男性側の離婚の事案で、一度協議離婚したものの、相手方から離婚無効の訴訟を起こされ、本人が本人訴訟で行った原審では離婚無効が認容され、その控訴審から受任し、控訴審での離婚無効の判決は変わらなかったが、その後別途離婚訴訟を提起し、最終的には離婚が認められた事案。元々本人が別の代理人に依頼していたが、その代理人が本人に色々事務作業を押し付けるようなことが度々あり、その代理人を解任し、その後、本人訴訟で離婚無効の一審まで行い、控訴審から受任に至った。本人は、ネクスパートに来るまでに複数の事務所に相談したが、控訴審からの受任については断られていた。受任にあたっては、担当者において記録を事前に精査し、後記のとおり控訴審の見通しはあまり良くないことは事前に伝えた上で、控訴審後に別途離婚訴訟を提起することまで視野に入れて受任した。
受任後は、本人が一審で行なっていた主張を整理しながら控訴審での主張を行なっていたが、一審では本人も気づかぬうちに本人にとって不利な主張をしてしまっており、それが記録上残ってしまっていたため、控訴審で原判決の認定を覆すことはできなかった。
再度の離婚訴訟を行うにあたっては、本人が相手方との離婚無効の訴訟の途中に再婚していたため、相手方からは有責配偶者として離婚事由がないと争われるとともに、離婚無効が一旦確定してしまったため、婚姻費用も請求され、離婚訴訟と別に婚姻費用請求も係属した。加えて、相手方からは本人の再婚についての婚姻無効の訴えを起こされ、これが認容されたため、本人の再婚相手との間の子(再婚相手との婚姻無効が確定した後に誕生)の戸籍の問題も付随的に発生した。
離婚訴訟においては、相手方において離婚事由自体を争い、当事者の尋問手続まで至ったが、最終的には裁判所において離婚事由があることを認める心証が開示され、本人が相手方に解決金を支払う形での和解が成立した。解決金の金額については、尋問手続に至る前に裁判から和解案として提示されていた金額の半分以下の金額での解決となった。また、上記の再婚相手との子の戸籍の問題もあったため、本人としては相手方との離婚の早期解決を望む事情があったが、和解による解決は本人の意向に沿う結果となった。
担当者としては、元々控訴審の見通しは厳しいと考えており、そのことを受任前に伝え、現実的な見通しを伝えることで本人にとって満足のいく解決に繋がったと考える。1審から受任していれば結果が変わりえた事案だと思われるので、代理人をつける重要性も感じられる事案であった。また、早期の解決のためには、相手方に多少の解決金を支払うことも当初から検討していたが、裁判官から提示された和解案の金額は不当に高額であったため、安易に裁判官の提示する和解案に応じることは依頼人の利益には繋がらないことを痛感した事案であった。