金融商品取引法・金融サービス提供法改正

・仮想通貨の名称を暗号資産に変更
・カストディ業務を規制対象に追加
・利用者財産の保全の強化
・暗号資産デリバティブ取引・STOに関する規制の整備
・説明義務違反を理由とした不法行為に基づく損害賠償請求にかかる顧客の負担の軽減

Step
2022年5月 外為法改正

暗号資産が経済制裁の抜け穴となるのを防ぐための制度の見直し

Step
2023年6月 犯罪収益移転防止法改正

トラベル・ルールの導入

各法令が、暗号資産交換業者に対して、どのような規制を課しているのか、次章以下で詳しく解説します。

※以下、本記事では法令名やガイドライン等を略称で表記します。

資金決済法における暗号資産に関する規制の内容

暗号資産交換業者に対する資金決済法の規制の主なポイントは、以下のとおりです。

  • 暗号資産交換業者の登録制
  • 変更の届出
  • 広告規制
  • 禁止行為の規制
  • 利用者財産の分別管理義務

以下で詳しく解説します。

暗号資産交換業者の登録制

資金決済法は、暗号資産交換業を行うためには、内閣総理大臣の登録を受けなければならないとしています(資金決済法第63条の2)。

暗号資産交換業とは、以下のいずれかの行為業として行うことをいいます(資金決済法第2条15項)。

  1. 暗号資産の売買または他の暗号資産との交換
  2. ①に掲げる行為の媒介・取次ぎまたは代理
  3. ①・②に掲げる行為に関して、利用者の金銭の管理をすること
  4. 他人のために暗号資産の管理をすること

業として行うとは、対公衆性のある行為で反復継続性をもって行うものと解されています(事務ガイドラインⅠ-1-2-2①。)

そのため、専ら自らの投資目的で暗号資産の売買・交換を行うことは、業として行うことには該当しないと考えられます。

なお、2020年の法改正で、④の他人のための暗号資産を管理することが追加されたことに伴い、カストディ業務も暗号資産交換業として規制対象となり、暗号資産交換業者として登録が必要になりました。

変更の届出

暗号資産交換業者は、取り扱う暗号資産の名称暗号資産交換業の内容・方法のうち、一定の事項を変更しようとするときは、事前届出を行う必要があります(資金決済法第63条の6)。

具体的には、登録申請書の記載事項のうち、以下の事項を変更しようとするときに事前届出が義務付けられています。

  • 暗号資産交換業の種類またはこれに準ずる事項
  • 利用者からの申込の受付方法
  • 履行保証暗号資産の管理方法

取り扱う暗号資産の名称を変更する場合でも、その暗号資産について取り扱いをやめる場合や、暗号資産に用いられている技術や仕様の変更を理由に、その暗号資産の保有者に対して新たな暗号資産が付与される場合は、事前届出の必要はありません(暗号資産交換業の業務に関してあらかじめ知り得た場合を除く)。

なお、登録申請書の記載事項のうち、上記以外の事項を変更する場合は、変更後に遅滞なく届け出ることで足ります。

広告規制

暗号資産交換業者は、暗号資産交換業に関して広告をするときは、以下の事項を表示しなければなりません(資金決済法第63条の9の2)。

  1. 暗号資産交換業者の商号
  2. 暗号資産交換業者である旨および登録番号
  3. 暗号資産は本邦通貨または外国通貨ではないこと
  4. 暗号資産の価値の変動を直接の原因として損失が生じるおそれがあるときは、その旨および理由
  5. 暗号資産は代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り、代価の弁済のために使用できること

広告をするにあたっては、上記の事項を明確かつ正確に表示しなければならず、③~⑤の事項については、それ以外の事項の文字・数字のうち最も大きなものと著しく異ならない大きさで表示する必要があります。

禁止行為の規制

暗号資産交換業は、暗号資産の売買等の契約締結またはその勧誘暗号資産交換業に関する広告の際に、以下の事項について人を誤認させるような表示をしていけません(資金決済法第63条の9の3)。

  1. 暗号資産の性質
  2. 暗号資産の保有または移転の仕組みに関する事項
  3. 暗号資産の取引数量もしくは価格の推移またはこれらの見込みに関する事項
  4. 暗号資産交換業の資力または信用に関する事項
  5. 暗号資産に表示される権利義務の内容に関する事項
  6. 暗号資産の発行者や発行しようとする者、暗号資産に表示される権利にかかる債務者、暗号資産の価格または仕組みに重大な影響を及ぼすおそれがある者の資力や信用またはその行う事業に関する事項
  7. 暗号資産交換業の利用者が支払うべき手数料・報酬等の金額やその上限額、計算方法に関する事項

