更新日:2025年7月28日 (月)
公開日:2020年8月18日 (火)
健康食品とは?健康食品の広告の留意点
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概要
健康食品とは何かについて、法律上の定義はありませんが、健康食品の広告販売においては、当該健康食品が、薬機法上「医薬品」に該当するか否かが最も重要な問題となりえます。
なお、薬機法をはじめとして、健康食品の製造・輸入・販売等については以下の法律に留意する必要があります。
① 食品衛生法
② 健康増進法
また、健康食品の広告表示や販売方法については、以下の法律に留意する必要があります。
① 食品表示法
② 特定商品取引法
③ 不当景品類及び不当表示防止法
④ 農林物資の規格化等に関する法律
「医薬品」に該当するかどうか
ある健康食品が、医薬品に該当するか否かは、最高裁判所と厚生労働省で、それぞれ見解が示されています。
例えば、ビタミンや亜鉛などではなく、ただの水だとしても、効能効果を標ぼうしたり、名称や、用法容量の記載によっては医薬品であるとみなされます。また、「健康食品」や「サプリ」であることを明記したとしても、医薬品であるとみなされることがあります。
医薬品であるとみなされてしまうと、承認を受けていなければ未承認の医薬品の広告や販売をしたことになり、行政指導だけでなく、刑事責任を問われ、最悪は逮捕され、刑務所に入らなければならないということになります。またこのことは、当該商品が人体に悪影響を及ぼしたか否かなどの周辺事情とも無関係です。
なお、yahoo!やGoogleに広告を掲載する場合には、広告審査の際に、ある程度薬機法についても審査がなされるので、これらの審査がなされるwebサイトやそのリンク先については、通常薬機法について十分注意している事業者が大半であると思われます。
しかし、効能効果の標榜は、webサイトへの表記だけでなく、同梱するパンフレットや販売する書籍なども加味して判断されます。また、インフルエンサーにSNSで発信してもらうことや、口コミサイトに体験談を書いてもらうことなども効能効果の標榜となり、これにより対象となる商品が医薬品であるとみなされてしまう可能性も生じるので十分注意が必要です。
なお、稀に、BtoCの広告ではなくBtoBの広告についても取締りの対象となる場合があるので、これについても十分注意が必要です。
(1) 最高裁判所の判断基準
最高最判例において、健康食品が医薬品に該当するか否かは、その物の成分、形状(剤型、容器、包装、意匠など)、名称、その物に表示された使用目的、効能効果、用法用量、販売の際の演述などを総合的に判断し、一般通常人の理解において、人または動物の疾病の診断、治療または予防に使用されるものと認識され、または薬効があると標榜したか否か、とされています(つかれず粒事件判例/最判昭和57年9月28日)。
(2) 厚生労働省の判断基準
ア 厚生労働省の通達である「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」(昭和46年6月1日薬発第476号)によれば、健康食品が医薬品に該当するか否かは以下のように解釈されています。

| 人が経口的に服用する物が、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第1項第2号又は第3号に規定する医薬品に該当するか否かは、医薬品としての目的を有しているか、又は通常人が医薬品としての目的を有するものであると認識するかどうかにより判断することとなる。通常人が同項第2号又は第3号に掲げる目的を有するものであると認識するかどうかは、その物の成分本質(原材料)、形状(剤型、容器、包装、意匠等をいう。)及びその物に表示された使用目的・効能効果・用法用量並びに販売方法、販売の際の演述等を総合的に判断すべきものである。 |
イ ここまでをみれば最高裁判所と厚生労働省のいずれにおいても一般通常人の理解を前提に、医薬品としての目的を有しているか否かを基準にしていることが分かります。
ただし、上記の厚生労働省の通達は、続けて以下のような厳しい解釈により運用がされています。
医薬品に該当するか否かは、個々の製品について、上記の要素を総合的に検討のうえ判定すべきものであり、その判定の方法は、Ⅰの「医薬品の判定における各要素の解釈」に基づいて、その物の成分本質(原材料)を分類し、効能効果、形状及び用法用量が医薬品的であるかどうかを検討のうえ、Ⅱの「判定方法」により行うものとする。 ただし、次の物は、原則として、通常人が医薬品としての目的を有するものであると認識しないものと判断して差し支えない。
Ⅰ 医薬品の判定における各要素の解釈 2 医薬品的な効能効果の解釈 (一) 疾病の治療又は予防を目的とする効能効果 (二) 身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効能効果。ただし、栄養補給、健康維持等に関する表現はこの限りでない。 (三) 医薬品的な効能効果の暗示 3 医薬品的な形状の解釈 4 医薬品的な用法用量の解釈 Ⅱ 判定方法 人が経口的に服用する物について、Ⅰの「医薬品の判定における各要素の解釈」に基づいて、その成分本質(原材料)を分類し、その効能効果、形状及び用法用量について医薬品的であるかどうかを検討のうえ、以下に示す医薬品とみなす範囲に該当するものは、原則として医薬品とみなすものとする。なお、2種以上の成分が配合されている物については、各成分のうちいずれかが医薬品と判定される場合は、当該製品は医薬品とみなすものとする。 医薬品とみなす範囲は次のとおりとする。 |
