友人や同僚が、あなたの配偶者の浮気を目撃したことで、浮気が発覚した!というケースもあるでしょう。
第三者の証言は、その証言内容によっては、浮気の証拠になります。
しかし、第三者の証言のみで浮気相手に慰謝料請求するのは難しいでしょう。第三者の証言を上手に活用するためには、他の客観的証拠による裏付けが大切です。
この記事では、第三者の証言と一緒に押さえたい浮気の証拠の具体例についても解説しています。ぜひ参考にしてください。
第三者の証言は浮気の証拠になる?
第三者の証言は、その証言内容によっては、浮気の証拠になります。
そもそも、証拠になるかどうかは、次の2つの視点で考える必要があります。
- 証拠として使用できるか(証拠能力)
- 証拠として価値があるか(証明力)
1つめの視点である、証拠として使用できるかに関しては、第三者の証言には、原則として証拠能力が認められることから、証拠として使用できます。
そもそも証拠能力とは、訴訟の当事者が提出した資料を事実認定のために用いることのできる資格です。つまり、当事者が提出した資料を裁判の判断材料として用いるには証拠能力がなければなりません。
民事訴訟では、著しく社会的に反した手段を用いて収集された資料などを除いては、原則として証拠能力は制限されません。
したがって、第三者の証言は、証拠として使用できます。
2つめの視点である、証拠として価値があるかに関しては、その証言内容や発言者、それを裏付ける証拠の有無によって異なります。
なお、これ以降は、単なる浮気の証拠になるかではなく、法的措置をするための不貞の証拠になるかについて解説します。
例えば、次のような証言があったとします。
友人A「〇月〇日の〇時ごろ、○○(あなたの配偶者)が女性と手を組んで、仲良さそうに歩いているところを見ました。」
この証言内容では、不貞の証拠にはなりません。
浮気相手に慰謝料請求等の法的措置を取るためには、配偶者と浮気相手との間に肉体関係があったことを証明する必要があります。手を繋いでいた、キスをしていた、2人で食事をしていた等の目撃証言だけでは、肉体関係の証明にはなりません。
したがって、この証言内容は不貞の証拠にはならないでしょう。
例えば、次のような証言があったとします。
友人B「〇月〇日の〇時ごろ、○○(あなたの配偶者)が女性と2人でラブホテルに入っていくところを見ました。」
この証言内容は、不貞の証拠になり得るでしょう。
通常、男女がラブホテルに入った場合には、肉体関係があったと推認されます。
したがって、この証言内容とそれを裏付ける他の客観的証拠と組み合わせることで、不貞の証拠になる可能性があるでしょう。
例えば、次のような証言があったとします。
友人C「○○(あなたの配偶者)から、同僚のDさんと○○頃から不倫関係にあると聞いていました。」
この証言内容は、不貞の証拠にはなりません。
この証言内容は、発言者本人(あなたの配偶者)に否定される可能性が高く、否定された場合には、それを裏付ける他の証拠もないことから、証拠としての価値があまりありません。
したがって、この証言内容は不貞の証拠にはならないでしょう。
さらに、当事者と第三者との関係も証拠の価値を判断するにあたっては重要な要素です。
あなた側の友人の場合、その友人はあなたに有利な証言をする可能性が高いと推測されることから、一般的に証拠の価値は低くなるでしょう。中立な第三者であれば、片方に有利な発言をする理由がないことから、一般的に証拠の価値は高くなるでしょう。
したがって、第三者の証言は、浮気の証拠として使用できますが、その証拠の価値は、その証言内容や発言者、それを裏付ける証拠の有無によって異なります。
第三者の証言のみで浮気相手に慰謝料請求は可能?
第三者の証言のみで浮気相手に慰謝料請求するのは難しいでしょう。
もちろん、浮気相手が肉体関係を認めている場合や第三者の証言のみでも慰謝料の支払いに応じる姿勢であれば、慰謝料の請求が可能です。
しかし、第三者の証言のみでは浮気を否定される可能性が高いでしょう。
浮気相手側も、いくらでも言い逃れできると考えている可能性が高く、言い逃れをされてしまった以上、他に決定的な証拠がなければ慰謝料請求はできません。
言い逃れをされないためには、複数の証拠を集める必要があります。
第三者の証言と一緒に押さえたい浮気の証拠の具体例
第三者の証言と一緒に押さえたい浮気の証拠としては、次のようなものが挙げられます。
- メールやLINEのやり取り
- 通話履歴
- 手帳やスマホのスケジュールアプリ
- ラブホテルの領収書
- クレジットカードの利用履歴やレシート、領収書
- カーナビの履歴やドライブレコーダーの履歴
例えば、友人がラブホテルに入っていくところを目撃しているのであれば、その日のメールやLINEのやり取り等で怪しい内容を探し、第三者の証言と組み合わせることで有力な証拠になり得るでしょう。
ラブホテルの領収書やクレジット明細があれば、第三者の証言の信用性は高くなるでしょう。
裁判では肉体関係があったことを証明する証拠が必要です。
裁判にはせず、交渉で解決する場合でも、交渉を有利に進めるためには、十分な証拠が必要です。
第三者の証言の証拠としての価値を高めるためのポイントは、他の客観的証拠によって裏付けることです。
人の証言は、見間違いや聞き間違い、記憶違い等、その内容が揺らぎやすいという特徴があります。写真やデータ等は動かぬ証拠であることから、その証拠としての価値も高く評価されます。
したがって、第三者の証言から得られる情報を最大限に活用し、新たな証拠を見つけ出しましょう。
まとめ
第三者の証言は、浮気の証拠として使用できます。
第三者の証言を最大限生かすためには、他の客観的証拠によって裏付けることが大切です。
第三者の証言だけでは証拠として弱くても、他の客観的証拠があることで証拠としての価値が高くなる場合もあるでしょう。
証拠としての価値がどの程度あるかの判断は、法的な知識や経験が大きく関わることから、一度弁護士に相談することをおすすめします。弁護士に相談することで、有力な証拠の組み合わせや他に必要な証拠とその収集方法についてアドバイスがもらえるでしょう。
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