なお、暗号資産交換業に関する広告においては、裏付けとなる合理的根拠を示さずに、上記事項に関する表示を行うことも禁止されています。

利用者財産の分別管理義務

暗号資産交換業者は、利用者の金銭および暗号資産を管理する場合には、自己の財産と分別して管理する義務を負います。

加えて、上記分別管理の状況について、定期的に公認会計士または監査法人の監査を受けなければなりません(資金決済法第63条の10)。

利用者の金銭の管理

暗号資産交換業者は、利用者の金銭を、自己の金銭と分別して管理し、信託会社等に対し金銭信託をしなければなりません。

具体的には、以下のとおり当事者を定めて、利用者区分管理信託を行うことが必要とされています。

  • 委託者:暗号資産交換業者
  • 受託者:信託会社等
  • 元本の受益者:暗号資産交換業の利用者

なお、弁護士等は信託契約に際して、受益者の代理人を務められます。

利用者の暗号資産の管理

暗号資産交換業者は、利用者の暗号資産を、自己の暗号資産と分別して管理しなければなりません(資金決済法第63条の11)。

管理の方法は、利用者の保護に欠けるおそれが少ないものとして、内閣府令で定める方法で管理することが求められています。内閣府令は、利用者の暗号資産を移転するために必要な情報を、いわゆるコールドウォレット等で保管することを要求しています。

すなわち、次のようにオフラインで暗号資産を管理する必要があります。

  1. 常にインターネットに接続していない電子機器・電磁的記録媒体その他の記録媒体に記録して管理する方法
  2. ①と同等の技術的安全管理措置を講じて管理する方法

一度でもインターネットに接続したことがある電子機器等は①に該当しないと解されているため、注意しましょう(事務ガイドラインⅡ―2-2-3-2⑶⑤)。

②の同等の技術的安全管理措置が講じられているかどうかは、個別事例ごとに実体に即して判断する必要がありますが、金融庁が公表している事務ガイドラインでは、例として以下のような方法が挙げられています。

例えば、対象暗号資産を移転するために必要な秘密鍵等が、署名時に限りインターネットに接続される電子機器等に記録して管理されているが、当該電子機器等に記録されている秘密鍵等が当該電子機器等から外部に一切移転せず当該電子機器等の中で署名を行うことができる技術的仕様となっており、かつ、当該秘密鍵等による署名が手動で行われることにより、その都度、取引内容の真正性が確認される場合などが考えられる。

事務ガイドライン第三分冊:金融会社関係|金融庁 (fsa.go.jp)

もっとも、すべての暗号資産をコールドウォレット等で管理することは、利用者の利便性や暗号資産交換業の円滑な遂行に対する過大な制約になるため、一定の数量の暗号資産に限り、内閣府令で定める要件のもと、コールドウォレット等以外の管理が認められています。

一定の数量は、具体的には、管理する暗号資産の数量を法定通貨(日本円)に換算した金額が、その管理する利用者の暗号資産の数量を日本円に換算した金額100分の5を乗じて得た金額です(暗号資産交換業府令第27条の2)。

コールドウォレット以外の方法としては、いわゆるホットウォレット等による管理が想定されるところ、ホットウォレット等では流出リスクが排除できません。そのため、暗号資産交換業者は、当該ホットウォレット等により管理する暗号資産については、同じ種類・数量の暗号資産(これを履行保証暗号資産といいます。)を自己の暗号資産として保有することが義務付けられています。

履行保証暗号資産は、それ以外の自己の暗号資産と分別して管理し、コールドウォレット等によって管理することが求められます。

犯罪収益移転防止法における暗号資産に関する規制の内容

暗号資産交換業者に対する犯罪収益移転防止法の規制の主なポイントは、以下のとおりです。

  • 取引時確認の実施義務
  • 確認記録の作成・保存義務
  • 取引記録の作成・保存義務
  • 疑わしい取引の判断・届出義務

以下で詳しく解説します。

取引時確認の実施義務

暗号資産交換業者は、以下の取引を行う場合、犯罪収益移転防止法に基づき取引時確認を行う義務があります(犯罪収益移転防止法第4条1項)。

  • 暗号資産の売買・交換を継続的または反復して行う契約を締結する場合
  • 暗号資産の売買・交換の媒介等を継続的または反復して行う契約を締結する場合
  • 暗号資産の売買・交換又はこれらの媒介等に関して利用者の金銭の管理をする場合
  • 他人のために暗号資産を管理をする場合
  • 10万円を超える暗号資産の売買・交換
  • 10万円を超える暗号資産の売買・交換の媒介等
  • 10万円を超える顧客等の移転を行う場合

