婚姻関係に明確な同意があったとは解されず、不法行為責任は成立しないとした事例

不二夫と不二子が婚約をして同居中に、不二子が別の男性と不貞行為に及んだことにより婚約が破綻し、これにより不二夫は精神的苦痛を受け、また、婚約生活にかかる費用相当額の損害を被ったとして、不二子に対し、主位的に不法行為に基づく損害賠償として慰謝料、各種費用及び弁護士費用、予備的に債務不履行に基づく損害賠償として、不二子が支払い義務を認めた解決金の支払いを求めた事案である。


不二夫と不二子は大学の同級生であったところ、大学を卒業するのを機に交際を開始し、不二夫が転職することが決まったのを機に同居を開始することとした。

不二夫は不二子に対しプロポーズを行い、不二子が受諾して婚約が成立していたと主張したが、婚約成立をうかがわせる客観的証拠は、不二子が不二夫と同居する際に記入した入居申込書に不二夫との続柄について「婚約者」と記載した申込書のみであり、不二夫らが結納や結婚式場の下見、婚約指輪の購入などをしていないことは当事者間に争いはなく、加えて、不二夫や不二子やその両親等がいずれも結婚に向けた行動を何らとっていないこと、不二夫らがいずれもまだ年若いことなどを考慮すると、不二夫らが真摯に結婚に向けての話し合いを行い同意に至っていたものとも認められず、少なくとも明確な婚姻の同意が成立していたとは認められず、不二子が不二夫と交際期間中に別な男性と交際に及んだことについて不法行為を構成するものとは認められなかった。

また、不二子らの解決金支払合意の成否については、不二夫は不二子が慰謝料50万円の支払い義務をみとめたからこれを支払わない不二子は債務不履行責任を負うと主張したが、不二子は、不二夫との婚約の事実及び不二夫以外との男性との交際による不二夫に対する法的責任の存在を明確に否定したうえで、訴訟を避けるために解決金を支払う旨を提案しているから、不二子が慰謝料等の支払い義務を認めたものではないことは明らかであり、不二夫は本件訴訟を提起しているのであるから、不二夫と不二子間において解決金を支払う旨の合意が成立していないことも明らかであり、不二夫の主位的予備的請求には理由がないから棄却することとした。

当事者の情報

不貞期間
請求額主位的請求300万8572円
予備的請求50万円
認容額0円
子供人数
婚姻関係破綻の有無

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