ウ 「明らかに食品と認識される物」の解釈
厚生労働省の通達である「無承認無許可医薬品の監視指導について」(昭和62年薬監第88号)によれば、以下の通りです。
| (1) 通常食生活において、その物の食品としての本質を経験的に十分認識していて、その外観、形状等より容易に食品であることがわかるものは、その物の食品としての本質に誤認を与えることはないため、通常人がその物を医薬品と誤認するおそれはない。 したがって、医薬品の目的を有するものであるという認識を与えるおそれのないこのような物は、医薬品に該当しないことは明らかであり、その成分本質(原材料)、形状、効能効果、用法用量について個々に検討し、後述する「判定方法」に従って判定するまでもない。 (2) その物がここでいう「明らかに食品と認識される物」に該当するか否かは、食生活の実態を十分勘案し、外観、形状及び成分本質(原材料)からみて社会通念上容易に食品と認識されるか否かにより判断するものである。通常人が社会通念上容易に通常の食生活における食品と認識するものとは、例えば次のような物が考えられる。ただし、特定の成分を添加したもの、遺伝子組み換え技術を用いたものなど、医薬品としての目的を持つことが疑われるものについては、個別に判断をする必要がある。 (3) なお、「明らかに食品と認識される物」について行われる標ぼうにあっては、虚偽誇大な表現については不当景品類及び不当表示防止法第4条第1項第1号に、また、場合によっては健康増進法第31条等他法令に抵触するおそれがあるので、栄養・食品担当部局等関係部局に照会するよう指導すること。 |
エ 「栄養補給」という表現について
厚生労働省の通達である「無承認無許可医薬品の監視指導について」(昭和62年薬監第88号)によれば、以下の通りです。
| ・栄養補給に関する表現 (1) 「栄養補給」の表現について ア 栄養補給」という表現自体は、医薬品的な効能効果には該当しないが、次のような、疾病等による栄養成分の欠乏時等を特定した表現は、医薬品的な効能効果に該当する。 (例) ・病中病後の体力低下時(の栄養補給)に ・胃腸障害時(の栄養補給)に なお、医薬品的な効能効果に該当しない表現であっても、虚偽誇大な表現については不当景品類及び不当表示防止法第4条第1項第1号に、また、場合によっては健康増進法第31条等他法令に抵触するおそれがあるので、食品としての表現の適否については、栄養・食品担当部局等関係部局に照会するよう指導すること。 イ 特定時期の栄養補給については、正常状態でありながら通常の生理現象として特に栄養成分の需要が増大することが医学的、栄養学的に確認されている発育期、妊娠授乳期等において、その栄養成分の補給ができる旨の表現は、直ちに医薬品的な効能効果には該当しない。 なお、この場合にあっても、虚偽誇大な表現については不当景品類及び不当表示防止法第4条第1項第1号に、また、場合によっては健康増進法第31条等他法令に抵触するおそれがあるので、食品としての表現の適否については、栄養・食品担当部局等関係部局に照会するよう指導すること。 ウ 栄養補給と標ぼうしながら、頭髪、目、皮膚等の特定部位への栄養補給ができる旨を標ぼうし、当該部位の改善、増強等ができる旨暗示する表現は、医薬品的な効能効果に該当する。 (2) 栄養成分に関する表現について ア 栄養成分の体内における作用を示す表現は、医薬品的な効能効果に該当する。 ただし、栄養機能食品において、栄養成分の機能として認められた表示の範囲を除く。 (例) ・〇〇は体内でホルモンのバランスを調整しています。 なお、特定商品に関連しない栄養に関する一般的な知識の普及については、この限りでない。 イ 具体的な作用を標ぼうせずに単に健康維持に重要であることを示す表現又はタンパク質、カルシウム等生体を構成する栄養成分について構成成分であることを示す表現は、直ちに医薬品的な効能効果には該当しない。 なお、この場合にあっても、虚偽誇大な表現については不当景品類及び不当表示防止法第4条第1項第1号に、また、場合によっては健康増進法第31条等他法令に抵触するおそれがあるので、食品としての表現の適否については、栄養・食品担当部局等関係部局に照会するよう指導すること。 |
オ 「健康維持」「健康増進」という表現について
厚生労働省の通達である「無承認無許可医薬品の監視指導について」(昭和62年薬監第88号)によれば、以下の通りです。
| (1) 「健康維持」、「美容」の表現は、医薬品的な効能効果に該当しない。 なお、虚偽誇大な表現については不当景品類及び不当表示防止法第4条第1項第1号に、また、場合によっては健康増進法第31条等他法令に抵触するおそれがあるので、食品としての表現の適否については、栄養・食品担当部局等関係部局に照会するよう指導すること。 (2) 「健康増進」の表現は、身体諸機能の向上を暗示するものであるが、「食品」の文字を容器、被包前面及び内袋にわかりやすく記載する等食品である旨が明示されている場合であって、総合的に判断して医薬品と認識されるおそれのないことが明らかなときには、「健康増進」の標ぼうのみをもって医薬品に該当するとは断定できないものの、虚偽誇大な表現については不当景品類及び不当表示防止法第4条第1項第1号に、また、場合によっては健康増進法第31条等他法令に抵触するおそれがあるので、食品としての表現の適否については、栄養・食品担当部局等関係部局に照会するよう指導すること。 |