上記以外の取引でも、取引において収受する財産が犯罪による収益である疑いがある場合などには、取引時確認を行わなければなりません(犯罪収益移転防止法施行令第7条)。

通常の取引時確認において、確認の対象となる事項は以下のとおりです。

  1. 顧客の氏名・住居・生年月日(法人の場合は名称・本店または主たる住所の所在地)
  2. 代表者や取引担当者の氏名・住居・生年月日(法人の場合)
  3. 取引を行う目的
  4. 職業(法人の場合は事業の内容)
  5. 実質的支配者があるときは実質的支配者の氏名・住居・生年月日(法人の場合)

暗号資産交換業者が顧客との間で行う取引が、次のようなハイリスク取引に該当する場合には、厳格な取引時確認が必要です(犯罪収益移転防止法第4条2項、犯罪収益防止法施行令第12条)。

  • 取引の相手方が顧客になりすましている疑いがある取引
  • 過去の取引時確認の際に確認の対象となる事項を偽っていた疑いがある顧客との取引
  • イランや北朝鮮の居住者等の取引
  • 外国政府高官等との取引

厳格な取引時確認が必要な取引が200万円を超える財産の移転を伴う場合には、通常の取引時確認の確認事項に加えて、資産および収入の状況の確認が必要です。

なお、暗号資産交換業者の取引はインターネット上で行われているため、取引時確認は顧客と対面することなく行われるのが一般的です。非対面の方法で取引時確認を行う場合は、下表で示すいずれかの方法による必要があります(犯罪収益防止法施行令第6条)。

オンラインで完結可能な確認方法の種類

  1. 顧客から写真付き本人確認書類の画像本人の容貌の画像の送信を受ける方法
  2. 顧客から写真付き本人確認書類のICチップ情報本人の容貌の画像の送信を受ける方法
  3. 顧客から1枚限り発行される本人確認書類の画像またはICチップ情報の送信を受けるとともに、銀行等の預貯金取扱機関またはクレジットカード会社に当該顧客の本人特定事項を確認済みであることを確認する方法
  4. 顧客から1枚限り発行される本人確認書類の画像またはICチップ情報の送信を受けるとともに、当該顧客の預貯金口座(銀行等において本人特定事項を確認済みであるもの)に金銭を振り込み、当該顧客から当該振込を特定するために必要な事項が記載されたインターネットバンキング画面の画像等の送付を受ける方法

それ以外の非対面による確認方法の種類

  1. 本人確認書類の原本の送付、本人確認書類のICチップ情報の送信または事業者が提供するソフトウェアを使用して撮影させた写真付きの本人確認書類の画像の送信のいずれかを受けるとともに、顧客に取引関係文書を転送不要郵便物等として送付する方法
  2. 2種類の本人確認書類の写しの送付、または本人確認書類の写し+現在の住居の記載がある補完書類の原本または写しの送付のいずれかを受けるとともに、顧客の取引関係文書を転送不要郵便物等として送付する方法

参照:犯罪収益移転防止法におけるオンラインで完結する本人確認方法の概要|金融庁 (fsa.go.jp)

確認記録の作成・保存義務

暗号資産交換業者は、取引時確認を行ったときは、直ちに確認記録を作成し、取引終了日から7年間保存しなければなりません(犯罪収益移転防止法第6条)。

取引記録の作成・保存義務

暗号資産交換業者は、取引を行ったときは、その取引が少額である場合等(財産移転を伴わない取引や1万円以下の少額の取引等である場合)を除き、直ちに取引記録等を作成し、取引日から7年間保存することが義務付けられています(犯罪収益移転防止法第7条)。

疑わしい取引の判断・届出義務

暗号資産交換業者には、取引について、以下の疑いがあるかどうかを判断し、疑いがあると認められる場合には、速やかに行政庁に届出を行う義務があります(犯罪収益移転防止法第8条1項)。

