離婚時、当事者同士の話し合いで面会交流についての取り決めに合意できない場合、家庭裁判所に対して調停・審判を申立てます。
今回は、面会交流の審判とは何か、調停との違いやどのような流れで行われるのかについて解説します。
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目次
面会交流審判とは?
面会交流審判とは、当事者同士の話し合いではなく、家庭裁判所の裁判官が面会交流を認めるかどうかを判断する手続きです。
面会交流事件では調停前置主義はとられていませんが、調停をまず申し立てるのが通常で、審判を申立てた場合でも、調停手続が先行することがあります。
調停が不成立になった場合は自動的に審判に移行します。
面会交流審判の流れは?
面会交流審判の主な流れは、以下のとおりです。
審判を申立てた場合も、特段の事情がない限り、まずは調停手続に付されることが多いため、以下では、調停不成立により審判に移行した場合の流れを解説します。
面会交流調停不成立で自動的に審判へ移行する
面会交流調停で当事者同士が合意に至らず、不成立となったら自動的に面会交流審判に移行します。この際に新たに審判申し立ての手続きを取る必要はありません。
調停不成立日に審判の日程調整がなされる
面会交流調停が不成立となった日にそのまま手続きが進められ、審判の日程調整が行われます。その際に次回の期日までに準備する書面などの確認が行われます。
1~数回の審判期日が設けられる
面会交流審判は、1回から数回にかけて審判期日が設けられます。
審判では通常、1回の期日で設けられる時間が短いため、主に書面で自分の意見を主張していきます。面会交流に関して望んでいることや主張したいことはもれなく書面に記し、裁判官に伝えなければいけません。調停の席で話したことがそのまま裁判官に伝わっているわけではないため、口頭で主張済みであっても必ず書面に書いて提出しましょう。
審判では、調停で出された資料や当事者の主張・意見をもとに裁判官が審判を下すため、調停の中で双方の主張が出尽くしているのであれば1回で終結することもあります。調停が早期に不成立になった場合などには、裁判官が判断するのに必要な資料が足りていないことが多いので、数回にわたって期日を設けられる場合もあります。
裁判官が、当事者の主張だけでは情報が不足していると感じたら、審判期間中に家庭裁判所調査官による調査や試行的面会交流などが行われる場合があります。
家庭裁判所調査官とは、心理学・社会学・教育学・社会福祉学等の専門知識を持つ人で、調査官による調査結果は、裁判官の判断に影響を与えるケースが多いです。
審理が終結し、審判の日を指定する
審理が終結すると、裁判官は審判の日を指定します。だいたい審理終結から約1か月後に指定される場合が多いです。審判の日に家庭裁判所は審判書を作成し、後日当事者に郵送されます。
なお、審判期間中に当事者同士が合意できれば、調停成立となり審判手続きが終了します。
審判に不服があれば2週間以内の不服申立て(即時抗告)する
裁判官の審判に不服があれば、審判の告知を受けた日から2週間以内に不服申立て(即時抗告)をします。この場合、改めて高等裁判所で審理が行われますが、不服申立て(即時抗告)をするには抗告状の提出をしなければいけません。
高等裁判所での審理を経て新たな判断が下されるか、抗告が棄却されます。即時抗告期間経過後に不服申立て(即時抗告)を取り下げたら審判が確定します。
不服申立てがなければ審判が確定する
審判に対して不服申立てをしなないで2週間が過ぎた場合や高等裁判所で不服申し立てが認められなかった場合は審判が確定します。
面会交流調停と審判の違いは?
面会交流調停が不成立に終わると自動的に審判に移行しますが、両者の違いについて以下で解説します。
審判は裁判官が判断を下す
審判の場合、裁判官が判断を下す点が調停と最も違う点です。
調停では、当事者の一方が納得できなければ合意を拒否でき、その結果調停不成立となりますが、審判の場合は、不服申立て(即時抗告)ができる期間を過ぎ、裁判官の審判が確定したら、どんなに不満があってもそれに従わなければいけません。
審判は通常の裁判に近いとイメージすると分かりやすいかもしれません。
審判は不服申立てができる
審判は、不服申立て(即時抗告)ができる点が調停と違うところです。
調停が成立するのは、当事者同士が合意しているのが前提となるため、調停成立に対して不服申立ての手続きはできません。
まとめ
面会交流の調停が不成立に終わり審判に移行した場合は、裁判官が手続きを行うのでさらに緊張感が高まる場となります。自分の意見は書面で主張していかなければならないため、いかにうまくまとめて裁判官に訴えかけられるかがカギとなります。
面会交流の審判は自身で行えますが、コツを熟知している弁護士に代理人となってもらうのが、よい結果を得られる近道になるかもしれません。
ネクスパート法律事務所には、離婚問題を多数手がけてきた弁護士が在籍しています。面会交流調停の申立てを考えているけれど、合意できるかどうか不安な方は、ぜひ一度ご相談ください。
調停の段階で弁護士が代理人となっていれば、万が一審判に移行した場合でも、それまでの事情を把握しているため、手続きがスムースに進む可能性があります。
納得のいく結果が得られるように全力でサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。