婚約中の浮気も不貞行為になる?婚約中の不貞行為が招くリスク

  • 最終更新日: 2024.06.14

この記事を読んでくださっているあなたは、婚約中の浮気がバレたらどうなるのか、気になっていませんか。まだ結婚していないから不倫にならないだろう、と軽く考えていませんか。

この記事では、婚約中の不貞行為が招くリスクについて解説します。

あなたは今、このまま浮気を続けていいのか不安に思っていることと思います。あなたの今後について、真剣に考えるきっかけになれば幸いです。

婚約中の浮気も不貞行為となるのか

婚約中に浮気相手と肉体関係があった場合、不貞行為となります。

婚約中に不貞行為を行った場合、夫婦と同様に貞操義務違反に当てはまる可能性があるためです。
婚姻関係における場合ほど強い内容のものではないにしても婚約中の当事者は互いに貞操を維持する義務を負うものと考えられています。

そもそも婚約とは、結婚の約束をすることです。
婚約をすると、お互いに婚姻を成立させるよう努める義務を負います。しかし、婚約には書類や法的な手続きがないため、曖昧になりやすいです。

そのため、一般的に婚約しているかどうかは、客観的にみて結婚する意思が明確である以下のような状態を指します。

  • 結納を行った
  • 婚約指輪を贈った
  • 結婚式場を予約した
  • 友人や会社に婚約を報告した

このように、第三者への報告と合わせて結婚の準備が進められている状態であれば、婚約が成立していると言えます。

婚約が成立している状態で浮気相手と肉体関係があった場合、不貞行為となりますので気をつけましょう。

婚約中の不貞行為が招く3つのリスク

婚約中の不貞行為には、次のようなリスクが伴います。

  • 婚約を破棄される
  • 社会的信用を失う
  • 慰謝料を請求される可能性も

今後の人生を左右する、大きな分かれ道になるおそれがあります。

婚約を破棄される

不貞行為を理由に、婚約を破棄される可能性があります。

婚約を破棄された場合、結納金や結婚式場のキャンセル料など、結婚に向けて準備した支出が無駄になります。そのため、経済的損害に対する賠償を請求されるおそれがあります。

社会的信用を失う

社会的信用を失うおそれがあります。

不貞行為を理由に婚約が破棄された場合、家族だけでなく、友人や勤め先にまで婚約中の不貞行為の事実が知られてしまう可能性があるからです。

交友関係のみならず、社内での評価が厳しくなり、キャリアにも影響を及ぼすおそれがあります。

慰謝料を請求される可能性も

婚約中の不貞行為について、婚約者から慰謝料を請求されることも考えられます。

婚約中の不貞行為は、結婚後の不貞行為と同様、民法770条第1項1号の貞操義務違反に当てはまる可能性があるためです。

浮気相手が、あなたが婚約中であることを知っていた、もしくは知ることができた場合、浮気相手も慰謝料を請求される可能性があります。不貞行為という不法行為により、婚約破棄という損害を与えたためです。

婚約中の不貞行為について慰謝料を支払わずに済む3つのケース

婚姻中の不貞行為について慰謝料を請求されても、以下の3つのケースのいずれかに該当する場合は、慰謝料を支払わずに済むかもしれません。

  • 婚約の成立が立証されていない
  • 浮気相手と肉体関係がなかった
  • 時効が成立している

以下で詳しく解説します。

婚約の成立が立証されていない

婚約が成立していなかった場合や、婚約相手が婚約の成立を立証できない場合は、慰謝料を支払わずに済む可能性があります。

婚約中の不貞行為に基づく慰謝料を請求するには、婚約が成立していることを立証する必要があります。そのため、客観的に見て結婚する意思が明確であることが分かる証拠が必要になります。

具体的には、以下のものなどが挙げられます。

  • 結納を行った証拠
  • 結婚式場の申込書や予約票
  • 新居となる物件の賃貸契約書

婚約の合意だけでも婚約は成立しますが、立証は困難でしょう。婚約相手が婚約の成立を立証できない場合は、慰謝料の支払いを拒否できる可能性があります。

浮気相手と肉体関係がなかった

婚約中に浮気をしたものの、浮気相手との間に肉体関係がなかったなら、慰謝料を支払わずに済みます。

不貞行為に基づく慰謝料を請求するには、肉体関係があったことを立証する必要があります。肉体関係があったことを証明できる、もしくはあっただろうと推認できる十分な証拠が必要になります。

回数や頻度など個々のケースにより異なりますが、2人だけの食事や、キスやハグをしただけでは不貞行為にはなりません。

そのため、浮気相手と肉体関係がない場合、慰謝料の支払いを拒否できる可能性があります。

時効が成立している

時効が成立している場合は、慰謝料を支払わずに済むでしょう。

不貞行為の慰謝料請求は、時効成立前に行う必要があります。

時効が成立すると、慰謝料請求の権利そのものが消滅するためです。そのため、時効期間を経過した慰謝料請求には応じる必要はありません。

不貞行為に基づく慰謝料請求権の時効は、不貞行為の事実とその相手を知ったときから3年不貞行為のときから20年です。

時効期間を経過している場合は、慰謝料の支払いを拒否しましょう。

婚約中の不貞行為の慰謝料の相場

婚姻中の不貞行為の慰謝料の相場は、不貞行為が発覚した後の婚約関係により異なります。

  • 不貞行為はあったが婚約は継続する場合 50〜100万円程度
  • 不貞行為が原因で婚約を破棄する場合 100〜200万円程度

ただし、婚約相手が寿退社をしていたり、妊娠していたりする場合、相場より高額の慰謝料が認められることもあります。婚約者の不貞行為による精神的苦痛がさらに大きいと評価される可能性があるためです。

話し合いでまとまらなければ裁判になる可能性も

婚約中の不貞行為について慰謝料を請求された場合、相手と交渉を進めていくことになります。

しかし、相場からかけ離れた金額の慰謝料を請求された場合や、そもそも不貞行為の事実がない場合など、支払う必要のない高額の慰謝料を焦って支払ってしまうケースも考えられます。話し合いでまとまらなければ、訴訟に発展する可能性もあります。

ご自身で慰謝料請求の交渉に対応することも可能ですが、お互いに感情的になり、状況がより悪化することも考えられます。妥当な慰謝料の金額はそれぞれのケースによって異なるため、判断には法的な知識が必要です。

ご自身での対応に不安があるならば、弁護士への相談をおすすめします。弁護士は交渉のプロです。交渉をより有利に進められるだけでなく、早期解決も期待できます。

まとめ

婚約中の不貞行為はさまざまなリスクを招きます。バレなければ大丈夫、と安易な気持ちで浮気の関係を続けることはやめましょう。

婚約を破棄されるだけでなく、高額な慰謝料を請求される可能性があることを忘れてはいけません。社会的信用も失うリスクもあるため、今後の交友関係やキャリアにも影響を及ぼすおそれがあることも覚えておきましょう。

婚約中の不貞行為が法的トラブルに発展したら、ぜひ一度ネクスパート法律事務所にご相談ください。ネクスパート法律事務所には、不貞行為に基づく慰謝料問題に精通した弁護士が在籍しております。不安なあなたに寄り添い、全力でサポートいたします。

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