  • 収受した財産が犯罪による収益である疑い
  • 顧客が取引に関しマネーロンダリング等の罪に該当する行為を行っている疑い

暗号資産交換業者は、取引時確認等の措置を的確に行うため、次のような体制を整備する義務を負います(犯罪収益移転防止法第11条)。

  • 取引時確認をした事項にかかる情報を最新の内容に保つための措置
  • 使用人に対する教育訓練や取引時確認等の措置の実施に関する規定の作成

金融商品取引法における暗号資産に関する規制の内容

暗号資産交換業者に対する金融商品取引法の規制の主なポイントは、以下のとおりです。

  • 暗号資産デリバティブ取引の参入規制
  • 暗号資産デリバティブ取引の行為規制
  • 不正行為および風説の流布・相場操縦行為等の禁止

以下で詳しく解説します。

暗号資産デリバティブ取引の参入規制

暗号資産デリバティブ取引を業として行おうとする場合は、第一種金融商品取引業の登録が必要です(金融商品取引法第28条)。

金融商品市場や外国金融商品市場によらずに、顧客に対して暗号資産デリバティブ取引を提供する行為は、金融商品取引法上の店頭デリバティブ取引に該当するからです。

既に登録を受けている金融商品取引業者が、新たに暗号資産デリバティブ取引を行う場合には、変更登録が必要です(金融商品取引法第31条)。

暗号資産デリバティブ取引の行為規制

暗号資産デリバティブ取引を行う金融商品取引業者は、通常の金融取引業を行う場合の規制に加えて、暗号資産の特性等を踏まえた行為規制が追加的に課せられています。

事前届出

暗号資産デリバティブ取引を行う金融商品取引業者が、デリバティブ取引の原資産とする暗号資産や金融指標の名称を変更しようとするときは、事前届出を行う必要があります(金融商品取引法第31条)。

広告規制

暗号資産デリバティブ取引について広告等を行う場合には、商号や登録番号など金融商品取引業者なら広告等に通常表示しなければならない事項加えて以下の事項を表示しなければなりません(金融商品取引法第37条1項)。

  • 暗号資産は本邦通貨または外国通貨ではないこと
  • 暗号資産は代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り、代価の弁済のために使用できること

さらに、金融商品取引業者であれば、通常、誇大広告が禁止されている事項に加えて、以下の事項についても誇大広告をしてはならないとされています(金融商品取引法第37条2項)。

  1. 暗号資産の性質
  2. 暗号資産の保有または移転の仕組みに関する事項
  3. 暗号資産の取引高や価格の推移、これらの見込みに関する事項
  4. 暗号資産に表示される権利義務の内容に関する事項
  5. 暗号資産の発行者や発行しようとする者、暗号資産に表示される権利に係る債務者、暗号資産の価値や仕組みに重大な影響を及ぼすおそれのある者の資力・信用、その行う事業に関する事項

勧誘規制

暗号資産デリバティブ取引については、勧誘を要請していない顧客に対し、訪問または電話により契約締結を勧誘する行為(不招請勧誘)や、勧誘を受けた顧客が契約の締結をしない旨の意思を表示したにもかかわらず当該勧誘を継続する行為(再勧誘)が禁止されています(金融商品取引法施行令第16条の4)。

金融商品取引業者が暗号資産デリバティブ取引に関して勧誘・契約締結を行う場合には、通常禁止される行為に加え、以下の行為も禁止されています(金商業府令第117条1項41、42)。

  • 顧客に対し、裏付けとなる合理的な根拠を示さずに暗号資産の性質等に関する表示をする行為
  • 顧客に対し、暗号資産デリバティブ取引について広告をする場合に、表示義務の対象となる事項を明瞭かつ正確に表示せずに契約締結の勧誘をする行為

証拠金規制

金融商品取引業者が暗号資産デリバティブ取引を行う場合は、以下の比率を乗じて得た額を、証拠金として預託しなければなりません(金商業府令第117条1項47~51、52)。

顧客が個人の場合

証拠金の額 = 暗号資産デリバティブ取引の額の50% (レバレッジ倍率2倍)

顧客が法人の場合

証拠金の額 = 暗号資産デリバティブ取引に告示で定める暗号資産リスク想定比率を乗じて得た額

なお、法人顧客に適用する暗号資産リスク想定比率は、以下のいずれかによる方法をも陥ることが許容されています。

  1. 自社で算出する
  2. 算出を外部に委託する
  3. 金融商品取引業協会(一般社団法人日本暗号資産取引業協会)が算出・公表する数値を用いる

暗号資産でリバティブ取引の証拠金は、有価証券または暗号資産をもって充てられます。

禁止行為

金融商品取引業者は、金融商品取引行為を行う場合に一定の行為が禁止され(金融商品取引業法第38条)、一定の業務運営状況に該当してはならないこととされています(金商業府令第117条1項、第123条1項)。

