配偶者の浮気が発覚したら、「もう二度と浮気はしない」と言われても、「また浮気するのではないか」「浮気相手とまだ会っているのではないか」と疑ってしまうのも無理もありません。
夫婦関係を再構築すると決めたものの、辛く苦しい日々をお過ごしではないでしょうか。
配偶者が浮気した場合、再発を防ぐためにも夫婦間で誓約書を交わすことをお勧めします。
この記事では、誓約書に記載すべき項目や留意すべきポイントなどについて解説します。イメージしやすいようにテンプレートも紹介しますので、お目通しいただけますと幸いです。
目次
夫婦間で交わす誓約書の書き方|誓約書に記載すべき5つの項目
夫婦間で交わす誓約書に記載すべき主な項目として、以下の5つが挙げられます。
- 不貞行為をした事実
- 浮気相手との関係を完全に解消することの誓約
- 浮気の再発防止のための誓約
- 再度浮気をした場合のペナルティ
- その他の夫婦間の約束事
以下で、詳しく解説します。
不貞行為をした事実
誓約書には、不貞行為をした事実を記載しましょう。
不貞行為があったことを配偶者に認めさせて、その事実を誓約書に記載しておけば、不貞行為の有力な証拠となり得ます。
いつ・どこで・誰と・どのような行為を・どのくらいの頻度で行ったか、できるだけ具体的に記載しておきましょう。明確に記載しておくことで、言い逃れを防ぎやすくなります。
もっとも、一度限りの関係でない限り、場所や回数などを正確に把握・記載することが難しい場合もあるでしょう。そのような場合は、不貞行為の期間・相手方・おおよその回数等を示しておくと良いでしょう。
なお、誓約書に記載する際は、浮気や不倫ではなく、不貞行為と表現しましょう。
浮気相手との関係を完全に解消することの誓約
誓約書には、浮気相手との関係を完全に解消することの誓約を記載しましょう。
浮気相手との関係が継続したままでは、夫婦関係を再構築することは難しいでしょう。浮気相手から気持ちが離れず、浮気を繰り返す可能性が高いためです。
浮気相手との関係をきっぱり断つことを配偶者に約束させて、その旨を記載しておきましょう。
それぞれの夫婦の状況により記載すべき事項は異なりますが、以下のようなことを具体的に記載しておくことをお勧めします。
- 今後接触しない
- 電話・メール・LINE・SNSその他のいかなる方法でも連絡を取らない
浮気相手が職場の上司や同僚などであれば、業務上の接触を避けるのは難しいかもしれません。その場合は、業務上必要な最低限の範囲で交流を認めるのが現実的でしょう。
浮気の再発防止のための誓約
誓約書には、浮気の再発防止のための誓約を記載しましょう。
浮気相手はもちろんですが、他の異性と浮気する可能性もあります。
それぞれの夫婦の状況により異なりますが、浮気の再発を防止するための約束として、以下のようなことが挙げられます。
- 会食の際は事前にメンバーを報告する
- マッチングアプリなどの異性との出会いに繋がるアプリをインストールしない
- 求めがあればいつでもスマホを見せる
- スマホにGPSアプリをインストールする
- 小遣いを減らす
- クレジットカードの明細を共有する
再度浮気をした場合のペナルティ
誓約書には、再度浮気をした場合のペナルティを記載しましょう。
再度浮気をした場合のペナルティとして慰謝料を定めることで、配偶者にプレッシャーを与えられるでしょう。再発防止効果が期待できます。
慰謝料の金額は、具体的に記載しましょう。それぞれの状況により異なりますが、不貞行為に基づく慰謝料の相場は50〜300万円程度です。慰謝料の金額が不当に高額である場合、無効と判断されるおそれがあるため、相場を基準とした金額を設定することをお勧めします。
不貞行為の慰謝料相場について、詳しくは「不倫(不貞行為)の慰謝料相場と過去の判例」をご参照ください。
