既婚者との不倫がバレてしまったあなたは、相手が立てた弁護士と慰謝料についてやり取りしていたのに、途中で連絡が途絶えて戸惑っていませんか?
この記事では、相手の弁護士から連絡がない場合に考えらえる6つの状況や対応方法などを解説します。
連絡がないからといって、「慰謝料請求を諦めたのだろう」と安易に考えるのは賢明ではありません。この記事を参考に、今後の対応をご検討いただければと存じます。
目次
相手の弁護士から連絡がない!考えられる6つの状況
相手の弁護士から連絡がない場合に考えられる状況として、主に以下の6つが挙げられます。
- 弁護士が忙しい
- 弁護士が相手と連絡が取れていない
- 弁護士が交渉や訴訟の準備をしている
- 相手が訴訟を提起するか迷っている
- 相手が途中で弁護士を変更した
- 相手が弁護士を解任した
以下で詳述します。
弁護士が忙しい
連絡がない理由は、単に弁護士が忙しいだけかもしれません。
一般的に、弁護士はひとつの事件だけを扱っているわけではなく、複数の事件を並行して進めていることが多いです。
クライアントとの相談や訴訟だけでなく、裁判や交渉を進めるための書面作成やリーガルチェックなど、業務内容は多岐に渡ります。高度な法律知識を扱うため、法改正や新しい判決・事例・新解釈があれば、その都度知識をアップデートする必要もあるでしょう。
事件処理に追われている、裁判期日が立て込んでいるなど、弁護士が忙しくて連絡がない可能性があります。
弁護士が相手と連絡が取れていない
弁護士が相手と連絡が取れていないことが原因で、連絡がないのかもしれません。
弁護士は、依頼者の正当な利益のために、代理人として行動します。
あなたとどのようにやり取りするか決まっていない場合、弁護士の一存で交渉を進められません。
弁護士が相手と連絡が取れていないために今後の方針が定まらず、あなたに連絡ができない可能性があります。
弁護士が交渉や訴訟の準備をしている
弁護士が交渉や訴訟の準備をしていることが原因で、連絡がないのかもしれません。
交渉や訴訟の準備に時間がかかることは珍しくありません。
交渉や訴訟をするためには、書面作成や証拠の準備など、依頼者と今後の方針を話し合った上でやるべきことが多くあるためです。戦略があり、あえて事件の進行を停滞させている可能性もゼロではありません。
弁護士が時間をかけて交渉や訴訟の準備をしているため、あなたに連絡がない可能性があります。
相手が訴訟を提起するか迷っている
相手が訴訟を提起するか迷っていることが原因で、連絡がないのかもしれません。
弁護士が「話し合いでは解決できない」などと判断し、依頼者に訴訟を勧めるケースもみられます。しかし、訴訟をすることに二の足を踏む人は少なくありません。
相手が訴訟を提起するか迷っているため、あなたに連絡がない可能性があります。
相手が途中で弁護士を変更した
相手が途中で弁護士を変更したことが原因で、連絡がないのかもしれません。
交渉の途中であっても、弁護士の変更は可能です。
弁護士と方針が合わない、相性が合わないなどの理由から、交渉の途中で弁護士を変更するケースは少なからずあります。
途中で弁護士を変更した場合、後任の弁護士が事件を把握して準備をするのに時間がかかることが予想されます。
相手が途中で弁護士を変更したため、あなたへの連絡に時間がかかっている可能性があります。
相手が弁護士を解任した
相手が弁護士を解任したことが原因で、連絡がないのかもしれません。
依頼した弁護士に不信感があるなどの理由から、一度契約した弁護士を解任するケースもみられます。
解任された弁護士が代理人ではなくなった旨の通知をするのが一般的ですが、何らかの理由で通知がなされていないのかもしれません。
相手が途中で弁護士を解任したため、あなたに連絡がない可能性があります。
時効期間が経過する直前に訴訟を提起されるケースも
時効期間が経過する直前に訴訟を提起されるケースもみられます。
