不倫を理由に脅迫されているあなたは今、「不倫が周囲にばれないように自分一人でどうにかしなくては」、「脅迫内容を実行されたらどうしよう」、「早く相手の要求に応じなくては」という心情に陥っていませんか?
もしそのような心情から自分ですぐに対応してしまおうと考えている方は、行動に移すことを一度待ってください!
今すぐお伝えしたいことは、脅迫内容を実行されないためにもまずは冷静になりましょうということです。
ネクスパート法律事務所では、これまで不倫に関するトラブル解決に特に力を入れてまいりました。そのため、不倫で脅迫された方の紛争解決のためにとるべき方法を熟知しております。
不倫トラブル解決のノウハウを兼ね備えた弊所だからこそ提供できる対処方法を是非参考にしてみてください。
目次
不倫で脅迫されたら、まずは冷静になりましょう
不倫が原因で脅された場合、まずはこの先何を行うべきかを冷静に考えましょう。
なぜなら、感情的に行動した結果、脅された内容を実行してしまうリスクあるからです。
あなたは今、脅迫してきた人が脅迫内容を行動に移してしまったらどうしようという危機感、脅迫に今すぐ対処しなければという焦燥感、相手の威圧的な態度による恐怖感から不安な状況に陥っていることでしょう。
また、不倫は社会的信用を失わせる行為ですから、周囲の人にばれたくないと考え、第三者に相談することができずに一人で抱え込んでいる状況に陥っているかもしれません。
このような状況に陥ってしまったのは、たしかに、不倫という社会的・道徳的に誤った行動をとってしまったあなた自身の身から出た錆であることは事実です。そのため、不倫をしてしまったという事実に対して反省することは必要です。
しかし、法律的観点からすると、不倫をしたからといって相手の不当な要求に応じる必要はありません。
そのため、焦燥感や危機感などの不安な状況を脱するために相手の要求に直ちに応じてしまうという冷静さを欠く行為を行わないためにも、まずは冷静になり、今後の適切な行動を検討しましょう。
不倫で脅迫されたら弁護士に相談することを検討しましょう
冷静さを取り戻したら、弁護士に相談することを検討しましょう。
なぜなら、弁護士に相談することで、脅迫行為を止めるための手段を迅速に講じることができ、解決への可能性を高めることができるからです。
しかし、ただ冷静になり、要求に応じずに時間が過ぎるのを待っていても何の解決にもなりません。
裁判例の中には脅迫行為を行った相手方の要求を無視し続けたことで相手が逆上し、さらに脅迫行為がエスカレートする事件もありました。
また、自分一人で解決しようとすると、状況の悪化等のリスクがあります。
これに比べて、弁護士に相談することで、脅迫を止めることができたり、交渉窓口となってもらえたりするなど状況改善を図ることができます。
そのため、不倫で脅迫を受けた場合にはまず弁護士に相談することを検討しましょう。
弁護士に相談すべき3つの理由
不倫で脅迫された場合、弁護士に相談すべき理由は以下の3つです。
① 警告文を送付してもらうことができる
② 交渉窓口となってもらうことができる
③ 状況改善に向けた今後の対応を迅速に考えてもらうことができる
警告文を送付してもらうことができる
弁護士に相談することで、脅迫行為をしている相手方に対して警告文を送付することができます。
警告文とは、弁護士が脅迫行為の相手方に対し内容証明郵便によって直接送付する文書であって、今後の脅迫行為や嫌がらせ行為については法的処置を取り得るとの警告をするものです。
弁護士からの通知書ということもあり、脅迫行為が警告文を送付した後に止まったという事例が当事務所の過去の事件においても数多くあります。
迅速な対応や今後の対策を立ててもらうことができる
弁護士は警察と異なり、脅迫行為を止めてほしいという依頼者からの依頼を受ければすぐに対応を開始します。
警察に相談しても解決に向けた対応をしてもらえないことや、対応が遅くなることがあります。そのため、今すぐ脅迫行為をどうにかしたいと希望されている方の意向に従った対応をとってもらえるケースは少ないです。
