離婚をすると、それに伴ってさまざまな手続きが必要となります。
この記事では、離婚届を提出すると同時にできる手続きと、提出した当日にできる手続きをそれぞれ紹介します。
できるだけ効率良く手続きを済ませ、手続き漏れがないようにするために参考にしてください。
ネクスパート法律事務所が
問題解決に向けて全力でサポートいたします
目次
離婚届と同時にできる5つの手続きは?
離婚届を提出すると同時にできる手続きは、以下の5つです。
住民票の異動届
離婚届の提出と同時に住民票の異動ができます。
住民票の異動は変更があった日から14日以内に届け出るように、住民基本台帳法で定められていますので、忘れないように離婚届の提出と同時に済ませましょう。
同じ市区町村内で引っ越す場合は、転居届を窓口に提出すれば足ります。
別の市区町村へ引っ越す場合は、これまで住んでいた場所の役所に転出届を提出し、その際に発行される転出証明書を新しく住む場所の役所に転入届とともに提出します。
離婚に伴い転居しない場合でも、世帯主が変わったときや世帯を分けたときは、変更が生じた日から14日以内に届出をしましょう。
新しい戸籍の作成
離婚届の提出と同時に新しい戸籍の作成ができます。
婚姻をして配偶者の戸籍に入っていた場合、原則として、離婚によって自動的に婚姻前の戸籍(実家の戸籍)に戻ります。旧姓に戻る場合にも、自身を筆頭者にした新しい戸籍の作成が可能です。離婚届に記載がある[□新しい戸籍をつくる]にチェックを入れるだけで手続きができます。
ただし、自身を筆頭者にした新しい戸籍を作った場合、実家の戸籍に戻りたいと思っても戻れない点は注意しましょう。
離婚の際に称していた氏を称する届の提出
離婚届の提出と同時に、離婚の際に称していた氏を称する届の提出が可能です。
婚姻によって氏が変わった人は、離婚をしたら原則として婚姻前の氏に戻ります。
しかし、子どもの苗字を変えたくないなどの理由から、離婚をしても婚姻時の氏を引き続き名乗ることを希望する人もいるでしょう。その場合は、離婚の際に称していた氏を称する届を提出することで、婚姻時の氏を引き続き名乗れます。
なお、この届出は、離婚届と同時に行うことが必須ではなく、離婚後3か月以内であれば、いつでも行えます。離婚の日から3か月を経過すると、氏の変更には家庭裁判所の許可が必要になります。
本籍地以外の役所に届出をする場合は、戸籍謄本の添付が必要です。
マイナンバーカードの変更
離婚届の提出と同時に、マイナンバーカードの記載事項の変更ができます。
通知カードまたはマイナンバーカードの記載内容に変更があったときは、14日以内にその旨を住所地の市区町村に届け出る必要があります。
窓口で離婚届と一緒にマイナンバーカードを提出すれば変更手続きが可能です。その際に運転免許証などの本人確認書類の提出が求められます。
住所や氏名等に変更があったときは、マイナンバーカードの交付時に指定した4桁の暗証番号の入力が必要です。
印鑑の登録
離婚届の提出と同時に印鑑の登録ができます。
ただし、印鑑の登録は必要な人と不要な人がいますので、以下の表を参考にしてください。
印鑑登録が必要な人 |
印鑑登録が不要な人 |
・氏が記載された印鑑で印鑑登録をしている人で、離婚で氏が変更になる人
・他の市区町村に引っ越しをする人 |
・他の市町村に引っ越しをせず、離婚で氏も変わらない人
・他の市町村に引っ越しをせず、印鑑登録を氏ではなく名のみが記載された印鑑でしている人 |
離婚届の提出と同じ日にできる5つの手続きは?
離婚届の提出と同じ窓口でできないものの、同じ日にできる手続きは以下の5つです。
児童扶養手当の手続き
離婚届を提出と同日に児童扶養手当の手続きができます。
離婚によって子どもを引き取る場合、所得や子どもの年齢などの受給要件を満たしていれば、児童扶養手当の給付が受けられます。
児童扶養手当は申請してから審査が行われるため、支給されるまで時間がかかりますので、離婚届の提出と同時に申請をしたほうがよいでしょう。
前もって受給要件を調べ、以下の書類を用意し窓口で手続きをしましょう。
- 請求者および対象となる子どもの戸籍謄本
- 請求者の預金通帳
- 請求者の本人確認書類
- 請求者のマイナンバーカード
- 年金手帳
ひとり親世帯の医療費助成手続き
離婚届を提出と同日にひとり親世帯の医療費助成手続きができます。
ひとり親であること以外にも所得の条件があるため、対象となるかどうかあらかじめ調べておきましょう。
申請をするにあたっては、以下の書類が必要です。
- 請求者および対象となる子どもの戸籍謄本
- 請求者および子どもの健康保険証
- 現年度の住民税課税証明書
- 請求者の本人確認書類
住宅手当手続き
離婚届を提出と同日に、母子家庭のための住宅手当ての手続きができます。
自治体によって本制度がない場合もありますので、居住している自治体に確認をしましょう。
国民健康保険の加入手続き
離婚届の提出と同日に、国民健康保険の加入手続きができます。
配偶者の勤務先の健康保険に加入していた場合、離婚により被扶養者の資格を喪失するため、離婚日から14日以内に国民健康保険に加入しなければなりません。
ただし、加入手続きには、原則として配偶者の勤務先が発行する資格喪失証明書が必要なので、資格喪失証明書の交付を受けてから手続きをした方がスムーズでしょう。
なお、配偶者の会社の健康保険ではなく、自身の会社の健康保険や国民健康保険に入っている場合でも、離婚によって氏の変更があった場合は手続きが必要です。
国民年金の変更手続き
離婚届の提出と同時に国民年金の変更手続きができます。
配偶者が加入する厚生年金の被扶養者(第3号被保険者)の方が離婚をすると、扶養から外れ、第1号被保険者となります。
そのため基礎年金番号通知書または年金手帳を持参して役所の窓口で第3号被保険者から第1号被保険者への種別変更の手続きをしなければいけません。
この場合も、原則として配偶者の勤務先が発行する資格喪失証明書が必要ですので、証明書の交付を受けてから、手続きをした方がスムーズでしょう。
まとめ
離婚をするとやらなければいけない手続きがたくさんあります。離婚届の提出をするにあたって仕事を休んで役所に出向く人も多いと思いますので、効率よく手続きができるように準備をしておきましょう。
それぞれの手続きに必要な本人確認書類や書類がありますので、ぜひこの記事を参考にしていただけると幸いです。