配偶者の不倫が発覚したところ、不倫相手が複数人いた!となれば、驚きと怒りでいっぱいのことと思います。
しかし、不倫相手が複数いる事案は少なくありません。
この記事では、複数の不倫相手に対する慰謝料請求について、そのメリットやデメリットに触れつつ解説しています。
ぜひ参考にしてください。
目次
不倫相手が複数いる場合には、全員に対して慰謝料請求が可能
不倫相手が複数いる場合には、全員に対して慰謝料請求できます。
誰に対して慰謝料請求するのかは、あなたが決められます。
例えば、配偶者に不倫相手が2人いた場合には、どちらか1人に対して慰謝料請求してもよいですし、全員に対して慰謝料請求してもよいです。
不倫相手だけでなく、配偶者に対する慰謝料請求も可能です。
複数の不倫相手に慰謝料請求する場合には、それぞれに対して個別で交渉する必要があります。
不倫相手の事情はそれぞれで異なりますから、例えば、1人の不倫相手が既婚者であることを知らなかったと主張した場合には、その人に対する慰謝料請求は認められない可能性が高くなりますので注意しましょう。
不倫相手が複数いる場合、慰謝料が倍増するわけではない
不倫相手が複数いる場合、個々の慰謝料が倍増するわけではありません。
不貞行為の慰謝料の相場は、50万円~300万円程度とされていますが、例えば、不倫相手が2人の場合には、100万円~600万円と相手の数に比例して増加するものではありません。
不倫相手が複数いる場合、配偶者に対する慰謝料増額事由になる可能性はある
不倫相手が複数いる場合、配偶者に対する慰謝料増額事由になる可能性はあります。
そもそも不貞慰謝料は、被害者の精神的苦痛を理由に請求できるものですので、被害者の精神的苦痛の程度によって慰謝料額が大きく変わります。
不倫相手が複数いたことは、その行為態様が悪質であり、被害者の精神的苦痛もより大きくなると考えられるでしょう。
したがって、配偶者に対する慰謝料増額事由になる可能性があります。
不倫相手が複数いる場合、全員に対して慰謝料請求するメリット
不倫相手が複数いる場合、全員に対して慰謝料請求するメリットには、次の3つがあります。
- 獲得できる慰謝料の総額が大きくなる可能性がある
- 配偶者と不倫相手全員との関係を解消できる
- あなたの気持ちの整理がつく
以下、詳しく見ていきましょう。
獲得できる慰謝料の総額が大きくなる可能性がある
獲得できる慰謝料の総額が大きくなる可能性があります。
1人だけに慰謝料請求するよりも、2人、3人に慰謝料請求する方が、交渉次第では、結果として獲得できる慰謝料は大きくなるでしょう。
前章で解説したとおり、不倫相手が複数いる場合、個々の慰謝料が倍増するわけではありません。
裁判で争う場合には、不倫相手が複数いることによって、個々の不貞行為による婚姻生活への影響が小さいと評価された場合には、不倫相手側の責任が減る可能性もあります。
ですが、複数の不倫相手それぞれに対し個別で交渉をした場合に、各不倫相手が、自分が複数の不倫相手の一人であると知らない可能性もあります。
この場合には、交渉次第で、獲得できる慰謝料が大きくなるでしょう。
配偶者と不倫相手全員との関係を解消できる
配偶者と不倫相手全員との関係解消を期待できるでしょう。
不倫相手全員に対して慰謝料請求する場合には、それぞれと個別に交渉を進める必要があります。
それぞれとの交渉が示談で成立しそうな場合には、示談書を作成します。
示談書には、今後の接触を禁止する文言を入れることもよくあります。
したがって、慰謝料請求と接触禁止文言により、今後関係が継続する可能性は低いでしょう。
あなたの気持ちの整理がつく
あなたの気持ちの整理がつくでしょう。
不倫相手全員に対して慰謝料請求するのは、相応の労力が必要になります。しかし、不倫の事実があるにも関わらず慰謝料請求しないと言うのも、あなたにとってはやるせない気持ちになるでしょう。
したがって、不倫相手全員に対して慰謝料請求することは、金銭面だけでなくあなたの精神面においてメリットになると言えるでしょう。
不倫相手が複数いる場合、全員に対して慰謝料請求するデメリット
不倫相手が複数いる場合、全員に対して慰謝料請求するデメリットには、次の2つがあります。
- 解決までに時間と労力がかかる
- 相手の主張によっては、慰謝料請求できない・慰謝料が減額される可能性ある
以下、詳しく見ていきましょう。
解決までに時間と労力がかかる
解決までに時間と労力がかかるでしょう。