しかし、弁護士は依頼者から依頼を受けた時点からすぐに対応することが可能です。よって、他の相談窓口のなかでもっとも早く問題解決に向けた行動を起こすことができます。
また、警察に相談した方がよいケースであれば弁護士が被害届や告訴状などの提出手続きを代行することができますし、脅迫に対する今後の対応についても見通しを立てることができます。
弁護士に交渉窓口となってもらうことで負担軽減できる
弁護士が脅迫相手に受任通知を送付することによって、脅迫行為の相手方との交渉窓口になることができます。
脅迫行為を受けると、仕事や育児などの日常生活が手につかず、脅されたことによる恐怖や不安が継続的に伴ってしまうなど、精神的な負担がかかります。
しかし、弁護士に依頼し、脅迫行為の相手方に受任通知を送付してもらうことで、今後の交渉はすべて弁護士を介して行ってもらうことができます。これにより当事者は、直接脅迫相手と交渉することがなくなり、脅迫行為による恐怖や不安が軽減します。
また、弁護士が脅迫相手から話を聞くこととなるため、法的な問題点について指摘してもらうことができますし、相手方からの不当要求や脅迫行為が止む場合もあります。
脅迫は警察に相談しても動いてもらえるケースが少ない
脅迫は警察に相談しても動いてもらえるケースが少ないです。
「お前を殺す」「お前の家を放火してやる」など明らかに脅迫行為に該当する場合には警察に動いてもらうことができます。
しかし、明らかに脅迫行為に該当する場合を除いて、脅迫は警察に相談しても動いてもらえることが少なく、動いてもらえたとしてもそれまでに時間がかかってしまうことが多いです。
なぜなら、警察官であっても必ずしも脅し行為が刑法上の「脅迫」にあたることを判断できるとは限らないからです。
脅し行為が「脅迫」にあたるかを警察官が判断できない場合には、追加の証拠を求められたり、事件として取り扱ってもらえなかったりします。追加の証拠を求められた場合には、証拠収集に時間を割かなければならず、現状を改善できませんし、取り扱ってもらえなければ、何も解決できないという残念な結果になってしまいます。
以上から、明らかな脅迫行為に該当する場合を除いて、脅し行為を警察に相談しても、残念ながら相手の脅迫行為を止めるための迅速な対応にはつながりにくいです。
自分で対応した場合の主なリスク3選
不倫で脅迫を受けたら、主に以下のリスクがあります。
① 状況を悪化させるリスク
② 話合いにならないというリスク
③ 脅迫に応じるまで帰してもらえない、監禁されるリスク
状況を悪化させるリスク
直接自分で対応をすることで現状を悪化させるリスクがあります。
あなたは犯罪を起こしたわけではないものの、不倫の当事者という倫理的・道徳的に誤った行動をしてしまっている立場です。
悪いことをした立場であるがゆえに相手の要求に対して強く対抗していくことはできないと思いますし、強い姿勢を示すことは相手の感情を逆なでしてしまい、さらに脅迫がエスカレートすることにつながりかねないため、対処法としても適切ではありません。
もっとも、相手の要求に簡単に応じてしまうと既述の通り、要求内容がエスカレートしてしまうリスクがありますし、謝罪などを要求されてこれに応じてしまうと、慰謝料請求をされた場合に減額を求めることが難しくなってしまうなど法律的に不利な状況に陥ってしまうこともあり、法律上応じなくてよい請求にも応じなければならないという事態が生じます。
よって、状況を悪化させるリスクが生じてしまします。
話合いにならないというリスク
直接自分で対応する場合、話合いの場を設定することがありますが、話合いにならないというリスクがあります。これにより紛争解決から遠ざかってしまうという事態が生じてしまいます。
不倫を理由として何かしらの要求や請求をしてくる相手方は、あなたに対して怒り、不満、恨みなどの感情を抱いており、感情的になりやすい状態です。
そのため、正当な主張をしている場合であっても、相手が聞く耳を持たないことや感情を逆撫でして怒らせてしまうことがあります。
具体的には、脅迫相手から法外な慰謝料請求をされた場合、あなたが裁判例や判例に基づく相場を示したとしても、責任逃れであるととらえられてしまい、脅迫相手が怒ってしまうという事態が生じることもあります。
