更新日:2026年7月7日 (火)

公開日:2026年7月7日 (火)

立ち退きの際に家賃は免除されるか?可能なケースを解説

立ち退きの際に家賃は免除されるか?可能なケースを解説 立ち退きの際に家賃は免除されるか?可能なケースを解説

貸主から突然立ち退きを求められると、多くの人が不安に襲われると思います。その際、貸主の都合で立ち退きを求めるなら、「立ち退きまでの家賃は免除されるのでは…?」と思う方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、立ち退きと家賃免除の関係について解説します。

立ち退きの際に家賃は免除されるか?

立ち退きを求められた場合でも、原則として家賃が免除されることはありません。ただし、交渉次第では家賃の減額や免除を受けられる場合もあります。

原則として家賃は免除されない

貸主の都合(建物の老朽化による建て替えや、自己使用のためなど)で、立ち退きを求められたとしても、原則として家賃が免除されることはありません。
賃貸借契約が有効である限り、居住の対価として家賃を支払い続ける義務があるからです。これは、貸主との間で立ち退きの話し合いが進行している間も変わりません。
立ち退きを求められたからといって、家賃の支払いを勝手にやめると、債務不履行により契約を解除される可能性があります。
立ち退きの交渉中でも、家賃の支払いは継続する必要があります。

交渉によっては家賃が免除される可能性がある

交渉によっては家賃が減額されたり、免除されたりする場合もあります。
借主の理解と協力を得て、スムーズに立ち退きを実現さえるために、貸主が一定の譲歩を提示することがあるからです。
立ち退きに応じてもらうために、貸主側から、退去日までの家賃減額・免除を提案するケースもあります。

立ち退きまでの家賃免除が検討され得るケースは?

貸主都合で立ち退きを求められている場合は、家賃免除の交渉の余地があるかもしれません。しかし、借主側の契約違反を理由に退去を求められている場合は、原則して家賃の免除は受けられないでしょう。

貸主都合の場合|交渉の余地あり

建物の老朽化など貸主都合の立ち退きの場合でも、原則として、立ち退き交渉中も家賃の支払い義務は継続します。
ただし、立ち退き交渉が長期化した場合、貸主側が交渉の負担を軽減する目的で、残り期間の家賃を免除するケースがあります
賃料を無料にして、その費用を引越し費用などに充ててもらうなど、借主に退去を促せます。
貸主都合の立ち退きでは、家賃免除が交渉の一部として検討されることがあります。

借主の契約違反による場合|原則として交渉の余地なし

家賃滞納や迷惑行為など、借主の契約違反による立ち退き(明け渡し請求)の場合は、家賃免除の可能性は低いです
家賃の支払いが長期間滞り、それが当事者間の信頼関係を破壊しているといえる程度であれば、貸主からの契約の解除が認められます。
家賃滞納を無視し続け、貸主が裁判所に建物明け渡し訴訟を提起すれば、最終的に裁判所の命令で強制退去となります。この際、強制執行にかかった費用や滞納家賃に対する遅延損害金も請求される可能性があります。
保証会社を利用している場合は、信用情報機関に事故情報が登録され、今後の賃貸契約が困難になる、いわゆるブラックリスト入りになるリスクもあります

家賃免除の交渉をする際のポイントは?

家賃免除の交渉を考えている方は、交渉を成功に導くために、以下のポイントをチェックしましょう。

通知書の内容を冷静に確認する

立ち退きの通知書の内容を冷静に確認しましょう。
貸主からの立ち退き通知に即答してはいけません。借地借家法では、貸主が契約更新を拒絶する通知は、契約満了の6か月〜1年前までに行わなければならないと定められています。貸主からの通知が来たときは、契約満了まで6か月以上の期間が空いているか、立ち退きの要求が正当なものかどうかを判断しましょう。

交渉の武器になるものを準備する

貸主に対して家賃免除を含む立ち退き料の交渉をする際、有利に進めるための武器となる客観的な根拠を準備しましょう。
例えば、新居探しにかかる費用(引越し代、仲介手数料、敷金・礼金など)の見積もりを複数取ったり、立ち退きによって現在の家賃よりもどの程度負担が増えたりするかなど、具体的な金額を提示できるように準備しましょう。

誠実な態度で交渉に臨む

貸主との交渉は、誠実な態度で臨みましょう。
無理な要求を一方的に押し付けるのではなく、なぜその金額が必要なのかを具体的に説明しましょう。
立ち退き料を相場より下げる代わりに、退去までの家賃を免除してもらう妥協案を提示するのも有効な手段です。

交渉内容を書面に残す

貸主との交渉内容は、メモや音声などで記録しておきましょう。
口頭での約束は避け、最終的に合意した内容は立ち退き合意書として正式な書面として残し、両者が署名・捺印します。このようにしておけば後々のトラブルを防げます。

まとめ

本記事では、立ち退き交渉における家賃の扱い、立ち退き料との関係について解説しました。借主の権利は、借地借家法で強く保護されています。この法律があるおかげで、基本的に貸主は自身の都合で一方的に賃貸借契約を解除したり、更新を拒絶したりできません。
貸主が契約の更新を拒絶し退去を求めるには、法的に認められる正当事由が必要です。正当事由を補うために支払われるのが立ち退き料ですので、立ち退き料の交渉のカードの一つとして家賃の免除を提案するかどうか、検討しましょう。
立ち退きを求められてお悩みの方は、ネクスパート法律事務所にご相談ください。
当事務所には、不動産案件を多数手掛けた経験のある弁護士が在籍していますので、ぜひ一度お問合せください。

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