暗号資産デリバティブ取引を行う金融商品取引業者は、他の金融商品取引行為を行う場合に加えて、以下の規制が課されます。

追加的に規制される禁止行為

  • 顧客が不公正取引を行うおそれがあることを知りながら、これらの取引またはその受託等をする行為(金商業府令第117条4項43)
  • 暗号等資産等の相場若しくは相場若しくは取引高に基づいて算出した数値を変動させ、または取引高を増加させる目的をもって、当該暗号等資産等に係るデリバティブ取引またはその申込み若しくは委託等をする行為(金商業府令第117条4項44)
  • 暗号等資産等の相場若しくは相場若しくは取引高に基づいて算出した数値を変動させ、または取引高を増加させることにより実勢を反映しない作為的なものとなることを知りながら、当該暗号等資産等に係るデリバティブ取引(有価証券等清算取次ぎを除く。)の受託等をする行為(金商業府令第117条4項45)
  • 自己または第三者の利益を図ることを目的として、その行う金融商品取引業等の対象とし、若しくは対象としようとする有価証券の売買その他の取引等に係る暗号等資産等または当該金融商品取引業者等に関する重要な情報であって顧客の暗号等資産等に係る有価証券の売買その他の取引等に係る判断に影響を及ぼすと認められるものを、第三者に対して伝達し、または利用する行為(当該金融商品取引業者等の行う金融商品取引業等の適正かつ確実な遂行に必要なものを除く。)(金商業府令第117条4項46)

該当してはならない業務運営状況として追加される状況

  • 不適切な暗号資産を原資産とするデリバティブ取引を取り扱わないために必要な措置を講じていないと認められる状況(金商業府令第123条1項31)
  • 不公正取引の防止を図るために必要な措置を講じていないと認められる状況(金商業府令第123条1項32)
  • 暗号等資産等の相場もしくは相場・取引高に基づいて算出した数値を変動させ、または取引高を増加させることにより実勢を反映しない作為的なものを形成させるべき当該暗号等資産等に係るデリバティブ取引や、その申込み等をする行為を防止するための売買管理が十分でないと認められる状況(金商業府令第123条1項33)
  • 暗号等資産等または当該金融商品取引業者等に関する重要な情報であって、顧客の暗号等資産等に係る有価証券の売買その他の取引等に係る判断に影響を及ぼすと認められるものを適切に管理するために必要な措置を講じていないと認められる状況(金商業府令第123条1項34)
  • 暗号資産等関連デリバティブ取引について、ロスカットを行うための十分な管理体制を整備していない状況(金商業府令第123条1項35)
  • 暗号資産等関連デリバティブ取引について、ロスカット取引を行っていないと認められる状況(金商業府令第123条1項36)

説明義務

金融商品取引業者が暗号資産デリバティブ取引を行う場合には、暗号資産の性質に関するものとして、以下の事項を説明しなければいけません(金融商品取引法第43条の6第1項)。

  • 暗号資産は本邦通貨または外国通貨ではないこと
  • 暗号資産の価値の変動を直接の原因として損失が生じるおそれがあるときは、その旨および理由
  • 暗号資産は代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り、代価の弁済のために使用できること
  • 暗号資産デリバティブに関する暗号資産の概要および特性
  • その他暗号資産の性質に関し顧客の注意を喚起すべき事項

誤認表示禁止

金融商品取引業者は、暗号資産でリバティブ取引に関して、契約の締結またはその勧誘に際し、以下の事項について顧客に誤認させるような表示はしてはいけません(金融商品取引法第43条の6第2項)。

  1. 暗号資産の性質
  2. 金融商品取引業者等の資力・信用に関する事項
  3. 金融商品取引業者等の金融商品取引業の実績に関する事項
  4. 金融商品取引契約に関して顧客が支払うべき手数料等の額やその計算方法、支払の方法・時期・支払先に関する事項
  5. 暗号資産の保有または移転の仕組みに関する事項
  6. 暗号資産の取引高や価格の推移、これらの見込みに関する事項
  7. 暗号資産に表示される権利義務の内容に関する事項
  8. 暗号資産を発行者や発行しようとする者、暗号資産に表示される権利にかかる債権者、暗号資産の価値・仕組みに重大な影響を及ぼすおそれがある者の資力・信用、その行う事業に関する事項

不正行為および風説の流布・相場操縦行為等の禁止

融商品取引法は、暗号資産の売買・交換および暗号資産デリバティブ取引等に関し、次の行為を禁止しています(金融商品取引法第185条の22~24)。

  • 不正行為
  • 風説の流布等
  • 相場操縦行為等

これらに違反した場合は、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金の対象となります。

財産上の利益を得る目的で、暗号資産の取引に関する不公正取引規制に違反して暗号資産等の相場を変動させたり、変動させた相場によって当該暗号資産にかかる暗号資産の売買やデリバティブ取引等を行ったりした場合には、10年以下の懲役または3,000万円以下の罰金に処せられます。

金融サービス提供法における暗号資産に関する規制の内容

2020年5月1日に施行された改正金融サービス提供法では、第3条の金融商品の販売の定義に、暗号資産を取得させる行為が追加されました。

暗号資産交換業者は、内閣府令で定めるところにより、利用者に対し、暗号資産の性質の説明契約締結前の情報提供取引記録の提供など利用者の保護等に関する措置を講じなければなりません。