弁護士に慰謝料請求を依頼したものの、「納得のいく金額を回収できそうにない」「訴訟までは考えていなかった」などの理由からモチベーションが下がり、交渉が中断することもあります。
時効が成立すると慰謝料請求ができなくなります。そのため、時効が近づくと訴訟を提起して時効の完成を中断するケースは多くみられます。
時効の中断とは、進んでいた時効期間をリセットして、改めてゼロからスタートすることです。
不倫に基づく慰謝料請求権は、以下のいずれか早い時点を経過すると時効により消滅するため、経過する直前に訴訟を提起される可能性があります。
- あなたが配偶者の不倫および不倫相手を知ったときから3年
- 不倫のときから20年
相手の弁護士から連絡が途絶えても、時効期間が経過する直前に訴訟を提起されるおそれがあることを念頭においておきましょう。
不倫に基づく慰謝料請求権の消滅時効について、詳しくは「不倫慰謝料の消滅時効とは|民法改正による変更点」をご参照ください。
相手の弁護士から連絡がない場合の対応方法
相手の弁護士から連絡がない場合の主な対応方法として、以下の3つが挙げられます。
- 当面は様子をみる
- 反論すべきことがあれば訴訟提起に備えて証拠を収集する
- 弁護士に今後の対応について相談する
以下で詳述します。
当面は様子をみる
相手の弁護士から連絡がない場合、当面は様子をみることをお勧めします。
「早く解決したい」と焦るのも無理もありませんが、弱気な姿勢をみせるのは賢明ではありません。請求された側であるあなたから示談を持ちかけてしまうと、足元を見られて相場よりも高額な慰謝料などの不当な要求をされるおそれがあるためです。
慰謝料を請求されたら自分の非を認めて謝罪することは大切ですが、言いなりになる必要はありません。
弁護士から連絡がない場合、相手がどのような行動にでるか、当面は様子をみると良いでしょう。
反論すべきことがあれば訴訟提起に備えて証拠を収集する
反論すべきことがあれば、訴訟提起に備えて証拠を収集することをお勧めします。
訴訟では、不倫の期間や回数、相手夫婦に与えた影響、不倫の悪質性などのさまざまな事情を総合的に考慮して、裁判官が慰謝料額を算定します。
相手が事実と異なる主張をしている場合、あなたの言い分を裁判官に伝えなければ、相手の主張に基づいて慰謝料額が算定されてしまいます。
事実と異なる主張があれば、毅然たる態度で反論しましょう。その際、あなたの言い分を証明する証拠があれば、反論が認められやすくなります。
相手の主張に反論すべきことがあれば、訴訟提起に備えて、あなたの言い分を証明する証拠を収集しておきましょう。
弁護士に今後の対応について相談する
相手の弁護士から連絡がない場合、あなたも弁護士に今度の対応について相談することも検討しましょう。
費用をかけて弁護士に慰謝料請求を依頼したのに、途中で慰謝料請求をやめるとは考えにくいです。何らかの理由があってあなたへの連絡に時間がかかっているが、準備が整い次第再度請求されると考えておくのが無難でしょう。
交渉の場から裁判へと移行した場合、ご自身で対応するのはお勧めできません。法律用語が飛び交う法廷で、ご自身の言い分を適切に主張・立証することは簡単ではないためです。
交渉が継続する場合も、弁護士を相手にご自身で対応すると、相場を超える金額で示談してしまったり、不利な条件を押し付けられたりするおそれがあります。
何らかのアクションを起こされる前に、これまでの経緯や現在の状況を弁護士に相談しておくことで、適切な対応をとりやすくなります。相手との交渉が中断している間に、弁護士に今後の対応について相談することをお勧めします。
まとめ
相手の弁護士と慰謝料請求についてやり取りしていたのに、途中で連絡が途絶えた場合、いろいろな状況が考えられます。
弁護士に依頼したのにもかかわらず、途中で慰謝料請求をやめることは考えにくいです。弁護士から連絡がない今のうちに、今後の対応について検討しておくことをお勧めします。
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