不倫相手全員に対して慰謝料請求する場合には、それぞれと個別に交渉を進める必要があります。それぞれの言い分を整理して、交渉、示談成立までにはかなりの時間と労力がかかるでしょう。
不倫相手が複数いる場合、相手の氏名や住所の調査に時間がかかることもあります。
したがって、とにかく慰謝料が欲しいという場合には、不倫相手全員に対して慰謝料請求するのではなく、一部の人にのみ請求する方が早期解決に繋がる場合もあります。
相手の主張によっては、慰謝料請求できない・慰謝料が減額される可能性もある
相手の主張によっては、慰謝料請求できない・慰謝料が減額される可能性もあるでしょう。
既婚者とは知らなかった旨の主張
不倫相手が既婚者であることを知らなかった旨の主張をした場合、慰謝料を請求できない可能性があります。
なぜなら、不貞慰謝料が請求できるのは、不貞行為が民法上の不法行為に該当するからです。
不法行為が成立するためには、加害者の故意または過失が必要です。
不倫相手が既婚者であることを知らなかった場合には、故意がありませんから、不法行為が成立しません。
したがって、不倫相手が既婚者であることを知らなかったケースでは、不貞慰謝料の支払い義務が生じません。
婚姻破綻との因果関係の不存在の主張
複数の不倫相手がいたことを主張してきた場合には、慰謝料が減額される可能性もあります。
不貞慰謝料が認められるのは、不貞行為によって平穏な婚姻生活が侵害されたことにあります。婚姻生活への影響が大きいほど、慰謝料額も高くなります。
不倫相手が複数いた場合には、婚姻関係の破綻の原因が、自分の不貞行為によるものではなく、他の不倫相手との不貞行為によるものであると主張される可能性があるでしょう。
他の不倫相手との交際があることで、自分の不貞行為以前に、婚姻関係が完全に破綻していたとされれば慰謝料請求が認められない可能性もあります。慰謝料請求が認められた場合であっても、自分の不貞行為以前に、婚姻関係が相当程度悪化していたとして、慰謝料が減額される可能性が高いでしょう。
不倫相手が複数いる場合には、交際年数等それぞれの事情によって慰謝料額も大きく変わることになります。
したがって、一部の人にのみ請求する方が早期解決に繋がる場合もあります。
不倫相手が複数いる場合には、弁護士への相談をおすすめ
不倫相手が複数いる場合には、弁護士への相談をおすすめします。
不倫相手が複数いる場合には、それだけ交渉の手間も増えることが考えられます。
したがって、次のような理由から、弁護士への相談をおすすめします。
- 誰に対して慰謝料請求するのがよいか相談できる
- 相場以上の金額で示談成立できる可能性がある
- 相手と直接交渉せずに解決できる
以下、詳しく見ていきましょう。
誰に対して慰謝料請求するのがよいか相談できる
1つ目の理由は、誰に対して慰謝料請求するのがよいか相談できることです。
不倫相手が複数いる場合には、慰謝料請求の要件を満たしているかどうか、一人一人検討する必要があります。
相手の資産状況によっては、慰謝料を回収できる見込みがない場合もあるでしょう。
弁護士と話し合うことで、なるべく時間や労力をかけずに解決を目指すうえでの方針をしっかりと検討することができるでしょう。
相場以上の金額で示談成立できる可能性がある
2つ目の理由は、相場以上の金額で示談成立できる可能性があることです。
交渉はそれぞれ個別に行うため、それぞれ示談で決まった慰謝料額を合計した場合に、相場以上の慰謝料を受け取れる可能性もあるでしょう。
相手と直接交渉せずに解決できる
3つ目の理由は、相手と直接交渉せずに解決できることです。
不倫相手が複数いる場合には、それぞれに対して個別に交渉する必要があります。したがって、時間や労力だけでなく、あなたの精神的な負担も通常と比較してさらに大きくなるでしょう。
弁護士に依頼することで、ご自身が直接交渉をする必要がなくなることから、これらの負担軽減に繋がるでしょう。
まとめ
不倫相手が複数いる場合には、まず誰に対して慰謝料請求をするのかを検討していくことになります。
相手の事情や交際期間によっては、請求できる慰謝料額も大きく変わることでしょう。
誰に対してどのような方針で請求するのかは、弁護士と一緒に検討することをおすすめします。
弁護士としてお手伝いできることがあるかもしれません。
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