面会交流調停は、離婚の際に面会交流について相手と合意できない場合や、正当な理由なく子どもとの面会を拒否された場合に申し立てられます。

この記事では、面会交流調停は弁護士なしでできるのかどうかや、自分で進める場合の対応のコツと注意点について解説します。

面会交流調停は弁護士なしでできるか?

面会交流調停の申立ては、弁護士なしでも可能です。

相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に面会交流の申立書と必要書類を提出すればよく、郵送でもできます。裁判所のホームページには、面会交流調停の申立て方法が記載されていますし、面会交流調停の申立書の書式もダウンロードできます。申立書の記載例も掲載されているので、参考にしながら書類を作成できます。

弁護士なしで面会交流調停を行う場合、決められた調停期日に裁判所へ行き、調停委員とのやり取りを自分自身でこなさなければいけません。

調停は平日の昼間に行われるので、仕事をしている人は日程の調整を余儀なくされますし、面会交流調停がうまくいくかどうか、自分の対応次第というプレッシャーがかかります。

弁護士なしで自分で対応したい場合は、この点を理解した上で、面会交流調停に臨みましょう。

弁護士なしで面会交流調停を進めるための5つのコツ

弁護士なしで面会交流調停を進めるにあたり、ポイントとなるのは調停委員や調査官とのやり取りといえます。調停委員等とのやり取りを上手く進めるための5つのコツについて解説します。

感情的にならず、冷静に意見を伝える

感情的にならず、冷静に自分の意見を調停委員に伝えなければいけません。

子どもとの面会を拒否された場合、腹立たしい気持ちから感情的な物言いになってしまうかもしれませんが、そこはグッとこらえましょう。事実や証拠を明らかにしながら、冷静に自分の意見を調停委員に対して述べるのが重要なポイントです。

相手の批判をしない

悪口を言うなど、相手を批判することはやめましょう。

調停は愚痴を言う場ではなく、相手と折り合いをつけて合意を目指す場です。
相手の批判をしたり悪口を言ったりしていたら、前向きな話し合いができないと理解しましょう。公平な立場で間に入ってくれる調停委員ですが、愚痴ばかり言う人に対して、この人の話をじっくり聞こうという気持ちにならない可能性があります。

あなたに対する心証が悪くなると、あなたが希望する結果を得るのが難しくなるので、気を付けましょう。

客観的事実のみ述べる

客観的な事実のみを述べ、嘘をつくのは絶対にやめましょう。

嘘をつくと調停委員の信頼が失墜し、たとえ本当のことを言ったとしても信じてもらえない可能性があります。そうなると不利な立場に追い込まれ、面会交流で望んでいる結果が得られなくなります。

自分の意見ばかりを主張しない

自分の意見ばかり強引に主張することは控えましょう。

子どもに会いたい気持ちから、自分の要求を押し付けて一歩も引かない態度は、建設的な話し合いの妨げになります。

子どもや相手の事情を考慮して、譲歩する態度を示しましょう。

必要に応じて調査官調査の実施を依頼する

必要に応じて、調査官調査の実施を依頼しましょう。

家庭裁判所には、心理学、社会学、教育学などの専門的な知識を持つ調査官がいます。

相手が面会交流を拒否し、いわれのない理由で子どもに会わせてくれないなら、調査官調査は効果があるかもしれません。調査を依頼しても必ず実施されるわけではありませんが、調査官調査の結果によっては、相手が納得して譲歩する可能性もあり、審判に進んだ場合は重要な判断材料となります。

調査は父、母、子ども、子どもを取り巻く親族だけでなく、子どもが通う学校関係者や病院の関係者、児童相談所の担当者などが対象となります。

そのため、第三者としての客観的な意見が得られる可能性があります。

面会交流調停を弁護士なしで進める際の注意点は?

面会交流調停を弁護士なしで進める際、注意すべき3つの事項について解説します。

調停委員は自分の味方ではないと自覚する

調停委員は自分の味方ではないと自覚しましょう。

調停委員は相手方との間に入って、あなたの愚痴を聞き、望むとおりに話をまとめてくれる人ではありません。あくまでも公平な立場で、調停の合意を目指すために間に入っている人だと理解しましょう。

そのため、横柄な態度や不誠実な態度を取るのは厳禁です。へりくだる必要はありませんが、常識的な態度で調停委員と接しましょう。

自分が作成した書面や証拠が調停の成り行きを左右すると自覚する

自分で作成した書面や証拠は、調停の成り行きを左右する重要なものだと自覚しましょう。

弁護士に依頼しない場合、面会交流調停の申立てをするにあたって、申立書や証拠書面の準備を全部一人で行わなければいけません。不備なく作成するのはもちろんのこと、調停を有利に進めるためにはどのような書類を用意すればいいのか等、判断がポイントとなります。提出すれば有利に話を進められた可能性があるのに気付かなかった…という事態に陥らないように、さまざまな書籍を読むなど、十分な調査をしなければいけません。

有利に話を進めるには、ある程度の法的知識が必要だと自覚する

調停を有利に進めるために、ある程度の法的知識が必要であると自覚しましょう。

本来であれば、相手の主張を受け入れる必要がなかったり、譲らなくてもよいところを譲ってしまったりするケースがあります。

法的知識があれば押し切られることはなかったのに…と後悔するのは残念なことです。

この点は、弁護士なしで面会交流調停を進めるリスクの一つとして考えておいたほうがよいでしょう。

まとめ

面会交流を相手に拒否され、子どもに会えない日々が続くと寂しさや焦る気持ちが募ると思います。面会交流調停を申立てたいけれど、弁護士に依頼をするとお金がかかるため、自分自身でやってみようと思っている方は、この記事が参考になれば幸いです。

本記事で述べているとおり、弁護士に依頼しないと決断するのは、何もかも自分一人で行うことを意味します。これは思っている以上に時間と手間がかかり、なおかつ調停期日に必ず出席しなければいけない精神的プレッシャーがかかります。

弁護士に依頼すれば、面会交流調停にかかる時間と精神的プレッシャーから解放されますし、法的な知識不足のために致命的なミスを犯すリスクが減ります。弁護士へ依頼する際の報酬は、こうした安心を得るためのものだと考えてみてはいかがでしょうか。

ネクスパート法律事務所では、離婚案件全般に詳しい弁護士が在籍しています。

面会交流について相手と合意ができない、相手が面会交流の約束を守ってくれない、意味なく面会交流を拒否されているので面会交流調停を申立てたい人は、ぜひ一度お問合せください。

原則、初回30分のご相談料は無料なので、お気軽にお問合せください。