
長期間にわたり夫が離婚に応じてくれない状況は、精神的な疲弊と将来への不安を増大させます。何度話し合っても解決せず、出口の見えない状況に絶望感を覚える方も少なくありません。離婚を拒否し続ける夫に対して、どのように対応すればよいでしょうか?この記事では、離婚してくれない夫に対してどのように対応すればよいか、効果的な方法を考えてみます。
目次
夫が離婚してくれないのはなぜか?|考えられる3つの原因
夫が離婚を拒否するのは、愛情があるかどうかというよりも自分自身の利益、感情的な抵抗、支配欲が関係しているケースが多いです。
世間体を気にしている
世間体を気にするあまり、離婚を拒否する夫が一定数います。例えば、会社や隣近所など特定のコミュニティで、離婚が悪影響を及ぼすと信じて疑わない人がこれに該当します。特に出世欲のある人、まわりから良い人に思われたい承認欲求が強い人に多い傾向があります。
モラハラ・DV気質がある
モラハラ・DV気質がある夫は、妻を支配下に置きたい強い欲求から離婚を拒否する傾向があります。妻を他の誰かに取られるのが悔しいという独占欲や感情的な抵抗も拒否の動機となります。
このように支配欲や体面に起因する拒否の場合、話し合いによる合意は見込めない可能性が高いです。不毛な話し合いを続けても精神的に消耗しますし、トラブルを引き起こす可能性もあります。早い段階で話し合いに見切りをつけて、すみやかに法的手続きの準備へ移行したほうが効率的かもしれません。
離婚してくれない夫に対してどのような流れで交渉すればよい?
離婚してくれない夫に対し、どのような流れで離婚交渉を進めていけばよいか、以下で解説します。
①話し合いをする
夫と直接離婚について話し合いをします。ただし、離婚してくれない夫が話し合いに応じるかどうか、応じたとしても建設的な話し合いができるかどうかは難しいです。自分で話し合いをするのではなく、弁護士に依頼して交渉を代理してもらえば、双方合意による最短での解決が望めるかもしれません。
②別居する
夫と物理的に距離を置いたほうがよいと考えた場合、別居を検討しましょう。別居期間が長くなれば夫婦関係が破綻していると示せます。別居後は、夫に対して速やかに婚姻費用を請求し、経済的安定をはかりましょう。
③離婚調停を申立てる
夫との話し合いで解決が望めない場合は、家庭裁判所に離婚調停を申立てましょう。調停を申立てれば、裁判所の調停委員を介して話し合いが進められます。そのため夫と顔を合わせずに交渉を進められ、第三者の介入により冷静な話し合いが期待できます。
④離婚裁判を提起する
離婚調停が不成立になった場合、離婚裁判を提起します。裁判で離婚が認められるには、民法に定められた法定離婚事由が必要です。法定離婚事由に基づいて、裁判官が判決を出します。そのため夫の同意がなくても、裁判所の判決により強制的に離婚が成立します。
離婚してくれない夫と対峙するために弁護士に依頼する重要性
夫が離婚に応じてくれない状況は、精神的な負担が大きいです。このような状況が続く場合、弁護士への依頼を検討したほうがいいかもしれません。離婚してくれない夫と対峙するために弁護士に依頼する重要性について解説します。
感情的な対立とトラブルが回避できる
弁護士に依頼をすれば、感情的な対立とトラブルが回避できます。世間体を気にして離婚を拒否していたり、日頃からモラハラ・DV気質があったりする夫の場合は、直接の話し合いを避けたほうがいいかもしれません。直接交渉を続けると、口論やモラハラの再発を招き、精神的な疲弊とトラブルの増大に繋がります。
弁護士が代理人になれば、夫との直接交渉が不要です。これにより夫の感情的な言動に振り回されず手続きが進められます。
弁護士の介入は、夫に対して本気で法的手続きを進めている明確なサインとなり、早期の合意を促すプレッシャーになる可能性もあります。
財産分与や慰謝料等が適正に獲得できる
弁護士に依頼すれば、本来受け取れる財産分与や養育費、慰謝料などを適正に獲得できる可能性が高まります。弁護士であれば夫に対して、法的に裏付けられた主張を展開できるからです。
別居を開始した後、弁護士は夫に対して婚姻費用分担請求を直ちに申し立てられます。これは、離婚するまで生活費の分担を義務付けるものであり、話し合いで合意できなくても、最終的には裁判所の手続き(審判)で支払命令を出してもらえます。夫は離婚を拒否し続ける限り、妻に対して毎月一定額の生活費の支払いを強いられます。早い段階で離婚に応じた方が、経済的負担がなくなると夫を説得する材料になり得ます。
弁護士は、夫がどのような経済観念を持っているかどうかを見極めて、上手く交渉を進められます。
離婚調停等へスムーズに移行できる
弁護士に依頼すれば、離婚調停を考えた場合スムーズに移行できる可能性があります。家庭裁判所への調停の申立て、必要書類の準備、書面作成などは煩雑で専門知識を要します。弁護士であれば、こうした手続きを代わりに行えるためミスの心配がありません。
モラハラやDVが原因で離婚を拒否されている場合、裁判で離婚を強制的に成立させるためには、婚姻を継続しがたい重大な事由であると客観的な証拠で立証しなければなりません。弁護士は日記、音声データ、診断書、公的機関への相談記録等の客観的な証拠の収集方法について具体的かつ専門的なアドバイスができます。
離婚調停では、調停委員を味方につけ、主張の正当性を理解してもらわなければなりません。弁護士に依頼すれば、調停委員への適切な対応が可能ですし、訴訟を見据えて調停の段階で戦略的な情報収集が可能です。
まとめ
夫が離婚してくれないと絶望的な気分に陥ることでしょう。このような状況の場合、感情的にならず、夫がなぜ離婚に応じないか、夫の性格や考え方を分析し、戦略を練るのが重要です。そのためにできるだけ早く弁護士のサポートを受けて前に進んでいきましょう。
ネクスパート法律事務所には、離婚案件を多数手掛けた実績のある弁護士が在籍しています。初回相談は30分無料ですので、夫が離婚に応じてくれないとお悩みの方は、一度ご相談ください。

