男女関係をもったことが推認でき、婚姻関係が破綻していない状態であったことから不法行為が成立 慰謝料150万円を認めた事例

不二夫が愛之助に対し、不二子と不貞行為を行い、これにより不二夫らの婚姻関係が破綻の危機に瀕するなどして精神的損害を被ったとして慰謝料等の支払いを求めた事案である。


愛之助と不二子は中学校の同級生であり、自宅も近く、子の年齢も近いため子らを含めて交友関係があり、不二子は愛之助の兄の家族とも交友関係を有していた。不二子は愛之助と同様に子らを含めて交友関係のあった女性の友人に対して不二夫との婚姻関係の悩みを相談することがあり、離婚を経験している愛之助にも同様の相談をすることがあった。


不二子と愛之助は宿泊の事実、前後の状況などから愛之助の自宅において男女関係を持ったと推認でき、不二夫と不二子は一旦離婚届出用紙に記入して不二子において提出しようとし、不二夫が単身で山梨に転居し、その後不二夫らの共同生活が形成されないまま推移して不二子の不二夫との離婚を求める調停申し立てに至っているなど良好な状態であるとは言えないが、離婚届は結局提出されずにいたこと、不二夫の山梨への転居は将来的に不二夫の実家がある山梨に居住する話は婚姻時からあり、不二夫が家族の呼び寄せを考えて家族用の住宅を賃借しているなどの事情から別居と評価しえるものでなく、婚姻関係は破綻した状態ではなかったと認められ、愛之助の不法行為は成立すると認められた。

もっとも、不二夫らの婚姻関係は 破綻していたとまでは言えないものの悪化しており、不二夫も不二子との共同生活を回復できないままに推移し、不二夫にも要因が相応にあるといえ、慰謝料150万円、弁護士費用15万円の計165万円が相当とされた。

当事者の情報

不貞期間1年
請求額550万円
認容額165万円
子供人数3人(12歳、10歳、7歳)
婚姻関係破綻の有無破綻した状態ではない

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