この規制は、資金決済法第63条の10で規定されているところ、資金決済法は暗号資産交換業者の監督を目的とする規制であるため、暗号資産交換業者が説明義務に違反したからといって、顧客に対する不法行為責任を基礎づけることが難しいとされていました。

そのため、顧客が暗号資産交換業者に対し説明義務違反に基づく損害賠償請求を行う際には、顧客側により具体的な説明義務の存在を立証する必要がありました。

そこで、顧客の負担を軽減すべく、2020年5月、金融サービス提供法の改正により、明示的に金融商品販売業者等に対し、重要事項について顧客に説明する義務を課しました。

具体的には、金融サービス提供法第4条1項1号・2号では、金融商品に係る価格変動リスクに係る説明を義務付けています。暗号資産は、現物取引についてはビットコインの価格等のその他の指標に係る変動を直接の原因として元本欠損が生ずるおそれがあり、暗号資産の証拠金取引については当初元本を上回る損失が生ずるおそれがあるため、次の①ないし③を説明することが求められます。

  1. その旨
  2. 当該指標
  3. 当該取引の仕組みのうちの重要な部分

同項3号・4号は、金融商品販売業者等の信用リスクに係る説明を義務付けています。暗号資産については、暗号資産の販売業者の破綻等により元本欠損や当初元本を上回る損失が生ずるおそれがあるときは、上記①~③の説明が求められることとなります。

外為法における暗号資産に関する規制の内容

2022年5月、暗号資産が経済制裁の抜け穴となることを防ぐため、外為法の改正が施行されました。

暗号資産交換業者に対する外為法の規制の主なポイントは、以下のとおりです。

  • 制裁対象者との間の国際的な支払等などの許可制
  • 制裁対象者との間の資本取引などの許可制
  • 適法性確認義務
  • 国際的な支払等を取り扱う銀行等の本人確認義務
  • 国際的な資本取引を取り扱う銀行等の本人確認義務
  • 報告義務

以下で詳しく解説します。

制裁対象者との間の国際的な支払等などの許可制

外為法は、一定の制裁対象者への支払やその者から支払を受けることを主務大臣による許可の対象としています(外為法第16条)。

具体的には、日本から外国へ向けた支払または居住者による非居住者との間の支払支払の受領で、以下に該当するものを許可の対象としています(外為法 第21条1項、外為令第6条1項、支払等に関する告示)。

  1. 一定の制裁対象者に対する支払
  2. 一定の制裁対象者による、日本から外国へ向けた支払
  3. 一定の制裁対象者からの支払の受領
  4. 一定の制裁対象活動に寄与する目的で行う取引又は行為に係る支払・支払の受領
  5. 居住者による日本から外国へ向けた支払で、当該居住者が他の居住者又は非居住者と共同して設立する組合その他の団体によるロシア連邦における事業活動に充てるものなど

上記支払等には暗号資産を移転する行為が含まれており、改正前より、上記に該当する暗号資産の移転は許可の対象となっています。

上記の許可を受けずに支払等をした場合、3 年以下の懲役若しくは 100 万円以下(違反行為の目的物の価格の 3 倍が 100 万を超えるときは、当該価格の 3 倍以下)の罰金またはこれらの併科の対象となります(外為法第70条1項)。

制裁対象者との間の資本取引などの許可制

改正により、居住者と非居住者間以下の契約に基づく暗号資産の移転を求める権利の発生等に係る取引を、資本取引とみなして外為法の規定を適用することとされました。

  • 暗号資産の管理に関する契約
  • 暗号資産の貸借契約
  • 暗号資産を移転する義務の保証契約
  • 暗号資産の売買または他の暗号資産との交換に関する契約

これにより、資本取引のうち以下に該当するもの許可の対象とされました。

  1. 一定の制裁対象者との暗号資産の管理に関する契約で、居住者が暗号資産を受け入れないもの
  2. 一定の制裁対象者との暗号資産の管理に関する契約で、居住者が暗号資産を受け入れるもの
  3. 一定の制裁対象者に対する暗号資産の貸付契約
  4. 一定の制裁対象者からの暗号資産の借入契約等
  5. 暗号資産の貸付による対外直接投資で、ロシア連邦で行われる事業に係るもの等

適法性確認義務

改正により、暗号資産交換業者には、適正確認義務が課せられることとなりました。

すなわち、暗号資産交換業者は、暗号資産の移転時に、顧客の支払等が以下のいずれにも該当しないことを確認する義務を負います(外為法第17条の4)。

顧客の支払等が許可の対象に該当する場合、暗号資産交換業者は、許可を受けていることを確認した後でなければ、その支払や売買・交換の媒介等に係る暗号資産の移転を行えません。