その他の夫婦間の約束事
誓約書には、その他の夫婦間の約束事を記載するのも良いでしょう。
夫婦関係を再構築するための約束事の例として、以下のようなことが挙げられます。
- 浮気の事実を第三者に口外しない
- 性風俗店を利用しない
- 無断で金銭の借り入れをしない
- 給与明細を開示する
- 年に1回は夫婦で旅行に出かける
夫婦間の約束事は、信頼関係を修復するために取り決めるものです。夫婦間でしっかりと話し合って決めましょう。
なお、公序良俗に反する内容の取り決めがあれば、誓約書が無効となる可能性があります。社会的モラルに違反していないか考えながら話し合うよう心がけましょう。
夫婦関係を再構築するための誓約書テンプレート
夫婦関係を再構築するための誓約書テンプレートを紹介します。
誓約書を作成する際の参考にしてください。
夫婦間で誓約書を交わす際に留意すべき4つのポイント
夫婦間で誓約書を交わす際に留意すべき主なポイントとして、以下の4つが挙げられます。
- 誓約書の内容が公序良俗に反していないか
- 夫婦双方が誓約書の内容を理解できているか
- 配偶者の署名・押印があるか
- 配偶者に誓約書の作成を強制していないか
以下で、詳しく解説します。
誓約書の内容が公序良俗に反していないか
誓約書の内容が公序良俗に反していないか確認しましょう。
誓約書の内容が公序良俗に反する場合、誓約書が無効となる可能性があるためです。
公序良俗に反する内容の例として、以下のようなものが挙げられます。
- 仕事以外の外出を禁止する
- 慰謝料額が1億円など現実的な金額ではない
- 常に行動を監視するためにGPSや盗聴器を携帯させる
夫婦双方が誓約書の内容を理解できているか
夫婦双方が誓約書の内容を理解できているか確認しましょう。
誓約書を交わしても、記載した内容を配偶者が理解できていなければ、約束を守ってもらえない可能性があります。夫婦間でしてはいけないことの認識が異なっていれば、再度浮気をするおそれもあります。このような場合、誓約書を作成した意味がなくなってしまうでしょう。
夫婦双方が記載内容をしっかり理解できる誓約書を作成するよう心がけましょう。
配偶者の署名・押印があるか
配偶者の署名・押印があるか確認しましょう。
法的に有効な誓約書にするためには、適切に署名・押印してもらう必要があります。
配偶者が署名・押印する際に気をつけるべきポイントは、以下の5つです。
- 作成日が正しく記載されているか
- 読みやすい字で署名されているか
- 誤字脱字がないか
- 氏名の末尾に押印があるか
- シャチハタで押印していないか
配偶者に誓約書の作成を強制していないか
配偶者に誓約書の作成を強制していないか確認しましょう。
誓約書の作成を強制したり、騙して署名・押印させたりした場合、誓約書が無効となる可能性があるためです。
誓約書は、当事者の任意の合意によって成立するものです。配偶者が浮気をした場合であっても、拒否されたら強制はできません。
誓約書を公正証書にすれば浮気防止効果がより期待できる
誓約書を公正証書にすれば、浮気防止効果がより期待できます。
夫婦間の約束事だけでなく慰謝料などの金銭の支払いを定める場合は、公正証書にすれば、記載した金銭請求について裁判をすることなく強制執行が可能です。
公正証書とは、公証人が当事者の意思や内容を確認し、印鑑証明書などを用いて証拠能力を保証する書類です。そのため、不貞行為の有力な証拠にもなり得ます。
配偶者に心理的なプレッシャーを与えられるため、浮気の再発を防止する効果をより期待できるでしょう。
まとめ
配偶者の浮気が発覚したら、再発を防止するためにも、夫婦間で誓約書を交わすことを検討しましょう。
誓約書は、夫婦関係を再構築するために作成するものです。夫婦間でしっかりと話し合い、双方が納得できる内容で作成するよう心がけましょう。