このようにそもそも冷静な話し合いを行うことが難しいため、話合いにならず紛争解決から遠ざかってしまうという事態が生じてしまいます。
脅迫に応じるまで帰してもらえない、監禁されるリスク
脅迫相手との直接交渉を行い、脅迫内容に応じるまで監禁されて帰してもらえないことがあります。
具体例として以下の裁判例があります。
①不倫相手の配偶者と直接話し合いをした事例
不倫相手の配偶者から呼び出しを受けてこれに応じた際、不倫相手の配偶者から不倫関係にあったか問い詰められ、関係を認めると、不倫相手の配偶者が怒り、手足を縛られて車に監禁された上、ガソリンをかけられる、手拳で殴打されるなどの暴行、「遺書を書け」などの脅迫を受けたという事案(東京高裁昭和63年12月21日)
②不倫相手と直接話し合いをした事例
不倫相手が日常的に暴力的で威圧的であったため、別れ話を切り出したところ、別れるのであれば「お前の娘を殺す」「お前の家族をぐちゃぐちゃにする」などの脅迫を受け、その後車から出られないように監禁された事案(山形地裁平成29年7月14日)
以上の裁判例のように脅迫に応じるまで帰してもらえないことや監禁されるリスクがあります。
やむを得ず弁護士に相談できない場合の代替策3選
以上の通り、自分での対応はリスクが多く、警察に相談するという対応も事件として取り扱ってもらえない、取り扱ってもらうまでに時間がかかるという事態が生じます。
よって、弁護士に相談することが、迅速に問題解決を行うためには最善といえます。
もっとも、弁護士に相談するには費用がかかります。
中には、費用を支払う経済的余裕がない方もいらっしゃいます。そのような方はどのように対応したらよいのかについてご紹介します。
具体的には、
① 第三者を介して脅迫相手と話し合いを行う
② 警察相談専門電話(#9110)で相談する
③ 法テラスに相談する
という方法があります。
第三者を介して脅迫相手と話し合いを行う
第三者を介して脅迫相手と話し合いを行うという方法があります。
自分で対応した場合のリスクを考えると、当事者のみでの話合いを行うことは避けた方が良いです。
そこで、第三者を介して話し合いの仲裁をしてもらうことで、リスクを避けるという方法もあります。
もっとも、当事者の双方がともに納得できる第三者を見つけることは容易ではありませんし、第三者を介することに相手が同意してくれないこともあります。また、不倫していた事実やトラブルの全容について第三者に話す必要があるため、話が広まってしまうというリスクがあります。
警察相談専門電話(#9110)で相談する
警察相談専門電話(#9110)に脅迫をされていることを相談するという方法があります。
こちらは、自身のトラブルについて警察に電話相談することができるという公的窓口です。
相談内容に応じて関係部署が連携して対応し、指導、助言、相手方への警告、検挙など相談者の不安解消措置を講じてくれることがあります。
もっとも、継続的に相談に乗ってくれるとは限らず一時的な対処方法にとどまってしまうことがあります。
法テラスに相談する
法テラスとは、経済的に余裕のない方が法的トラブルにあったときに、弁護士・司法書士と面談のほか電話などでも無料で法律相談を受けられる制度です。
法テラスに相談するためには、
①収入等が一定の基準以下であること、
②勝訴の見込みがないとは言えないこと、
③民事法律扶助の趣旨に適すること(報復感情を満たす目的、宣伝目的、権利濫用目的などでないこと)
が必要です。相談場所や①の基準については法テラスの公式HPでご確認ください。
なお、①~③の要件を満たさない場合には法テラスに相談することができません。また、法テラスの弁護士が必ずしも不倫に関する法的トラブルに強みを持っているとは限りませんので、十分な実績や解決のノウハウを有していない場合もあります。
まとめ
不倫で脅迫されたらまずは冷静になり、弁護士に相談することを検討しましょう。焦燥感や不安感から個人での対応を一番に考えることは、避けてください。
また、再びこのような事態を避けるためにも今後、不倫をすることは止め、健全なお付き合いをすることをお勧めします。