暗号資産交換業者が、上記の確認義務や禁止に違反して暗号資産の移転を行った場合やそのおそれがある場合は、是正措置業務停止を命じられる可能性があります。

国際的な支払等を取り扱う銀行等の本人確認義務

改正により、暗号資産交換業者には顧客の本人確認義務が課されました。

具体的には、暗号資産交換業者は、以下の①および②を満たす暗号資産の移転を行う場合、原則として、顧客の本人確認を行わなければなりません。

①以下のいずれかに該当すること

  • 顧客による、日本から外国へ向けた支払
  • 居住者である顧客による、非居住者への支払
  • 居住者である顧客による、非居住者からの支払の受領

②当該移転に係る暗号資産の価額が 10 万円に相当する額を超えること

もっとも、暗号資産交換業者は、すでに犯罪収益移転防止法に基づき取引時確認の義務を負っているため、新たに顧客の本人確認が必要となるのは、居住者である顧客が非居住者から10万円を超える暗号資産を受領する場合など、限定的になると考えられます。

暗号資産交換業者は、本人確認を行った場合、本人確認記録を作成し、7 年間保存しなければなりません。暗号資産交換業者が、本人確認義務や本人確認記録の作成・保存義務に違反した場合、是正措置を命じられる可能性があります。

※経過措置により、施行前に犯罪収益移転防止法の取引時確認を行っていれば本人確認が不要となる場合もあります。

国際的な資本取引を取り扱う銀行等の本人確認義務

暗号資産交換業者は、顧客と以下の契約を締結する場合、原則として、顧客の本人確認を行う義務を負います。

  • 非居住者である顧客の暗号資産を管理する契約
  • 非居住者である顧客に暗号資産を貸し付ける契約
  • 非居住者である顧客と暗号資産を売買・交換する契約(10 万円以下・単発のものを除く)
  • 非居住者である顧客が居住者との間で暗号資産の売買・交換することを媒介等する契約(10万円以下・単発のものを除く)
  • 居住者である顧客が非居住者との間で暗号資産の売買・交換することを媒介等する契約(10万円以下・単発のものを除く)

ただし、暗号資産交換業者が、顧客についてすでに本人確認を行い、本人確認記録を保存している場合で、以下のいずれかの方法ですでに本人確認を行っていることを確認できるときは、本人確認義務は課されません。

  1. 顧客が本人確認記録に記録されている顧客と同一であることを示す書類(例:預貯金通帳など)その他のものの提示または送付を受ける方法
  2. 顧客しか知り得ない事項など、顧客が本人確認記録に記録されている顧客と同一であることを示す事項の申告を受ける方法

※経過措置により、施行前に犯罪収益移転防止法の取引時確認を行っていれば本人確認が不要となる場合もあります。

報告義務

暗号資産交換業者は、以下に該当する暗号資産の移転を行った場合で、その支払等の額が 3,000 万円を超える場合は、原則として、支払等の内容等を主務大臣に報告しなければなりません(外為法第55条、外為令 第18条 の 4)。

  1. 日本から外国へ向けた支払をした居住者または非居住者
  2. 外国から日本へ向けた支払の受領をした居住者または非居住者
  3. 日本又は外国において、非居住者との間で支払等をした居住者

暗号資産交換業者が、3,000 万円を超える暗号資産の売買・交換の媒介等を行った場合も同様に報告義務を負います。具体的には、20 日以内に所定の報告書を日本銀行を経由して財務大臣に提出します(オンラインでも提出可)。

報告義務に違反したり、虚偽の報告をしたりした場合は、6か月以下の懲役または 50 万円以下の罰金の対象となります。

暗号資産交換業における自主規制団体とは?

資金決済法および金融商品取引法では、国が、認定資金決済事業者協会認定金融商品取引業協会として暗号資産の自主規制団体を公式に認定できる旨が定められています(資金決済法第98条、金融商品取引法第78条)。

自主規制団体の概要

日本では、一般社団法人日本暗号資産取引業協会(JVCEA)が、暗号資産交換業における自主規制団体として正式に認定されています。

同協会は、資金決済法に基づく認定資金決済事業者協会と、金融商品取引法に基づく認定金融商品取引業協会を兼ねています。つまり、暗号資産交換業における自主規制団体であると同時に、暗号資産関連デリバティブ取引業における自主規制団体でもあります。

同協会の会員は、以下3種類の会員で構成されています。

  • 第一種会員:暗号資産交換業者・暗号資産関連デリバティブ取引業者等
  • 第二種会員:暗号資産交換業者または暗号資産関連デリバティブ取引業者となるための登録申請中または登録申請を予定する事業者
  • 第三種会員:同協会の⽬的に賛同する者

参照:一般社団法人日本暗号資産取引業協会(JVCEA)

自主規制業務の内容

一般社団法人日本暗号資産取引業協会は、会員の行う暗号資産交換業及び暗号資産関連デリバティブ取引業の適切かつ円滑な実施を確保し、その健全な発展及び利⽤者の保護並びに投資者の保護に資することを⽬的として、以下のような業務を行っています。

  • 自主規制規則の制定
  • 会員に対する監査、モニタリング、情報提供
  • 会員に対する指導、勧告及び処分
  • 会員からの業務相談
  • 暗号資産交換業に関する苦情受付
  • 利用者等への情報提供
  • 暗号資産関連取引に係る統計調査

参照:一般社団法人日本暗号資産取引業協会(JVCEA)協会の業務内容について

暗号資産の規制に関するQ&A3選

暗号資産の規制に関してよくある質問とその答えを紹介します。

暗号資産の発行者も暗号資産交換業の登録が必要?

暗号資産の発行者が、資金調達目的で不特定多数者に対して暗号資産を売却する場合(ICOの場合)は、業として売買を行っていることになるため、暗号資産交換業者の登録が必要です。

他方、発行者の委託に基づき、新規暗号資産の販売行為を暗号資産交換業者が行い、発行者が販売行為を全く行わない場合(IEOの場合)、発行者において暗号資産交換業の登録は不要です。

もっとも、IEOの場合、委託を受ける暗号資産交換業者は取り扱い暗号資産を変更する事前届出が必要となり、その届出に至るまでには以下のプロセスが必要となります。

  1. 発行者から暗号資産交換業者へのIEOの打診
  2. 暗号資産交換業者による受託販売審査
  3. 一般社団法人日本暗号資産取引業協会による②の審査結果の検証
  4. 金融庁フィンテックモニタリング室による審査
  5. 暗号資産交換業者による金融庁への取り扱い暗号資産の変更届出

したがって、IEOの場合も、実際は許可制に近い厳格な運用がなされていると言えます。

海外に法人を設立すれば資金決済法の適用を回避できる?

海外法人を設立した場合でも、国内居住者に向けた営業行為を行う場合は、日本の資金決済法が適用されます。
資金決済法上、登録を受けていない外国暗号資産交換業者は、国内にある者に対して、暗号資産交換業に該当する行為の勧誘をすることを禁止しているからです(資金決済法第63条の22)。

トラベル・ルールとは?利用者への影響は?

トラベル・ルールとは、利用者の依頼を受けて暗号資産の送付を行う暗号資産交換業者は、送付依頼人と受取人に関する一定の事項を、送付先となる受取人側の暗号資産交換業者に通知しなければならないというルールです。

トラベル・ルールは、マネーロンダリングおよびテロ資金供与対策に関する国際基準を定める国際組織であるFATF(金融活動作業部会)が、テロリストその他の犯罪者が自由に電子的な資金移転システムを利用することを防ぎ、不正利用があった場合にその追跡を可能とすることを目的として策定し、各国に遵守することを求めているものです。

日本では、2023年6月、犯罪収益防止法の改正により、暗号資産のトラベル・ルールの実施が義務付けられました。

通知すべき事項は以下のとおりです。

自然人(個人)の場合

送付人情報① 氏名
② 住居or顧客識別番号等
③ 送付に用いた暗号資産アドレス
受取人情報④ 氏名
⑤ 送付先暗号資産アドレス

法人の場合

送付人情報① 名称
② 本店または主たる事務所の所在地または顧客識別番号等
③ 送付に用いた暗号資産アドレス
受取人情報④ 氏名
⑤ 送付先暗号資産アドレス

トラベル・ルールの導入によって、利用者には以下のような影響・デメリットが生じることが考えられます。

  • 送金前に送金先情報の把握が必要になる
  • 送金可能な暗号資産が限定的になる場合がある
  • 異なるソリューションを採用する取引所間では送金ができなくなる場合がある

さいごに

暗号資産を取り巻く法律は、今後もアップデートされていくでしょう。暗号資産取引に関わる事業者は、最新の情報をチェックし、法が定める内容を十分に理解して適切に対応していくことが求められます。

事業を適切に行うためには、暗号資産特有の法的問題やリスクマネジメントの観点から、投資支援業務に明るい専門家とともに慎重に検討を行うべきです。

ネクスパート法律事務所には、暗号資産などのWeb3に関する専門チームがあります。

暗号資産等に関する法務の研鑽を重ね、集積された知見を基にWeb3関連ビジネスに対して、最善のサポートを提供しますので、お気軽にお問い合わせください。

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